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このお話は・・・?
昔、聞いたお話なんですが・・・ どこかの未開の島(?)では、 「セックスによって妊娠する」 ということをしらなかった。 それで、自由セックスを楽しんでいた。 そこへ、この島を訪れた医師が 「セックスによって妊娠する」 という事実を告げた。 島中パニックになり、殺戮まで起こった。 といったお話です。 このお話の正しいストーリーと その後、この島がどうなったのかを 教えてください。
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こういう話の出所は、大概マリノフスキーかレヴィ=ストロースの(引用している)話ではないかなと思います。マリノフスキーの話が何となく似ているように思えるので、多少の違いを承知で紹介しておきます。 20世紀の初めごろ、マリノフスキーという文化人類学者が、ニューギニア近くのトロブリアンド島といういわゆる未開地でフィールドスタディをして、その結果をまとめているのです。 そのうちのひとつ、私が随分昔に読んだ彼の『未開人の性生活』によると、この島の人々は、当時の西洋に比べて実際いろいろな意味で自由な性行為を行っていたのですが、不思議なことに妊娠が性行為の結果である、とは考えていませんでした。彼らにとって妊娠とは、母親の先祖の誰かの霊が子宮に宿ることであって、彼らの間では妊娠に果たす男性の役割というのが全く認められていなかったのです。 妊娠だけでなくて、このトロブリアンド島の住民は完全な母系社会を作っていて、集団は全部母親の系統で作られるのだし、子供を育てるのも母親の兄弟、財産の継承も母親から子供といった具合で、全く父親の存在の薄い社会なのだそうです。 (ただ、何も男性が役に立たないわけではなくて、男性は性交渉で文字通り“霊の通り道を作る”仕事がある、という程度には意味があったらしい…。) ここまではご質問の話と似ていますね。ただその後が違います。私の記憶の範囲では、トロブリアンド島では混乱は起きませんでした。なぜなら、「子供が性交渉によって生まれる」ということをそもそも島民が全く信じなかったからです。 マリノフスキー自身は学者ですから、そういう知識を島民に吹き込むことを避けましたが、この地にキリスト教の布教を図った宣教師たちの中には、島民の強い反感をかってかなり辛い目にあった者もいたようです。というのも、宣教師は「神と子」という「父と子」の関係を説こうとしたわけですから、「母と子」の関係しか信じない島民にはキリスト教そのものが全くのデタラメにしか思えなかったからです。 以上、ベースになったかも知れない話を昔の記憶を頼りに書いてみましたが、全く別の話があるのかも知れません。その場合はご容赦ください。
お礼
ありがとうございました。 さっそく、ご紹介いただいた『未開人の性生活』 読んでみたいと思います。