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放射線濃度の計算式とは?
- 放射線濃度の計算式は、濃度=10^7×(計数率(cps)-バックグラウンド計数率(cps))/(流量(L/min)×捕集時間(min)×計数効率(%)×捕集効率(%))[Bq/m^3]です。
- この計算式を用いて、特定の条件下での放射線濃度を求めることができます。
- 具体的な計算例として、計数率(cps)が12(cps)、バックグラウンド計数率(cps)が0(cps)、流量が200(L/min)、捕集時間が360(min)、計数効率が53(%)、捕集効率が99(%)の場合、濃度は0.317Bq/m^3となります。
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「計数効率」が定義できるのなら、計算式は合っていると思います。 計算過程で、放射線に関する知識はほとんど必要ありません。各項目の定義が、計算式に即して定義されているので、その通りに計算すればそうなります。現実には、「計数効率」を正確に求めるのは難しいので、この式は理論的にこうなる、という程度の意味です。「計数効率」は、実際に放出される放射線のうち検出器で計測される割合を表すもので、計測する放射線の種類や放射性物質の種類、計測対象の形状や距離などによって変わりますので、一律には決まりません。 ご質問の計算式で計算しているのは、「放射性物質を含む廃液(または空気)からフィルターなどで放射性物質を捕集して、その放射線量を計測することで、元々の廃液(または空気)の放射性物質濃度を求める」ということです。 まず、「放射性物質を含む廃液(または空気)」からフィルターを通して捕集した放射性物質の量(kg)は、 流量(L/min)×捕集時間(min)×放射性物質の濃度(kg/L)×捕集効率 で表わされます。 フィルターを通した廃液(または空気)の量は 1分あたりの流量(L/min)×時間(min) → フィルターを通した廃液量(または空気量)(L) で計算でき、これに放射性物質の濃度と捕集効率をかけて捕集した放射性物質の量を求めるわけです。放射性物質の量は、kgで表わすよりも、最初からベクレル(Bq)で表わした方が分かりやすいので、放射性物質の濃度を(Bq/L)で表わして、 捕集した放射性物質の量(Bq)=フィルターを通った放射性物質の量(Bq)×捕集効率 =1分あたりの流量(L/min)×時間(min)×放射性物質の濃度(Bq/L)×捕集効率 これより、 (A) 放射性物質の濃度(Bq/L) = 捕集した放射性物質の量(Bq) / (1分あたりの流量(L/min)×時間(min)×捕集効率) 次に、これを放射線検出器で計測し、計測した放射線の数が 計数率(cps:Count per Second = カウント/秒) です。 計測した放射線の数(cps) = 放射性物質から出る放射線の数(=放射性物質の量)× 計数効率 + バックグラウンドの放射線の数(自然界の放射線の数)(cps) ここで、「計数効率」は、実際に放出される放射線のうち、検出器で計測される割合(0~1)として定義します。 これより、 (B) 放射性物質の量(Bq) = ( 計測した放射線の数(cps) - バックグラウンドの放射線の数(cps) ) / 計数効率 (B)を(A)に代入して、 放射性物質の濃度(Bq/L) = ( 計測した放射線の数(cps) - バックグラウンドの放射線の数(cps) ) / (1分あたりの流量(L/min) × 時間(min) × 捕集効率 × 計数効率) 単位換算して、Bq/m^3 を求める式にすると、Bq/m^3=Bq/L × 10^3、)効率は各々 %表示×10^(-2)になるので、 放射性物質の濃度(Bq/m^3) =10^7 × ( 計測した放射線の数(cps) - バックグラウンドの放射線の数(cps) ) / ( 1分あたりの流量(L/min) × 時間(min) × 捕集効率(%) × 計数効率(%) ) 以上のような意味合いの式ということです。