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立方格子ってなんの必要があって勉強するの?
高校の化学で「体心立方格子」と「面心立方格子」が出てきますが、単位格子中に原子が2個、4個というふうに覚えるわけですが、これを覚える必要性がわかりません・・・。 Fe,Cr,Baは体心で2個、Cu,Ag,Au,Alが面心で4個。 だからなんなのでしょうか(汗) ある単位の体積に何個の原子があるかだから、密度の計算とかで大学とかで将来使うのでしょうか。何に使うのか、知りたいです。 お願いします。
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化学の教科書でなぜ結晶構造を扱わなければいけないのか? これは誰もが思う疑問です。でも誰もその疑問に答えようとはしていないようです。入試に出るから覚えなさいというニュアンスですね。 結晶構造は固体物理で出てきます。 (図書館に「固体物理」という本が置いてあるようなら見てください。キッテルの教科書は大学でよく使われているのであるかもしれませんね。) そういう本を見てもらうともっと詳しい内容が出てきます。 参考 wiki「結晶構造」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E6%99%B6%E6%A7%8B%E9%80%A0 「単位格子」「基本結晶格子」という言葉が出てきますがあなたの使っている(教科書で使っている)意味とは異なります。「結晶系」が7つ、「結晶格子(ブラベー格子)」が14あると書いてあります。立方格子は7つの結晶系の1つです。立方晶系に属するブラベー格子は単純立方格子、体心立方格子、面心立方格子の3つです。 >高校の化学で「体心立方格子」と「面心立方格子」が出てきます 中途半端ですね。固体物理の授業をやろうとしているのではないということがわかります。結晶とはどういうものかというイメージだけであれば単純立方格子(というか基本単位格子・・・1つしか格子点を含まない単位格子)だけでいいはずです。繰り返し構造がわかればいいのですから。 なにかの目的があって、それに必要な部分だけを固体物理の内容から拾い出して教科書に入れたということになりそうです。その目的とは何でしょう。 アボガドロ数の算出方法の一つになっているからです。 アボガドロ数はミクロとマクロをつなぐ何かがなければ求めることができません。 結晶構造、格子定数はミクロな情報です。X線回折の方法で調べることができます。密度はマクロな情報です。体積と質量がわかれば出てきます。この2つをつなぐことで1モル当たりの原子の数を求めることができるのです。原子が基本になっている単体は金属です。金属の結晶格子で普通に出てくるのは面心立方格子、六法最密格子、体心立方格子です。でも立方格子に属する面心と体心だけを選び出しています。立方体の体積は簡単に出すことができますが六方晶系の基本構造の体積の計算はややこしいです。結晶構造の勉強が目的ではないので金属の結晶構造として面心立方格子と体心立方格子だけを選び出したのです。立方体1つ当たりの原子の数が異なるということでアボガドロ数を出すときの注意点も示すことができます。 それだけのためです。 ところが受験屋さんは結晶構造が出てくるのであれば立方格子以外の結晶格子も扱ってもいいのではないかとかアボガドロ数はすでに分かっている数字なので問いにしても仕方がない、密度を求める問題に変えてみよう、とか試料に使った金属の種類を問う問題にしようとか、・・・いじくりまわしているのです。X線回折用の試料を用意した段階で金属の種類はわかっています。もしわからなければ化学的な方法で調べます。未知のサンプルの同定をX千回折の方法でやるなんて馬鹿げたことはしません。密度は巨視的にわかる量ですからX線回折など関係がありません。 もし固体物理の勉強をやるのであれば金属の構造になぜ体心立方方格子が存在するのかを問うことから始める必要があるでしょう。金属原子をビー玉のような剛体球で近似するのであれば細密構造になるはずです。六法細密構造、立方細密構造のの2つです。それよりも密度の小さい(空間率の大きい)体心立方格子がなぜ出てくるのかが疑問として浮かび上がってきます。
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- NiPdPt
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#1ですけど、そこが疑問だったんですか。 そもそも、「面心」というのは立方体の「6面の中心に原子がある」ような結晶格子のことで、それに加えて立方体の各頂点に原子があります。その状態で頂点の原子は、結晶格子によって8分割されますので、頂点1個あたり1/8個分が結晶内に含まれます。面の中心のものは2分割されますので、1面あたり1/2個分が結晶内に含まれます。それに原子の個数を書けたものが結晶格子1個あたりの原子数です。つまり、(1/8)x8 +(1/2)x6=4 になります。 「体心」というのは「立方体の中心に原子がある」という意味で、それに加えて各頂点に8分割された原子があります。なので、(1/8)x8 + 1 =2 となり、2個分の原子が含まれます。 原子1個の質量は原子量をアボガドロ定数で割ればグラム単位で求められます。これに基づいて結晶格子1個あたりの質量が計算できます。これは高校化学の基礎です。結晶格子の1辺の長さがわかればそれを3乗すれば立方体の体積になります。質量を体積でわれば密度が計算できます。特に難しいことではありませんよね?
