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引火点
こんにちは、よろしくお願いします。 デュポン製66ナイロンの引火点は400度となっています。 (インターテック(株)製品安全データ参照) デュポン製66ナイロンが燃えたときには、400度以上を継続すると考えられますが、 燃焼物が豊富にあると400度以上に炎はなるのでしょうか。 また、炎の内側外側で温度が違うのでしょうか よろしくお願いします。
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「引火点」と「燃焼ガスの温度」は異なる概念です。ですから周囲に多量の燃焼物の有無にかかわらず、燃焼温度は「引火点」とは本来は無関係です。 「引火点」は燃焼体が空気(十分な酸素)が存在するような一般的な条件下で、火炎や火花などをきっかけに燃焼反応が連続して進行する温度です。もしナイロン66の燃焼の結果、燃焼ガス(つまり「ナイロン66が発生する炎」というものがあったとして)が400℃以上であれば「連続して燃焼」することになりますが、それは「引火点が400℃だから」というわけではありません。また少ない量が燃えても、燃焼によって発生する熱量が多ければ400℃以上になるはずです。 たとえば都市ガスの主成分であるメタンは「引火点」が-200℃程度の極低温だそうです。ですから室温(20~30℃)で「引火」しますが、ガステーブルで発生する熱量でお湯が沸くということは(酸素の供給にもよるでしょうが)炎の温度は数百℃になるということです。しかし酸素の供給を抑えて不完全燃焼気味にすると(つまり青い炎から黄色い炎ににすると)、燃焼はしますが炎の温度は完全燃焼ガスよりも下がります。このことからも「引火点」と炎の温度は関係なく、燃焼ガスの温度も一律に決められないことになります。 おそらく「燃焼物が豊富にある場合に」と仰っているのは酸素の供給が十分な環境のことを考えておられると思いますが、樹脂であるナイロン66が完全燃焼したときの炎が400℃以上になるような条件がもしあれば継続して燃焼することになります。が、問題は「400℃以上を継続すると考えられる」といえるような条件が実現するかどうかです。 一般的に高分子のように炭素原子が数万個(以上)つながっている物質の骨格であるC-C結合を全て断ち切って二酸化炭素にするためには、たとえ最終的に完全分解して発生するエネルギーが多いとしても大きな活性化エネルギーが必要になります。さらにナイロン66は炭素・水素だけでなく酸素や窒素原子も含まれているのでそれらの分解反応も考慮しなければなりません。それだけでなくアミド基間の水素結合や吸湿によって存在する水分子も燃焼や分解の大きな妨げになると思います。 ですから「400℃以上の炎を近づけてナイロン66が燃えたとしても、400℃以上の燃焼として継続させることは難しい」と思います。またメタンやパラフィンのような簡単な燃焼反応で考えることができないので、「炎」のような均一なガスの燃焼にはならないと思います。
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返信が遅れました。 すいません。 丁寧な回答をありがとうございます。 もう一度 勉強し直します。 本当にありがとうございました。