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Serine conformationって?
ある医学系の論文で出てきたのですが、ある種の蛋白の特定のアミノ酸配列に対して反応するmonoclonal抗体についての内容で、抗体作製時の抗原がウシ由来の蛋白で、それを用いてヒトの組織を免疫組織染色すると、その蛋白が正常のものではほとんど染色されることはなく、リン酸化等の修飾により変性が進み、構造が変化したものが陽性に染色されるとのことです。 その原因として、ある特定の位置のアミノ酸がウシではserineであるのに対し、ヒトではprolineであるため、正常の蛋白はいまいち反応しないものの、その変性した蛋白で陽性反応を示すのは、prolineが "serine conformation"を起こしているためと結論づけています。 このserine conformationとは、一体どのような状態なのでしょうか?
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MiJunです。 ryumuさん、お礼が遅くなりましたがありがとうございました。 実は、ご紹介頂いた本をryumuさんが投稿される前に図書館から借り出して来て読んである程度理解してからと思ってましたので(これ以外にも3冊程借り出してますが)。 ryumuさん、基本的な質問から 1.tau 2が認識するシークエンス(sonorinさんの補足より) (Bovine) AGIGDTSNLEDQAAGHVTQARMVSK …tau-2免疫抗原 (Human) AGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSK この部分の二次構造を予測することは可能でしょうか? ⇒1-2サイトで「二次構造予測」するのを見つけて、入れてみましたが駄目でした。 (データが蓄積されていないと・・・?) 2.先に紹介したBBRCのPaperのように、同じシークエンスのペプチドを合成して NMR・CD等で検討すれば分かるのでしょうか? 3.「reverse-turn structure」とは、ご紹介頂いた本の「ターン」のどのタイプ に相当するのでしょうか? -------------------------------------------------- sonorinさん、 確かに、C末に関してはconformationも含めて情報が多いようですが、N末に関しては情報が少ないようですね? 「tau抗体」に関しても、検索した論文にいくつか紹介されてますが、N末に関するものは補足で説明された以外には見つかりませんでした? 初歩的な質問ですが、 4.tau proteinは核内にあるのですよね?それで、tau proteinが存在する場(環境)はどのような場なのでしょうか? (種々のイオンの存在はあるのでしょうか?) ⇒最終的にはtau proteinは親水的な場にあるのか、疎水的な場にあるのか? おそらく親水的な場にあるのでは想像しますが・・・? (関連ありそうな?論文) Biochemistry 2000 Aug 1;39(30):9039-46 Role of phosphorylation in the conformation of tau peptides implicated in Alzheimer's disease. Daly NL, Hoffmann R, Otvos L Jr, Craik DJ. Institute for Molecular Bioscience, Centre for Drug Design and Development, University of Queensland, Brisbane, 4072 QLD, Australia. ・Immunodominant peptides corresponding to tau(224-240) and a bisphosphorylated derivative in which a single Thr and a single Ser are phosphorylated at positions 231 and 235 respectively, and which are recognized by an Alzheimer's disease-specific monoclonal antibody, were the main focus of the study. ・The nonphosphorylated peptide adopts essentially a random coil conformation in aqueous solution, but becomes slightly more ordered into beta-type structure as the hydrophobicity of the solvent is increased by adding up to 50% trifluoroethanol (TFE). ・a small population of species containing a turn at residues 229-231 in the phosphorylated peptide ・the selection of a bioactive conformation from a disordered solution ensemble may be an important step (in either tubulin binding or in the formation of PHF) is supported by kinetic data on Pro isomerization. ・Thr231 phosphorylation affected the rate of prolyl isomerization and abolished tubulin binding. ・we find evidence for the existence of both trans and cis forms of tau peptides in solution but no difference in the equilibrium distribution of cis-trans isomers upon phosphorylation. ・Increasing hydrophobicity decreases the prevalence of cis forms and increases the major trans conformation of each of the prolines present in these molecules. 5. J.Neurochem.