お礼
ありがとうございます。 そうなのです。なんで体心って言ったり、面心って言ったりするのかと思ってました。今、手元の図を見ましたところ、面心立方格子は正方形の各面の中心の位置に原子の中心があるように描かれていました。正方形の各頂点に原子の中心が描かれていました。これを数えていけば、確かに原子の数は単位格子中に4個です。 体心が2個、面心が4個と数を覚えていたのですが、教えていただいた並び方がわかると数を暗記する必要はないですね(汗) いいわけをすると、この図、わかりにくいです。正方形に勝手に切らないで、みたいな。もっとわかりやすいところで切れないのだろうか、みたいな。 ところで、続きのご説明で、原子1個の質量は原子量をアボガドロ定数で割れば求められ、単位格子中の原子の数が分かるので、単位格子の空間?の重さが計算できることがわかりました。 単位格子は各辺が1cmだよ、と決まっているわけではないようなので、原子の大きさがそれぞれ違うから、単位格子の立方体の各辺が何センチかは未知なのだと思います。 私にとっては未知なその各辺がわかる方々は、その辺の長さを3乗して体積を出し、さきほどの計算で出せる単位格子の空間の重さ(質量)で体積を割れば密度を計算できる、ということが理解できました!!
- freulein
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金属あるいは固体物理の分野では、結晶体を扱います。 結晶とはある単位の原子配列が併進操作で積み重ねられたものです。例えば、単純な二次元の正方形配列の原子団でもいいですから想像してみてください。ある一つの原子に着目し、そこを原点に色んな方向に直線を引き、その直線上に現われる原子の周期を考えます。方向によって原子が密にあるいは疎に並んでいることが判ります。つまり結晶体では原子の配列が、つまり物理的性質が「異方的」であるわけです。 例えば、クオーツ時計中の石英振動子は、石英結晶のどの方向での性質を扱い、どの方向に切り出して、どの位置に電極を付けるべきかなどと考えるわけです。 結晶と言う異方的な物質を扱う場合には、異方性に配慮した着眼・記述が必要になることをご理解下さい。
お礼
ありがとうございます。 個体物理という分やで結晶体を扱う場合に、体心立方格子や面心立方格子について理解していないとならないのですね。 単純な正方形配列の原子団を思い浮かべる、この「正方形配列の」というのが意味がわからなかったのですが、各原子が正方形の角(頂点)に位置している、たとえば各辺が1cmの正方形だとすれば縦と横に見れば原子間が1cmで等間隔、斜めに見れば原子間が√2cmという距離で存在している同一の原子の集まりということですよね。調べいて、もっとも単純な結晶が単純立方格子(正方形の配列の繰り返し)で、これをさらに回答者さまが私に分かりやすく、二次元にして考えさせてくれたのだと思います。 そこで、その中の1つの原子に着目して、360度、いろいろな方向を見てみると、一番密なので縦、あるいは横で周期は1cmおき。45度方向では周期は√2cmおき。一番疎なのは何度がはわかりませんが、方向によって原子が現れる周期が違うのがわかりました。調べたところ、このことを「異方的である」というのですね。対義語が「等方的である」でどの方向でも同じ周期になる。 石英振動子をどの方向に切り出すかについては理解しきれませんでしたが、結晶を扱う場合に原子団がどのように並んでいるかを把握することが必要だ(異方的な結晶の場合)ということがわかりました!! だから、体心立方格子、面心立方格子という、原子によって結晶構造に違いがあるぞ、ということを高校のうちに教えてくるわけですね。
補足
むずかしい・・・、です(汗)。 理解しようと考えてます。
- windwald
- ベストアンサー率29% (610/2083)
