現在、情報社会に我々は生きていますが、文明の基本となったものはコピー技術でした。人類が初めて道具を手にした時から、同じような道具を製造する技術が必要となり、同じ製品を大量製造する技術開発が成功すると産業革命が始まり、さらに、それが情報技術で成功すると、情報革命へと突き進んだわけです。
しかし、起源を辿ると、同じ物をコピーするのに地球上で最初に成功したのは生物でした。単細胞生物が自らの複製を2つ作る過程を繰り返して増殖していく仕組みが確立した時に、生命は地球上に溢れる存在になり得たのです。
もし、自己増殖機能が失敗に終わっていたら、生命は自らを複製する事が出来ずに絶滅したでしょうし、原始地球が現在のような地球環境に変貌する事も無かったでしょう。
生命が幾何級数的に増殖する能力を持った段階で、生命という生きている機械の力で地球環境は変えられ、膨大な量の酸素が製造され、二酸化炭素や有毒元素が固定されて海底に沈殿し、生命環境に適した世界になったのです。
生命が増殖能力を持たなかったら、何も変わらないままで終わったでしょう。人類は自己増殖能力を持つ生命の子孫であり、同じ能力を持ち続ける限り、絶滅しないで生き続ける事が出来るのです。
そういう意味では現代社会は、生命の基本を忘れて、妄想や幻想の世界を作り出して代償規制でごまかすという愚行に走ってはいないでしょうか。
自分の子供が生まれてうれしいのは誰でも同じですが、これは本能です。子孫が増えるのは生命の基本であり、それを否定するのは自らの絶滅を望むのと同じです。
化学物質を使って生命本能を止めると、生物は死ぬだけです。本能は生きる為に必要だから本能なのです。