の論文でFig.6の結果の読み方を教えて下さい。特に、Aの方ですが? (実験方法が良く理解出来てませんが?) 6.検索した論文の中には以下のようなものがあります。 J Biol Chem 1994 Aug 26;269(34):21614-9 Analysis of microtubule-associated protein tau glycation in paired helical filaments. Ledesma MD, Bonay P, Colaco C, Avila J. Centro de Biologia Molecular Severo Ochoa, Consejo Superior de Investigaciones Cientificas-Universidad Autonoma de Madrid, Spain. ・paired helical filaments (PHFs), the major components of which are modified forms of the microtubule-associated protein tau. ・phosphorylation is one of the modifications that result in the polymerization of tau into PHFs. ・hyperphosphorylation alone is insufficient to explain the formation of PHFs. ・glycation may be one of the modifications hampering the binding of tau to tubulin in Alzheimer's disease, thus facilitating tau aggregation into PHFs. glycationに関しては専門家の間ではあまり問題視されていないのでしょうか? さらに関連しそうな論文のAbst.抜粋を載せます(またまた混乱させるかもしれませんが・・・?) (1)J Biol Chem 1997 Mar 28;272(13):8441-6 Conversion of serine to aspartate imitates phosphorylation-induced changes in the structure and function of microtubule-associated protein tau. Leger J, Kempf M, Lee G, Brandt R. Center for Neurologic Diseases, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts 02115, USA. ・A phosphorylation sites (positions 156 and 327), first to alanine to eliminate phosphorylation, and second to aspartate, to mimic phosphorylation. ・a serine to aspartate mutation at position 327 results in a conformational change similar to that caused by phosphorylation of this residue. ・an additional mutation at position 156 to aspartate drastically decreases the microtubule nucleation activity of tau but does not affect the activity of tau to promote microtubule growth. (2) Mol Biol Cell 1997 Feb;8(2):353-65 Functional interactions between the proline-rich and repeat regions of tau enhance microtubule binding and assembly. Goode BL, Denis PE, Panda D, Radeke MJ, Miller HP, Wilson L, Feinstein SC. Department of Molecular, Cellular, and Developmental Biology, University of California, Santa Barbara 93106, USA. ・a relatively well-characterized "repeat region" in the carboxyl terminus (containing either three or four imperfect 18-amino acid repeats separated by 13- or 14-amino acid long inter-repeats) ・a more centrally located, relatively poorly characterized proline-rich region. ・the microtubule binding activity of the proline-rich region to Lys215-Asn246 and identified a small sequence within this region, 215KKVAVVR221 ・these capabilities are derived largely from Lys215/Lys216 and Arg221 ・combining the proline-rich region sequences (Lys215-Asn246) with their adjacent repeat region sequences within a single peptide (Lys215-Lys272) enhances microtubule assembly by 10-fold ・intramolecular interactions between the proline-rich and repeat regions. ・a model in which efficient microtubule binding and assembly activities by tau require intramolecular interactions between its repeat and proline-rich regions. 以上です。 さらに調べを継続したいと思ってます。
