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候文の「相越」とはどういう意味でしょうか?

親兵之介負手疵 伯父半三郎宅江引取候趣 為知有之候二付驚入 家内一同相越看病罷在申候 という候文の中にある「相越」がどういう意味なのか、教えていただけませんか? 看病の前に家族一同で何かしたのでしょうか? 家族一同で伯父宅に行ったことを意味するのでしょうか? それとも「越」は日を越える意味で何日も看病したということでしょうか? 候文を趣味で学習している初心者です。 よろしくお願いいたします。

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  • kine-ore
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回答No.2

候文に特有の、動詞「越」に冠して語勢を添える接頭語でしょう。 今日でも「相すまぬ」「相変わらず」などと用いられています。 家族みんなで赴いて、看病に努めたものでした。 ご参考までに読み下しなど。 親(である)兵之介(が戦闘などでの)手傷を負った(ため) 伯父(である)半三郎宅へ(と)引き取り候(その)趣き(=事情に付いて) 知らされこれある候に付き(吾ら一同)驚き入り 家族一同(伯父宅へと)出で越し、看病罷(まか)りありもうし候

soyokazespring
質問者

お礼

全文の読み下し文!しかも意味補完付き!ありがとうございます!お陰様で、「相越」のみならず、その他ぼんやり読んでいた部分もはっきり理解できました。 「相」は現在でも使われるのですね。思い返してみれば「相変わらず」など普段でも使います。手持ちの候文の学習本に「罷・相は、動詞につく接頭語」という解説があったのですが、現代文でも動詞の前についていますね。まさに、相変わらず(笑) 相は動詞の上につくということで、「越」は何かの動作なのだろうとまでは予想していたのですが、こちらで意味と読み下し文をお教えいただけて、予想の終着点が見つかり、勉強になりました。「越」も「出で越し」と読み下すと、出て来た様子が理解しやすく、また、語感も趣があって良いですね。 ご回答ありがとうございました!

その他の回答 (2)

  • SPS700
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回答No.3

    #1です。、もう#2さんの優れた回答があるので。これは余分です。     「ようこそお越し下さいました」、などの表現に残っているように、「越す」は、遠方から、少なくとも異なる家庭から、と言う意味があるようです。ベトナム(越南)も中国から見れば山を越えた南だったのでしょう。     昔から「看病」は女性の仕事、そうなれば他家に嫁に行った娘さんたちが、動員され呼び返される、このような背景があるのかも知れません。

soyokazespring
質問者

お礼

現在でも使われる「越」の例文を伺い、お陰様でイメージがつながりました!なるほどです。 質問文に書き忘れて申し訳ないのですが、実はこの候文は江戸時代に書かれたものらしいので、「看病は女性の仕事」という価値観が社会に浸透する以前のことかもしれません。「家」という価値観が強い時代のことですので、看病も家長が中心になって家族皆でしていたかもしれません。まさに「家内一同」ですね。『百姓たちの江戸時代』という本に「江戸時代の介護は、家長の統率のもと、男女関わりなく家族皆の協力で行なわれた。これは男女平等の理念ではなく、強い家意識から生じたもの」というような解説があったので、看病もそのような様子だったのかなと思いました。 おっしゃられるように皆々動員されて来たと想像しますと、そういえば江戸時代はご近所づきあいも濃いので、ご近所さんもお見舞い兼ねて看病のお手伝いに来ていたかもしれませんね。 想像を広げていただいて、候文がますます面白くなってきました。 追加のご回答、そして諸事情にも考えを巡らせた上でのご解説、ありがとうございました!

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

    家族一同が(いろいろな場所から)やって来て(集まり)看病しているところです。     という意味ではないでしょうか、「看病」と一口に言いますが、「手疵」といっても、重い傷なら、その手当を毎日24時間しなくてはなりませんから、一人や二人では足りず、皆が集まって交替で看病した、と言うことではないかと思います。

soyokazespring
質問者

お礼

「やって来て」という意味なのですね! この文の前の部分を見ると、どうやら、酔って暴れる武士に突然刀で切られたらしいので、軽くはない疵だと思われます。おっしゃるように、皆々交替で看病したと思われます。そう臨場感を持って想像しますと、ますます興味深いですね。 ご回答ありがとうございました!

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