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2乗可積分の収束性について
当方物理科の学生なのですが,フーリエ変換の問題を解いていた時気になった点があります.どこにでも書いてありそうかなとネットを探してみたのですが,探し方が悪いのか見つかりませんでした. 命題:有限区間を除いて何回でも微分可能な2乗可積分関数は0に収束する ことの証明を探しています.物理なのでそこまで気にすることもなく受け入れていたような内容なのですが,ふと数学的/厳密な証明が気になりました. 証明そのものや説明でなくともこの本に載っているよや,ウェブのソースを提示していただけるだけでも結構です. よろしくお願いします.
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反例があります(添付図)。 ****(準備1:部品 h(x;k) )**** 関数 f(x) を x>0 のとき f(x) = exp(-1/x^2) x<= 0 のとき f(x) = 0 と定義します。 f(x) は、 x = 0 のところを含め、何回でも微分可能。 さらに、k を正の整数として、関数 g(x) と 関数 h(x;k) を g(x) = f(x+1) / (f(x+1) + f(-x)) h(x;k) = g((x-k)・k^2) ・ g(-(x-k)・k^2) で定義します。すると、h(x;k) は、何回でも微分可能で、 x = k のとき h(x;k) = 1 0 < |x-k| < 1/k^2 のとき 0 < h(x;k) < 1 |x-k| >= 1/k^2 のとき h(x;k) = 0 です。このことから、さらに、次のことが分かります。 [1] ∫[-∞ to ∞]h(x;k) < 2/k^2 ****(準備2:無限級数Σ[k = 1 to ∞](1/k^2)について)**** 次のことは、簡単に確かめられます。 [2] Σ[k = 1 to ∞](1/k^2) < ∞ (正確には、Σ[k = 1 to ∞](1/k^2) = (π^2)/6 であることが知られている) ****(反例 p(x))**** 関数 p(x) を p(x) = (Σ[k = 1 to ∞]h(x;k))^(1/2) で定義します。無限和が出てきますが、任意の x の近傍で、有限個の h(x;k) だけが 0 以外です。したがって [3] p(x) は、何回でも微分可能 です。 また、どんなに大きな k に対してもp(k) = 1 ですから、 [4] x → ∞のとき、p(x) は 0 に収束しない さて、p(x)^2 の積分を考えましょう。α、βを、正の実数とします。βを超えない最大の整数を Int(β) と書きます。 ∫[-α to β]p(x)^2dx = ∫[0 to β]Σ[k = 1 to Int(β)+1]h(x;k)dx = Σ[k = 1 to Int(β)+1]∫[0 to β]h(x;k)dx < 2Σ[k = 1 to Int(β)+1](1/k^2) ([1] より) < 2Σ[k = 1 to ∞](1/k^2) このことと [2] により lim[α→∞、β→∞]∫[-α to β]p(x)^2dx < ∞ が分かりますから、 [5] p(x) が 2 乗可積分 であることが分かります。[3]、[4]、[5]は、p(x) が反例であることを示しています。
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- UBUNTU1990
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題意を取り違えていたら、ごめんなさい。 僕の専門は数学じゃなかったので、詳しい証明は忘れました。物理にしても工学にしても、数学の命題を証明なしに道具として使わせてもらうことはよくあります。 何回でも微分可能となりますと、僕の弱い頭の中では、関数の対称性が浮かびます。 |f(x)|^2>=0なので、たとえば、原始関数 F(x)=x^2>=0 を-1から1までだと、1-1=0. F(x)=x^2は何度でも微分可能です。 この場合は、y軸 (x=0) 対称になります。 虚数でも絶対値をとっているのでOK. それが分かったら、F(x)=(x-a)^2 を-bからbまでにして考える。 b>0, x=aに対称。 そしてb-->∞の場合を考えます。 フーリエ変換した結果は、SIN関数(対称性あり)のごちゃ混ぜなので、やっぱり複数の対称性があるのでしょう。そうすると、この2乗可積分関数(-∞から+∞まで)はゼロに収束するのかもしれません。 途中の有限区間で、微分不可の関数の場合は、別途考えてください。 なにせ古い記憶なので、定かではありませんが、ベクトル関連の教科書か論文(たぶん英語)に書いてあったように思います。量子論でも似たような論理をつかっていたような... なんか雲を掴むような説明になってしまいました。
補足
真摯に答えてくださってありがたいのですが,直感的な理屈よりは厳密な証明が欲しいとおもっております.たとえば殆ど0なんだけど極稀に極小さなパルスを,それこそ指数関数で減少していくような間隔で打つような変な関数があったとして(そういう特殊なものはC∞にしづらいかもしれませんが)そういうものが2乗可積分になってしまうようなことってないのでしょうかという屁理屈が考えられますよね.現時点ではUBUNTU1990さんの説明してくださったような物理的な便宜,まるめた直感でそのような仮定をおいているのかもしれません.教授の書いたノートにも隅っこに遠方で0収束とかいてあるだけですので.
- ramayana
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何をご質問されたいのか、伝わって来ませんよ。 収束とか極限とかいうとき、「n が∞に近づくときの a[n] の極限」「 x が 0 に近づくときの f(x) の極限」のように、「○○が△△に近づくときの××の極限」と記述します。ご質問は、○○、△△、××の部分が欠落しているので、ちんぷんかんぷんなのです。
補足
|x|→∞に飛ばしたときの2乗可積分な関数f(x)の極限です. 従って「有限区間を除いて」にあたる有限区間はいまのところ積分した時に有限値確定なので特に必要なかったかもしれません.C∞級で2乗可積分な関数の遠方極限が0に収束することが知りたかったのです.直感的には明らかな気もしますが・・・。数学屋さんにとって必要な仮定やら情報が欠けた説明になっていたようですね.(まだあるかも)ご容赦ください.
お礼
素晴らしい!感動してしまいました! 証明もわかりやすく書いて頂いたので,しっかりフォローすることができました.グラフは理解の助けになりました. それにしても数学者はどうやってこんな反例を思いつくのでしょうか.徐々に鋭くなるパルスでC∞級な上に積分で評価できるものでないといけない・・・.結果は2重の合成関数とあって僕のようなものには到底思いつくのは困難なように思われます.もちろんもう少し簡単なものはあるのかもしれませんけどね. 兎にも角にも楽しい反例をありがとうございました.