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MiJunです。 ryumuさん、初めまして。rei00さん同様以前からご意見を伺いたい(ご教示願いたい)と思ってました。それにしても、早朝からの回答(徹夜明けでしょうか?)ありがとうございます。 こちらは、起きたばかりで頭が回ってませんが(目がさ醒めても同様ですが・・・、笑!)、少しご教示の程お願いします。 「Serine conformation」に関しては、original paperを読んで「synthetic peptide」の記載が分かってからは、ryumuさんの見解通りと思います。 ⇒sonorinさんの初期の回答は出たのではないでしょうか・・・? 当方の関心は論文の論点とは外れてしまうのですが、 1.ヒトτの該当epitope部分のPro前後のconformation ⇒βターン構造をとっているのか?さらに、それはI型かII型か? 2.ヒトτのリン酸化により、その影響がPro前後の「シスートランス変換?」を起こすのか・・・? 3.リン酸化前後でのシャペロンの関与はないのか・・・? (シャペロンの関与はτタンパクが合成される場合でしょうが・・・?) それと、成書をいくつか図書館から借りてきたのですが、 「二次構造」等に詳しいものをご紹介ください。 特に、αへリックス・βシートは詳しいのですが、「βターン」に関してはあまり記載がないようですので・・・? ryumuさん、ご教示ください。
- ryumu
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どうも、rei00さんからお誘いを受けてやってまいりました構造生物屋のryumuです。 構造屋としては専門家の部類に入ると思いますが、τ蛋白については全くの素人です。 私が研究してるのはイオンポンプなので、適切な回答になるかどうかちょっと自信がありません・・・責任逃れ?^^;。 で、私もとりあえずこの論文をさっとですけど読んでみました。 sonorinさんへの回答としては・・・・ まずSer conformationという言葉ですが、一般的なものではないはずです(論文中では、すべて不定冠詞”a”がついてますし・・・たぶん^^;(汗))。 この論文の中でのSerine conformationとは、ウシτに含まれるSer101、および合成したSer ペプチド(=AGIGDT”S”NLEDQAA)のSer、の両方がとっているコンフォメーションのことを示す言葉して用いられていますね。したがって、具体的な高次構造について述べているわけではないようです。 SerがProに変わっているヒトτは、ノーマルな状態ではTau2とほとんど結合しないのに、変性後はTau2との親和性が上がる、という実験事実から、変性後のヒトτでのPro周囲は変性前に比べ著しいコンフォメーション変化を起こし、結果的にSerの場合と同じような立体構造の環境(=Ser conformation)になっているだろう・・・ということでしょう。 私に言えるのはこんなところです・・・期待はずれですみません->rei00さん、MiJunさん^^; ただ、この論文ではSerine conformationがどういう構造かをいうことはまず不可能です。 で、私なりに考えた考察ですが、このWatanabeらの結論以外に以下のようなことも考えられるような気がします・・・ 蛋白質は、常温でかなり揺らぎを持っています。 このような揺らぎのなかで、分子認識を行うには、ある程度運動性の制御が必要に思われます(この辺の議論はまだ明確な見解は得られていません)。 ところで、蛋白質の繊維化現象は、αヘリックス構造の一部が崩れ、他分子とのβシート構造形成により沈殿を形成する現象ですから、繊維化により二次構造変化に加え分子の運動性をも低下させることになります。 一方、ProとSerは構造が違うので、それらの構造自体を直接比較するわけにはいけません。 したがって、Proのコンフォメーション変化によってSerと類似した立体構造をしてると考えるのは無理があるように思います。 ここで構造屋としてProで思いつくのは、Pro残基N原子の水素結合能の消失、およびその消失による運動性上昇です。 Tau2のτの認識に、本当はSer自体が必要なのではなく、その水素結合による分子の揺らぎの低下が必要であると考えるとどうでしょう? つまり、ノーマルなヒトτでは、Proの存在によりTau2認識領域の揺らぎが大きいためTau2の結合がしにくいが、繊維化により揺らぎの低下がおこると、認識しうる・・・ ここで、当然ですが、運動性の低下によってTau2が認識するのための特定の構造(Ser conformation?)をτが保持する必要があります。 ん~~・・・まったく見当はずれかもしれませんけど・・・^^; ・・・Pro、Ser以外の残基でつくられたτ、あるいはペプチドはないのでしょうかね?? 以上、思いついたことを書いてしまいました。 お役に立てたかどうか・・・・あやしい・・・
MiJunです。 >MiJun さん,すみません。お気を悪くされたら謝ります(ご免なさい,ペコリ)。 rei00さんとはお付き合いも長い(?)ですから、全然気を悪くしてません(笑)!! (ですから、前回(笑)と入れたのです。) 否、こちらが適当に(こちらはない頭で少しは考えているのですが・・・、爆笑!)話題提供したり、初歩的な質問をしているので、自戒の面も含めて反省してました。 いずれにしても、今後もこのようなフリーなディスカス(単に教えて頂いているだけですが?)が出来る、”単なるレポートの回答でない質問”を望みたいですね!! sonorinさんも、だらだら長くなっていらだっておられるのではないでしょうか・・・(早く締め切りたいと!)? rei00さん、お勧めのryumuさんのご見解も伺いたいものです! ところで、やっとPaperを手に入れました!前述のように国会図書館では、該当号が欠号でNACSISで探して「筑波大」から今日入手出来ました! まだ、さっと1回しか読んでませんが、sonorinさんの補足が理解できるようになりました。 Referencesにあるいくつか見てみたい論文も出てきましたが、またまたOriginalにあたるのは大変そうです(泣き)。 読み直して、頭を整理してまた投稿したいと思います。 >MiJun さん,次はシャペロンですか。ドンドン発展しそうですね。「蛋白の構造」関係の参考書でも買おうかな? はまってみたい魅力を持った深みですね。 成書はいくつか探して、図書館から借りてきて読み始めました(理解できるかどうかは不明ですが・・・?)。 素人発想では、「シャペロン」が絡んでいれば面白いのですが、多分今回は関係ないでしょうね・・・? でも、久しぶりに少し「マジ」になって「ハマッテ」ます (大爆笑!)! excitingな毎日を過ごさせて頂いて、sonorinさん、rio00さんに感謝です!!
