公的な「罰」には、刑事、民事、行政の3つがあります。
例えば、交通事故を起こして、人にケガをさせた、死亡させた
という場合、
刑事罰は、罰金や懲役のこと
民事罰は、損害賠償のこと
行政罰は、免許取り消しのこと
という訳です。
日本では、この民事罰に「懲罰的」内容を含むことを認めていません。
つまり、民事「罰」と言いながら、実際には、
損害をお金で補填する、ということになります。
例えば、物的損害が200万円、治療費が300万円、
収入の減少が300万円、精神的苦痛への保障が200万円
合計1000万円ならば、それを超える賠償金はあり得ません。
「懲罰的」賠償とは、上記のような積算の1000万円を超えて、
2000万円でも、3000万円でも、判決を出せるということです。
これは、特に、刑事罰がない場合に、行われます。
例えば、飛行機事故や医療事故の場合、最も重要なことは、
同じ事故を繰り返さないということです。
そのためには、原因究明が重要ですが、刑事罰を受ける可能性が
あれば、誰だって、真実を隠して、罪に問われないようにするのは
当然のことです。
それが、原因究明を困難にさせてしまいます。
原因究明ができなければ、再発防止も進みません。
そこで、刑事罰を免除するということが行われています。
その代わりに、民事では、懲罰的賠償が認められているのです。
JR西日本の福知山線事故では、誰も刑事罰を受けていません。
運転手は死亡しているので不起訴。上司や社長は、無罪と
なっています。
(社長は、無罪判決に対して、係争中)
民事はあくまでも、遺失利益の「補填」です。
なので、実質上、誰も罰を受けていないことになります。
懲罰的賠償とは、こんな時に行われるのです。
懲役が長いのは、懲罰ではなくて、
積算するからです。
例えば、色々な罪を犯していて、
それぞれの罪が、懲役10年、20年、30年に該当した場合、
米国は、それを足し算して、60年とします。
日本は、最も重い刑とするので、30年ということになります。
補足
それは、日本における公務員の量刑は懲罰的な意味合いで行われる、という解釈であっていますか?