>ちなみにこの単位格子がたくさんつながったら、全部丸いのになるじゃないですか。そしたら、私は体心も面心も同じように見える気がするのですが、質問者さまも想像したことありますか。 もちろん想像したことありますよ。そうでなきゃお話にならないんですよ、この分野。 単位格子がつながれば全部球になるのは当たり前です。だってそもそも原子が並んだものですから。 でも体心と面心ではその原子の積み上げ方が全然違うんですね。 配位数や充填率がそれを物語っています。 体心立方格子では原子を正方形を作るように並べ(A層)、 その上の層には正方形の真ん中に原子が来るように同様に正方形を作りながら配置します(B層)。 そうすると、B層の正方形の真ん中には下のA層の原子が見えています。 そのB層の正方形の真ん中、つまりA層の真上に新たに原子を並べていき、 A-B-A-B-と以降この2つの層が繰り返しとなります。 面心立方格子では原子を正三角形を作るように並べ(A層)、 その上の層には正三角形の真ん中に原子が来るように、同様に正三角形を作りながら配置します(B層)。 すると、B層の正三角形の真ん中にはA層の原子が見えている穴と見えていない穴との2種類ができます。 その見えていない方の穴の真上に原子を並べ(C層)、 A-B-C-A-B-C-の3層繰り返し構造をもって面心立方格子のできあがりです。 面心立方格子を作るところの最後で、B層の正三角形の真ん中のA層の原子が見えている穴の真上に原子を配置して新たなA層を作ると六方最密充填構造ができあがります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A2%E5%BF%83%E7%AB%8B%E6%96%B9%E6%A0%BC%E5%AD%90%E6%A7%8B%E9%80%A0
お礼
ありがとうございます。なんだか、「質問者さまも」と入力を誤まりまして失礼しました。 単位格子がたくさんつながって全部丸いのになるのを想像したことがやはりあるのですね。この全部丸いのになってしまったのをみて体心か面心かを見抜くのがほんとうの知識という気がします。 それを見抜く方法として回答者さまが詳しい説明をしてくれて、細部まで理解は及ばないのですが、分かったことは次のことです。 体心立方格子をとる原子の結晶構造はA層(どんな層かは理解できてません)とB層という二つの種類の層(原子の並び方の特徴)が交互に積み重なってできたものである。 面心立方格子をとる原子の結晶構造はA層、B層、C層という三つの種類の層が「A-B-C」という順番を1セットとして積み重なってできたものである。 思うのですが、高校の化学でも体心立方格子は単位格子中の原子が2個、面心立方格子は4個とか、そういうことではなく層の積み重ねについて教えればいいのにと思いました。そっちのほうが大事ですよね。
- hayaoki-g
- ベストアンサー率28% (4/14)
義務教育、高校で学ぶ内容は基本的な事項なので、将来の可能性を 望むなら、理解して当然と思って学ぶべし、ですね。 中学教育までの理解があるから、高校の授業がある訳で、高校教育は 大学、将来に基礎となるから、不必要なことをわざわざやる、遊びは 実際にないものです。 世間には様々な可能性はあるが、実際に掴むことができるには、見合う 実力が必要で、教育はその手段。 最低限それが無いとチャンスすら感じることができないものです。 少し抽象的ですね。 教育はお金と似ていて、目的とするものでなく、手段だけど、 非常に強力なものというところですかね。
お礼
ありがとうございます。 立方格子を学ぶ必要性についての直接的なお答えではないですが、教育とお金は手段だが、目的を持った場合に教育とお金があればいろんなことができるというアドバイスがためになりました。
- windwald
- ベストアンサー率29% (610/2083)
>単位格子中に原子が2個、4個というふうに覚えるわけですが、これを覚える必要性がわかりません・・・。 ええ、覚える必要なんてありません。 学校でも数え方を教わっただけですよ。 >Fe,Cr,Baは体心で2個、Cu,Ag,Au,Alが面心で4個。 その分野を本気で研究するなら覚えているべきでしょうが、 どの原子がどの単位格子であるかなんて覚えるような事柄ではありません。 高校レベルでそれを覚えようとすると、だから何?ってかんじですね。 単位格子の模式図を見て、これが何格子であるかが分かればよいのです。 (下手な私立大入試だと、どの金属が何格子かを答えさせてますけど) >ある単位の体積に何個の原子があるかだから、密度の計算とかで大学とかで将来使うのでしょうか。 まあその分野をやるなら必須ですね。 単位格子から密度の計算を公式的に覚えようなんて愚か者のすること。 「応用力」があるかどうかが問われているだけなんですよね。 ・格子中の原子数を数えられる。 ・原子量から原子1個あたりの質量を求めることができる。 ・体積の計算ができる。 ・質量と体積から密度を求めることができる。 ちなみに単位格子の話は固体化学・結晶学・地質学へつながり、 物性物理学から数学の立体敷き詰めまで広がりをもった分野です。