- rei00
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rei00 です。 MiJun さんがお示しになった文献を読みきれずに(理解しきれずに)苦しんでいるのですが,簡単に私が把握できた事を回答しておきます。 その前に,「rei00さん、(?)の意味は・・・? →検討外れの検索(笑!)???」について: MiJun さん,すみません。お気を悪くされたら謝ります(ご免なさい,ペコリ)。いつも MiJun さんの検索には脱帽してお示しになったペ-ジ等で勉強させていただいています。「(?)」の意味ですが,言いたかったのは,単なる検索能力だけじゃなく,知識欲や発想なども含めて「付いていけません」と言う事です。 どうも,私の回答には,丁寧に書こうとすると余計な事が多くなって,簡潔に書こうとすると言葉足らずになる事があるみたいです。以後気を付けます(反省)。 さて,先に MiJun さんがお示しになった最初の文献ですが, この文献中にも type II β-turn や type-III (I) β-turn と言った言葉が出てきます。したがって,MiJun さんのお考えがあっているような気がします。 で,Discussion 中に次の一文を見付けました。 Since the NFTs are organized in β-pleated sheets, the selective recognition and staining pattern of mAb Tau 2 is in perfect accordance with the CD studies of the synthetic peptides and indicates that mAb Tau 2 indeed recognizes a tangles-related conformational epitope. Furthermore, our CD studies substantiated the existence of a "Ser conformation" and its difference from a "Pro conformation" of these peptides proposed by Watanabe et al. つまり,NFTs は β-pleated sheet 構造をとっているが,Tau 2 抗体は「tangles-related conformational epitope」を認識すると言っています。 また,この論文の結果は Watanabe らの "Ser conformation" の存在と "Pro conformation" との差を実証したとも言っています。 ここで,私はまたわからなくなりました。この著者らが言っているのは,今までの回答に出てきた "serine conformation" なんでしょうか?それとも,"serine-like peptide conformation" なんでしょうか?この論文の Introduction との関係から考えると,「"serine-like peptide conformation" はどんな conformation かに興味をもって検討した結果,それは "serine conformation" だった」と思えるんですが・・・・(自信ありません)。 いづれにしても,専門家の意見が聞きたいところですね。 >「Tau protein」と「シャペロン」に関して何か Paper ご存知でしょうか? MiJun さん,次はシャペロンですか。ドンドン発展しそうですね。「蛋白の構造」関係の参考書でも買おうかな? はまってみたい魅力を持った深みですね。
お礼
すみません。別の質問への回答でrei00さんと鉢合わせ(?)したようで、その中でrei00さんには専門家(?)へ、このテーマについての検討を促して頂いたようで。 これほど深く追求していただいて、嬉しい限りです!!
MiJunです。 >私の方は MiJun さんの検索力(?)に付いていけません。 rei00さん、(?)の意味は・・・? →検討外れの検索(笑!)??? 少し本論とは外れますが、この問題はタンパク質のconformationについていろいろと勉強になりますね!! PubMedでの検索だけですが、興味のあるPaperがありますね?Abst.見ているだけでも勉強になります。さらに、モット勉強しなければと毎日思っております。 ⇒成書を見つけて読んでみることにしました。 ---------------------------------- もう少し、頭を整理してから投稿しますが、その前に基本的な事でひとつ疑問があります。 ・「serine conformation」との関連で、化学大辞典(東京化学同人)で「β-ターン」の項で ============================ 代表的なβ-ターンにはI型とII型がある。 ============================ との記載があります。 ここからはお得意の素人推測ですが、 リン酸化によって問題の「serine」の前後(どちらかは分かりませんが?)で、例えばI型→II型の変化が起こり、そのことを指しているのでは・・・・??? sonorinさん、これも的外れな質問でかつPubMedでも未だ検索してないのですが、「Tau protein」と「シャペロン」に関して何かPaperご存知でしょうか? sonorinさん、rei00さん、ご意見を!
補足
どんどん深みにハマッていきますね。しかも私の最も苦手とする分野へズルズルと…(笑)。 でも、ちらっと疑問に思っていたことを提示させていただいたことで、 reiOO さんやMiJunさんのおかげで、タンパクの構造等について見識を深められたことにとても感謝しています。 さて、tauについてもう少し追加情報ですが、 tuburin以外にtauは様々な分子と結合します。tuburin結合部位(tau C末端側)付近には、ubiquitinやヘパラン硫酸プロテオグリカン、protein phosphatase 、その他apolipoprotein E等が結合します。また、C末端側はプロテアーゼ抵抗性で、変性しても最後まで分解されずも残存しています。 ですが、tauN末端側に結合するリガンドは、私の知る限りではありません(これも勉強不足かもしれませんので、断定は避けます)。しかし、異常リン酸化は、このC末端側に比して、N末端側に非常に多く起こります。 補足になったかどうかは分かりませんが、最終的なご意見が投稿されることを祈って、お待ちしております。 (※ただいま職場が大工事中で資料を探すことも出来ず、さらにPCも使えないため、お返事が遅くなってしまいました。すみません。今は他人のPCを借りてお返事しているのですが、何とも満足な補足が出来なくて恐縮です!)
