監査上の重要性と監査リスク、及び監査手続の関係について
会計士の勉強をしている者です。
表題について、皆様のお知恵をお借りしたいと思います。
監査を実施する段階における何らかの理由によって、監査上の重要性の基準値を当初の設定値より大きく変更した場合、実施すべき監査手続にどう影響を与えるかを考えると:
(A)直感的には・・・
監査手続は、当初の監査計画時のそれと比べて、よりゆるやかになる、と考えられます。
(B)リスクアプローチを考慮すると・・・
平成14年5月30日監査基準委員会報告書第5号中間報告「監査リスクと監査上の重要性」によると、
「監査人が考慮する監査上の重要性と監査リスクとの間には相関関係がある。他の条件が一定であれば、当初決定された監査上の重要性のもとで評価された監査リスクは、監査上の重要性が変更されると、それに応じて変化することになる。すなわち、監査人が監査上の重要性を、当初よりも大きくした場合には、監査リスクは当初の水準よりも低くなり、」とあります。ここで、リスクアプローチという考え方の中においては、監査リスクが低くなる、ということは、達成するべき目標値が低くなることであり、重要な虚偽表示のリスクを一定と仮定すると、発見リスクを低く抑えなくてはならない、ということになると思います。とすると、より厳しい監査手続を実施しなければならない、ということになる??のではないかと思います。
(A)と(B)とで異なる結論に至ってしまいます。私の直感が間違っているのかもしれませんが、(B)には論理の飛躍があるような気がするのですが、自分の中でそれをうまく説明できません。
結論としては、監査を実施する段階における何らかの理由によって、監査上の重要性の基準値を当初の設定値より大きく変更した場合、実施すべき監査手続にはどのような影響があるのでしょうか(より厳しくなるのか、ゆるくなるのか)?
よろしくお願いいたします。