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特攻機としてのゼロ戦
メーカー(三菱、中島)で新造された特攻機としてのゼロ戦は、特攻用に改造されていたのですか。 例えば、エンジンの耐久性や航続距離、離昇速度などはどうでもよく、体当たりで消滅する消耗品という考えで製作されたのですか。 空中戦での性能よりも大きな爆弾を積める構造にした方が効果的であるとは思いますが。 完成後の調整に手間どり試験飛行が長引いて前線に配備されたときはエンジンの耐用期間が終わっていた、ということもあったそうです。 よろしくお願いします。
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特に大きな改造などはなく、爆装した状態で特攻につかわれたそうです。 特攻兵器は命中する直前までは搭乗員の生命維持が必要ですので通常兵器に比べどうしても大きくなってしまいます。 大きな機体で操縦性を著しく悪いものにしていると容易く撃ち落とされてしまいます。大きな爆弾を積めば積むほど大きな的になってしまいます。 ですから特攻専用兵器はとても設計が難しいもののようです。それくらいなら海戦当時から大量に配備されている零戦や隼などを爆装に小改修して使った方がマシなのでしょう。 ちなみに >完成後の調整に手間どり試験飛行が長引いて前線に配備されたときはエンジンの耐用期間が終わっていた、ということもあったそうです。 有名なところではこれは「彩雲」偵察機でよくあった事だそうです。 彩雲の場合、工場側が完成と認めたのち海軍に引き渡すまでの問、平均して一二五時間(調整及び追加の補修に要する時間)を必要としている。 あまりの故障続出のために、メーカーが完成したといっても軍が受け取らないのである。 「続・日本軍の小失敗の研究」 三野正洋 光文社NF文庫より この当時、エンジンの耐用時間は工場側で400から300時間、海軍ではその半分程度を見込んでいましたから耐用時間の大部分を鋼状と完成後の補修整備で使い切ってしまう計算ですね。 同様の事が「銀河」爆撃機でもあったそうです。
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- hgg83474
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零戦が搭載した爆弾は通常250kgが主流でしたが、 場合によっては極端に運動性能が低下するリスクを抱えながら、 500kgの爆装をした場合もあったようです。 零戦を特攻に転用したのはすでに生産体制が確立しており、 また性能に関しても一定のラインをクリアしていたからです。 逆に専用機として既に稼働している生産ラインを再構築するぐらいならば、 一から特攻専用の機体を作った方が手っ取り早かったともいえます。 特攻用の航空機としてロケットエンジンの桜花が有名ですが、 レシプロ機でも剣などが開発から実戦配備の段階でした。 さていくら体当たりのみが目的とはいえ大型の爆弾を搭載し、 重く鈍重な機体では敵艦まで辿りつくことはできません。 零戦は相応の速度と運動性能はありましたが爆装時における、 高高度からの急降下性能が悪く水平から突入するために、 対空砲火による被害を多く出したとも言われています。 もとから急降下場爆撃を主任務とした高速かつ降下性能などが高い新型の彗星は、 特攻における成功率も高かったと言われています。 ちなみに彗星は通常500kgの爆装でしたが、 特攻時には800kgの爆弾を装備していたようです。
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ご回答ありがとうございます。 乏しい資材をやり繰りしなければならない状況の下、何かの装備を外したり、耐久性の劣る代替品の材料を使うなどをしていたのではないかと思って質問しました。 特攻の直掩機としてのゼロ戦と、特攻機としてのゼロ戦を分けて生産していたのではないかと思ったのですが、そうではないようですね。 ゼロ戦は、究極の軽量化を図って、エンジンとの絶妙のバランスで高性能を得ているのですから、そう簡単には改造できないのかもしれません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 やはり、通常のゼロ戦のまま特攻に使ったのですね。 「使い捨て」になると分かっていても、大幅な設計変更を伴う改造は、設計陣も生産現場も人手不足でどうしようもなかったのでしょうね。 粗悪なエンジンオイルやオクタン価の低いガソリンしか入手できない当時では、前線まで飛んで行くのがやっとだったのでしょう。 耐用期間に興味がありますので『続・日本軍の小失敗の研究』は読んでみたいです。