お礼
ありがとうございます。 単位格子の模式図って二つのパターンしかありませんよね。真ん中に丸いのが完全なまま入っていれば体心立方格子です!! ちなみにこの単位格子がたくさんつながったら、全部丸いのになるじゃないですか。そしたら、私は体心も面心も同じように見える気がするのですが、質問者さまも想像したことありますか。 単位格子から密度の計算をする、もし式にするとすごいことになりそうな気がしますが、できたら面白いなぁと考えていました。愚か者な感じです(汗) 高校でやる単位格子のその後の発展で、地質学、物性物理学?? あまり聞いたことのないのに進んでいくのですね。
- NiPdPt
- ベストアンサー率51% (383/745)
質問の意図が良くわかりませんけど、面心とか体心の意味を理解すれば、覚えなくても、その格子にある原子数はわかります。なので、個数を覚える必要はありませんし、計算時間の短縮以上の意味もないでしょう。密度の計算など、大学までいかずとも、中学レベルの数学でできることです。 それとも、金属の結晶格子がわかっても、日常生活に関係ないのでどうでも良いということでしょうか?それなら確かにそうですが、学問というのはそうしたものです。たとえば、室町幕府がいつできたのであっても我々の生活には関係のない話です。 結晶格子がわかれば、金属原子の固体でどのように原子が並んでいるかわかります。それがどうしたというのであれば、それだけのことですとしか言いようがありません。
お礼
ありがとうございます。 あの、面心と体心の意味もわからないんです・・・。だから、数で覚えているのです。 うううぅ、密度の計算は中学レベルでできたのですか。だいぶ悲しくなってきました。 それから、金属の結晶格子ということですが、面心と体心の立方格子というのは金属の話だったのですね・・・。 回答者さまのようにわからないので悩んでいたんです。 どうして面心と体心かを区別しているかは、金属原子の固体で原子がどう並んでいるかを知るためだったのですね。
お礼
ありがとうございます。たくさんの回答者さまにお礼をしながら、いろいろ調べて、考えて、たぶん、それで、回答者さまの長い複雑なご回答も理解しやすくなった気がします。 次のように理解しました。 結晶構造は原子が空間的に繰り返すパターンをもって存在している構造のことで、その結晶構造は14の繰り返し空間パターンがあります(ブラベー格子)。それをなんらかの基準で分類すると7つになります。それが結晶系です。私が疑問に思っていた体心立方格子と面心立方格子は、立方晶といわれる結晶系に属します。 各格子の原子間の距離は変化することはなく、この原子でこのブラベー格子をとるならこの値という格子定数という定数があるようです。 結晶構造と格子定数はもともとはX線解析の方法で調べられました。これらはミクロな情報です。一方、マクロな情報である密度があります。ミクロな情報とマクロな情報があれば、科学者ならその関係性について知ろうとします。そこで、ミクロな情報である結晶構造と格子定数、マクロな情報である(おそらく時代的にも先に知られていた)密度を用いて、アボガドロ数というものを出しました。これはミクロとマクロをつなぐのに役立つ数です。 受験化学ではこういうことについて考えることが軽視されていて、問題がなんか実践的ではないというか、変かも、ということですね。 「金属の構造になぜ体心立方方格子が存在するのかを問うことから始める必要がある」とのこと。受験化学だけをやっている人と回答者さまは根本的に違うと思いました。 ウィキペディアで調べたところ、原子が最も隙間無く埋まった構造(細密重点構造)でも六方細密充填構造で充填率が74パーセント。体心立方格子構造で68パーセントです。 金属原子は体心立方格子構造というわざわざ充填率の低い構造になっています。どうしてそういう構造をとっているのかを考えることのほうが大事だということですね。 化学って面白いですね!!