残念ながら、「お得なライン」というのは、「限られた条件」の場合にしかありません。
なぜならば、「圧倒的に税金面などで実はお得だ」というような「あきらかな違い」があると納税者から不満が出ますので、【税金の制度に限って言えば】、「なるべく公平になるように」随時改正が行われているからです。
もちろん、「完璧な仕組み」はありえませんので、「○○のような場合には、××にしたほうが良い」というように、「条件次第で、多少有利になる」ことがあります。
ですから、「圧倒的にお得」になる「裏ワザ」のようなものは、「脱税とまでは言えないグレーゾーンの節税方法」くらいしかありません。(ただし、「圧倒的にお得になるグレーゾーンの節税方法」は、税制改正により使えなくなることが多いです。)
(参考ブログ記事)『節税スキーム』
http://moriri12345.blog13.fc2.com/blog-entry-132.html
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ちなみに、現在の「税金の制度」の「所得税」(と「住民税の所得割」)は、
・(所得金額-所得控除)×税率=税額
という計算で税額が決まりますので、
・「所得金額」<「税金」になることはありません。
つまり、「稼げば稼ぐほど税金は増えるけれども、手元に残るお金【も】増える」ということです。
※以下、具体的な例を挙げてみましたが、非常に長いので「興味があれば」ご覧ください。
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・「税額計算」は、以下の「簡易計算機」を使用します。
『所得税・住民税簡易計算機』
http://www.zeikin5.com/calc/
※分かりやくするため、以下のように条件を絞ります。
・「家族構成は夫婦2人のみ」、「収入は給与(所得)のみ」、「所得控除は基礎控除38万円のみ」とします
・「考え方はほぼ同じ」なので「住民税(の所得割)」は省略します
・「復興特別所得税」は加算しません
※不明な点があればお知らせください。
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例1.)
夫:年収400万円
妻:年収103万円(所得金額38万円)
↓
夫の「所得税」=95,000円(「配偶者控除」適用)
妻の「所得税」=0円
↓
夫婦合わせた収入(503万円)-所得税=【493万5千円】
『No.1191 配偶者控除』
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm
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例2.)
夫:年収400万円
妻:年収105万円(所得金額40万円)
↓
夫の「所得税」=96,000円(「配偶者【特別】控除」適用)
妻の「所得税」= 1,000円
↓
夫婦合わせた収入(505万円)-所得税=【495万3千円】
『No.1195 配偶者【特別】控除』
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm
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例3.)
夫:年収400万円
妻:年収141万円(所得金額76万円)
↓
夫の「所得税」=130,500円(「人的控除」の適用なし)
妻の「所得税」=19,000円
↓
夫婦合わせた収入(541万円)-所得税=【526万5百円】
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「限られた条件」の一例である、「夫が合計所得金額1千万円を超える場合」→「配偶者【特別】控除の適用なし」
例1.)
夫:年収1,240万円(所得金額1,008万円)
妻:年収103万円(所得金額38万円)
↓
夫の「所得税」=1,539,600円(「配偶者控除」適用)
妻の「所得税」=0円
↓
夫婦合わせた収入(1,343万円)-所得税=【1,189万4百円】
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例2.)
夫:年収1,240万円(所得金額1,008万円)
妻:年収105万円(所得金額40万円)
↓
夫の「所得税」=1,665,000円(「人的控除」の適用なし)
妻の「所得税」=1,000円
↓
夫婦合わせた収入(1,345万円)-所得税=【1,178万4千円】…(妻の収入が2万円増えただけで10万円以上所得税が増えます。)
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(参考1.)
「個人住民税」には、「非課税限度額(非課税の基準)」というものがあります。
たとえば、「夫の給与収入が170万円以下(所得金額102万円以下)」で、「妻の収入が103万円以下(所得金額38万円以下)」の場合は、「夫の住民税の所得割」が「非課税(0円)」になります。
つまり、「夫の収入が少ない」場合は、「妻の収入が103万年を超えるかどうか?」で住民税額が「7万円くらい」違ってきます。
『彦根市|住民税の非課税基準』
http://www.city.hikone.shiga.jp/somubu/zeimu/shiminzei/juminzei_zeitoha_mi.html#3
※「扶養人数」は、「税法上の扶養親族」のことです。
※「B.均等割の非課税基準」は市町村によって違います。
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(参考2.)
【税金の制度以外で】、妻の収入が影響する可能性があるのが、「扶養手当」などの「上乗せの給与」です。
「扶養手当」や「家族手当」の「支給の有無・条件」は会社ごとに違います。
ですから、【仮に】、「配偶者は【税法上の】控除対象配偶者であること」という条件があると、自動的に「給与収入103万円(所得金額38万円)」が上限になってしまいます。
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(参考3.)
やはり、【税金の制度ではありませんが】、「健康保険の被扶養者の制度」では、「年収130万円」という数字が重要な【区切り】になります。
「健康保険の被扶養者の制度」については、以下の「はけんけんぽ」の説明が分かりやすいのでご覧になってみてください。
『はけんけんぽ|被扶養者とは:審査の必要性』
http://www.haken-kenpo.com/guide/huyou_1.html
※「被扶養者の審査基準」は、どの保険者(保険の運営者)も「ほぼ同じ」ですが、「まったく同じ」ではありません。
※「年収130万円」についても、「税金の制度の収入・所得の考え方」とは【まったく】違いますので注意が必要です。
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(参考情報)
『所得税の「基礎控除」とは』(更新日:2010年09月06日)
http://allabout.co.jp/gm/gc/252921/
『所得金額から差し引かれる金額(所得控除)』
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto320.htm
『国税庁>簡易な質問や相談の窓口』
http://www.nta.go.jp/iken/mail.htm
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『住民税とは?住民税の基本を知ろう』(更新日:2011年05月18日)
http://allabout.co.jp/gm/gc/14737/
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『けんぽれん>よくある質問』
http://www.kenporen.com/faq/index.shtml
『あなたも入るかもしれない?協会けんぽって何』
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20081001/1019299/
※間違いのないよう努めていますが、最終判断は【必ず】各窓口に確認の上お願い致します
お礼
詳しい回答有難うございます。 とても理解が深まりました。 限られた場合にしか、お得ラインは無いのですね。。。 今回頂いたご回答を元に、自分でも色々と調べてみたいと思います。 貴重なお時間、貴重な回答感謝申し上げます。