問1「方程式 x(x-1)=0 を解け」
と言われて
「x∈{0,1}」という素直な答は問題ないでしょ。(これを「x=0,1」と書くのはお認めになる?)
「x=0」と答えたら、これは十分条件になってます。(x=0 ⇒ x(x-1)=0)
「x∈{0,1,2}」と答えれば、これは必要条件になってます。(x(x-1)=0 ⇒ x∈{0,1,2})
「x^2 ≦ x となる整数」と答えたら、これは必要十分条件になってます。
どの答案にマルをあげましょうか?
問2「哺乳類を挙げよ」
と言われて
「ヒト」と答えれば、これは哺乳類の十分条件になってる。
「動物」と答えれば、これは哺乳類の必要条件になってる。
(しかし、哺乳類の必要十分条件になるような答はどう書きますかね。)
問1はx(x-1)=0の必要十分条件を尋ねているのではなくて、「方程式x(x-1)=0を解け」と命じてるんである。「方程式x(x-1)=0を解け」は命題ではないのだから、必要十分条件なんてものははじめから存在しません。で、「解け」とは{x | x(x-1)=0}をできるだけ具体的なカタチで答えろ、という、少々曖昧さを含んだ要求である。けれども、「x^2 ≦ x となる整数」じゃあ解けたことになってない、というのが普通の判断でございましょう。
つまり、「必要十分条件になってるかどうか」という議論は、「…を求む」「…を答えよ」「…を解け」の部分を無視しない限り(問題文が命題にならないから)そもそも成立たない。(ですから「3+2 = 」とだけ書かれた問題なら、「3+2 = 6-1」と答えるのはアリだと思う。)
同様に、問2は、「哺乳類の例を少なくともひとつ答えろ」という命令であって、もっと正確に言えば、「哺乳類の例を少なくともひとつ答えろ。そして、哺乳類の例でないものはひとつも答えるな」という要求である。
というわけで、答案は問いが求めるところに答えていればマルであり、さもなくばペケである。(「1から100000までの素数を印刷するプログラムを作れ」と言われて、1から100000までの自然数を全部印刷するプログラムを10秒で提出したらペケを貰ったstomachmanが言うんですから間違いないってば)
補足
一般にAならばBがなりたつならば、たとえBならばAが成り立たなくとも、それを用いて導いた結論は真ですよね? (例)AならばB、BならばCゆえにAならばC