英詩にもピンからきりまであります。長さもいろいろあり、10,095行(詩では世界一の長さ)もあるミルトンのParadice Lost(失楽園)から、英語の俳句までさまざまですし、文学的に価値の高いものから、くだらないジョークまであります。シェークスピアもソネットという14行詩を154残しています。ジョークでは、Knock, knock jokesのようなものが有名です。
一括りに「英詩」といっても実に幅が広く、これが英語学習に役立つかどうかについては、ほとんどの詩は役立たないというのが私の結論です。特に、直読直解のイメージ作りということですが、英語を学ぶ者にとって、イメージ作りに適した詩を探す方が大変です。
1.いわゆる伝統詩は、韻を踏ませたり、リズムをつくるために、普段使わない表現をひっぱりだしてきたり、語順を入れ替えたりしますので、意味がつかみにくい。
2.イメージと言っても、深遠な内容を表現するために、かなり微妙なことを表現している場合があり、簡単には理解できない。
たとえば、T.S.エリオットの有名な詩 The Waste Land(荒地)などかなり難解です。
http://www1.odn.ne.jp/~cci32280/PoemWasteLand.htm
3.文化的背景などがないと、難しい。
など、英語学習者にとって、詩はハードルが高いと思います。また、古い英語は、今使われていない表現がたくさんでてきて、普通の学習者には不適です。
とは言っても、学習者におすすめできる詩もあります。
日本ではあまり知られていませんが、Blue Mountain Press社が出している詩集のほとんどは、おすすめです。Susan Polis Schutzの詩が多いですが、彼女の詩が気に入れば、たくさんの種類がありますので、私のように20冊以上手に入れて読んでみるとよいと思います。
今、無造作に1冊とりだしました。Take Each Day ONE STEP AT A TIMEという詩集です。いろいろな詩人の詩が入っていますが、その中でパッと開いてみつけたのがこの詩です。
One Day at a Time
Bridges can be built,
one day at a time.
Forgiveness can be felt
one day at a time.
Balance can be achieved,
one day at a time.
Dreams can be believed,
lost smiles can be found,
and your most meaningful
plans can succeed.
New horizons can be reached,
one day at a time.
The journey inward can be complete,
one day at a time.
Spiritual meaning can be your guide,
one day at a time.
Health, healing, and
happiness thrive...
one day at a time.
--- Alin Austin
いかがでしょう。この種の詩がたくさんあります。
★しかし、教養という意味で伝統詩に挑戦するのは、英語力をつけるということの広い意味ではあり得ます。ある程度のレベルの学習者には必要なことかもしれません。
そうした場合、日本人にとっつきやすいのは、ロマン派詩人のWilliam Wordsworthとか、Blakeでしょうか。WordsworthのDaffodilsなど、イギリスの春の、そこら中に咲くラッパスイセンをうたい、しかも、風光明媚な湖水地方(Lake District)の情景を見事に描いています。ただし、
I wander'd lonely cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host, of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees,
Fluttering and dancing in the breeze.
こんな感じで続きますが、詩とは、このように、日常会話とはかなりかけ離れた英語表現のものが多く、ことに伝統詩ではなおさらです。
Keatsの詩もひところ私は好きで読みましたが、あとCharles LambとかShelleyとか、どうでしょう。こういう詩を読みたければ、まず、A Handbook of English Verseのような、いろいろな人の詩が出ている本を読み、気に入った詩人の詩を読むというのも一つのやり方だと思います。
あるいは、イメージ作りでしたらjokes集もいいと思います。私も80冊以上ジョークの本を持っていますが、先ほど言ったknock, konck jokesのようなものは、日本人にはついていけないようなものもたくさんあります。そんな中でおすすめできるのは、大きな本ですが、5001 Jokes for Kidなど、リズムのある詩になったjokesもたくさんあります。20に1つぐらいわかりやすいジョークがあると思って読んでみましょう。
また、日本の童謡にあたる、nursery rhymesなどもリズムはよく、英米人がこどもの頃に覚えたものなので、そういうのを知ることもいいかもしれません。ただ、これとて、英語学習者にはかなり手ごわいものもあります。
以上、ご参考になればと思います。
お礼
中程の詩は読みやすいと思いましたが、 詩と言うのは、学習上かなり難易度が高いみたいですね。 お勧めの詩集には興味を持てましたので、 PCにメモしておきたいと思います。 いろいろなアドバイスありがとうございました。 大変参考になりました。