専門家の方の回答のあとに回答するのは失礼かとも思いますが、「帯に短し、たすきに長し」「中途半端のろくでなし」回答を混ぜさせていただきます。
明解という言葉を世に知らしめたのは「明解国語辞典」であろうと思いますがこの後継者である「新明解国語辞典」には次のように出ています。
めいかい
1.明快(+な・に):その人の考え方やその時の説明の仕方にあいまいさがなく、筋が一貫していると思われる様子。「明快な決断をくだす」
2.明解:(一)(簡潔で)要領を得た解釈。(二)(+な・に)いちいち説明されなくとも、その意味するところがよく判る様子。
両者の意味の違いは上によるとして、ここで(+な・に)の意味する所を書きますと、(私は国語学が専門ではありませんから詳しくは知りませんが)「形容動詞」という品詞があるかどうかという問題が国語学の中にはあるようです。そして「新明解国語辞典」ではこの問題について「いわゆる形容動詞」と記してあり、(+な・に)は名詞のほかに連体形に「な」連用形に「に」の用法があることを示しています。
つまり、「明解」という語が「(簡潔で)要領を得た解釈。」という時(すなわちご質問の例だと思いますが)には「明解な・・」は誤用だと思います。あるいは少なくとも使わない方がよろしいかと思います。
なお、以下は蛇足です。
>ただ、google なんかで検索してみると、結構ヒットするんですよね。
>因みに、google では次の結果です。
> ・明解に理解 → 100 件
> ・明快に理解 → 323 件
私はネットでこの様なことを調べるのはほとんど無駄なことだと考えています。なぜなら、漢字変換の間違いなどによる誤用が多いからです。一例として「うろ覚え」を「うる覚え」としている例も沢山あります。(あるサイトによりますとGoogleで「うる覚え」と検索すると 5,470件 . 「うるおぼえ」で検索すると 1,340件 (注)(2003/7/24). 正しくは「うろ覚え」.だそうです)
つまり、その用法がヒットするかどうかではその用法の正しさは判定できないですし、やはり辞書に当たってみるべきだと思います。
でも、その肝心の辞書相互間に「形容動詞」の存在・非存在についての議論があるようですから難しいものですね。
お礼
いろいろお手間と考察をいただきまして、大変ありがとうございました。 ---- どうも、正に私が今回おたずねしましたようなことが 大いに関係するケースだったのかと思います。 要するに、 2つの言葉の読み方が同じで、意味も割合類似していたり 取り違い易かったりということによる混同・誤用というのが 真相・実情のようですね。 ---- たとえば、 「正解」というのが、「正しい解き明かし」あるいは 「正しく解き明かしたもの」であるのと同じように、 「明解」についても、 「分りやすい解き明かし」、「分りやすく解き明かしたもの」 というように、元来は「名詞」の用法しかない言葉が、 「明快」との読みの共通性、意味の類似性などによる混同・誤用から、 「明快」と同じような「形容動詞的」な使い方が伴いがちで、 ---- そうした使い方がそれなりの頻度で、 かつそれほどの抵抗感もなく行われたりする状況にあって、 辞書によっては、誤認か追認かはともかくとして、 それらの「形容動詞的」な用法も取り上げるようになって、 同様に、 Windows で使われる入力システムの MS-IME なんかでも、 「めいかいに」、「めいかいな」の漢字変換候補には、 しっかりと「明解に」、「明解な」というのも並んでいて、 (「一太郎」の ATOK などではどうなのか確認してませんが) ということなんだろうと理解しました。 ---- 改めて考えてみると、 この種の混同・誤用というのは、そんなに珍しいことでも ないのかも知れませんね。 (辞書にまで挙がったりするのは、少ないにしても) 単純なケースでは、 「"一生" 懸命」、「危機 "一発"」、「厚顔 "無知"」とか いくらでもありますし、 誤った活用形ということでは、 「○○様におかれましては」なんかもその一例なんだろうと思います。 ("於いて"→"置いて" の誤用により、 「おか」という未然活用に、尊敬の助動詞「れる」の未然活用、 丁寧の助動詞「ます」の連用活用がつながって、) ---- というようなことで、 明解をいただき、私なりの明快な理解もできまして、大変助かりました。 重ねて、ありがとうございました。 --