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漢字と平仮名の使い分け
漢字の「事」「時」、平仮名の「こと」「とき」の使い分けを教えてください。 gooの辞書を使って調べてみたのですが、いまいちよく分かりませんでした。 ご回答宜しくお願い致します。
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文化庁・国語施策情報システムのサイトに、『公用文における漢字使用について』という、文部省内の通達文書が掲載されています。 国や地方自治体の文書、教科書などは基本的にこれに則っています。一般の実用文書を書くときもこれを参考にするとよいでしょう。もちろんこれは個人の文章や文芸作品にまで強制されるものではありません。 http://www.bunka.go.jp/kokugo/ [国語表記の基準]→[参考資料]→[公用文に関する諸通知] →(1)公用文における漢字使用について -------------------------------------------- 1 漢字使用について : キ 次のような語句を,( )の中に示した例のように用いるときは,原則として,仮名で書く。 <例> こと(許可しないことがある。) とき(事故のときは連絡する。) ところ(現在のところ差し支えない。) もの(正しいものと認める。) とも(説明するとともに意見を聞く。) ほか(特別の場合を除くほか) ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。) わけ(賛成するわけにはいかない。) とおり(次のとおりである。) ある(その点に問題がある。) いる(ここに関係者がいる。) なる(合計すると1万円になる。) できる(だれでも利用ができる。) ・・・てあげる(図書を貸してあげる。) ・・・ていく(負担が増えていく。) ・・・ていただく(報告していただく。) ・・・ておく(通知しておく。) ・・・てください(問題点を話してください。) ・・・てくる(寒くなってくる。) ・・・てしまう(書いてしまう。) ・・・てみる(見てみる。) ない(欠点がない。) ・・・てよい(連絡してよい。) ・・・かもしれない(間違いかもしれない。) ・・・にすぎない(調査だけにすぎない。) ・・・について(これについて考慮する。) -------------------------------------------- 上記の通達は具体性に欠ける向きもありますので、もうひとつの参考情報。 新聞や放送で使用する用字用語は、各社が加盟する日本新聞協会の用語懇談会で統一基準が作られています。基本的には内閣告示や関係省庁の通達等に準拠したものです。新聞協会やマスコミ各社の用字用語集が市販されていますので、それらを参考にすると良いでしょう。 以下、共同通信社『記者ハンドブック』(10版)より。 (内容は概ねマスコミ各社共通です) --------------------- 事 〔主に具体的な事柄を表す場合、実質名詞〕 遊び事、荒事、争い事、あらぬ事、考え事、(A氏から)聞いた事だ、芸事、研究している事、事新しい、事有るとき、事欠く、事が面倒、事柄、事細かに、事足りる、事と次第によっては、事なかれ主義、事に当たる、事の起こり、事のついでに、事ほどさように、事もあろうに、事もなげに、事を起こす、事を好む、作り事、出来事、悩み事、習い事、見事、物事、約束事 〔注〕「大ごと」「人ごと・ひとごと」は平仮名書き 引用注:大事→大ごと、人事→人ごと、他人事→ひとごと こと 〔主に抽象的な内容を表す場合、形式名詞〕 あの人のことは聞いたことがない、あんあことになって、うまいことを言う、勝手なことをするな、ことによると、このことは、準備しておくこと、…することにしている、そんなこととは知らずに、人のことみたいに、見たこともない、見ることができる、読むこと --------------------- 時 〔名詞など。主に時期・時間・時刻そのものを示すとき〕 売り時、書き入れ時、実行の時が来た、梅雨時、時が移る、時が解決する、時々、時として、時と場合、時ならぬ、時には〔たまには〕、時の氏神、時の権力、時の流れ、時の人、時の問題、時は金なり、時を待つ、何時=なんどき、花見時、引け時 とき 〔主に「…の場合」、大切なとき〕 行くときは、行けないときは連絡する、いざというとき、(もしも)帰ってきたときは、危急存亡のとき、事有るとき、困ったときの神頼み、こんな問題が出たとき、事故が起こったとき、社員を採用するときは、衆院解散のときは、…しようとするとき(に)は、都合の悪いとき 〔注〕書き分けに迷う場合は平仮名書き。 ---------------------
お礼
ありがとうございました。 とても参考になりました。