- rei00
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rei00 です。 > rei00さんのスピードにはついて行けません! 何をおっしゃいますか。私の方は MiJun さんの検索力(?)に付いていけません。ご指摘になった文献もその日のうちにコピ-をとったのですが,なかなか読めないのと理解力の不足で,回答するのが遅くなりました。 > やはり異常リン酸化により生じた蛋白の二次構造変化により問題の部分にも変化が生じ、tau-2は他の抗体に比べ、conformation-dependent epitopeにより親和性を示す性質を持つmonoclonal抗体と言えるのでしょうか? sonorin さん,私もそう思います。この文献をようやく読み終えて回答を書こうとしたところ,sonorin さんに先を越されて,回答に困っていました。 ところで,その conformation 変化ですが,この論文の著者らは先の論文の「serine conformation」を「serine peptide-like conformation」と断定して,しかし具体的にどんな conformation か不明だという事から研究を開始していますね。
MiJunです。 rei00さんのスピードにはついて行けません! まだ、Completeに整理が出来ていないのですが・・・・。 またまた、いくつか質問を・・・。 1.sonorinさんの補足で >かんぜんなアミノ末端ではありません これは「tau protein」には6のisoformがあることと関連するのでしょうか? さらに一次シークエンスに関して、以前の補足で >(Bovine) AGIGDTSNLEDQAAGHVTQARMVSK …tau-2免疫抗原 (Human) AGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSK とのことですが、これはN末からのものでしょうか? 以下の参考URLサイトの図2と比較してご教示ください。 2.tau-1、tau-2、AT8もAlz50と同aa1-10を認識するとされているのでしょうか? 3.最近の研究で上記の図3よりも多くのリン酸化サイト(アミノ酸部位)が分かっているのでしょうか? 4.>targetのペプチド中のヒトでは"Pro"の部分が、変性により蛋白構造に物理的な力が加わることによって構造に歪みが生じ・・・・ これは当然N末の部分のProですよね? さらに「物理的な力」の表現が気になりますが、これはリン酸化によるリン酸基(?)のSteric Hindrance(立体障害)を意味されているのでしょうか・・? --------------------------------------------- 以下にPubMedからDLしたAbst,で関連しそうな論文の抜粋です。 1.Biochem Biophys Res Commun 1992 Oct 15;188(1):162-9 A serine-->proline change in the Alzheimer's disease-associated epitope Tau 2 results in altered secondary structure, but phosphorylation overcomes the conformational gap. Lang E, Otvos L Jr. Wistar Institute of Anatomy and Biology, Philadelphia, PA 19104. ・We synthesized tetradeka peptides corresponding to the original bovine sequence, its serine-->proline substituted analog, the genuine human sequence of this region, and the bovine epitope phosphorylated on the crucial serine. ・The secondary structure of the peptides was determined by circular dichroism. It was found that only the original bovine epitope showed a tendency to form the beta-pleated sheets characteristic of the neurofibrillary tangles. ・The spectra of the human peptide, its analog, and the phosphorylated bovine sequence were very similar, featuring a weak, helical beta-turn character. ・Eventual phosphorylation of epitopes of this otherwise heavily phosphorylated protein may overcome inter-species conformational gaps. 2.Biochem Biophys Res Commun 1992 Sep 16;187(2):783-90 Immunological and conformation characterization of a phosphorylated immunodominant epitope on the paired helical filaments found in Alzheimer's disease. Lang E, Szendrei GI, Lee VM, Otvos L Jr. Wistar Institute of Anatomy and Biology, Philadelphia, PA 19104. ・Circular dichroism spectroscopy shows that the phosphorylated peptide exhibits a limited propensity to form intramolecular beta-pleated sheets, and alteration is found in the reverse-turn structure that dominates the middle section of the molecule. -------------------------------------------- 2報ともWister研究所のです。 ここから素人推測ですが、 ・tau2はN末側のepitope部分(?)を認識している。 ・このepitope部分にはbovineとhumanでリン酸化されたタウタンパクと同じ(?)conformationをとる。 ・そのconformationはserineでβターンしており、その前後はβシート構造を取っている。 sornorinさん、rei00さんのご意見を!
補足
BBRCの文献を取り寄せて見ました。自分でもこれは少し拾い損ねていたなと反省しています。 まず、MiJunさんからのご質問で、以前提示したアミノ酸配列は左側がN末端側で、最初のalanineはtauの最長isoformのN末から106番目です。tau-2はtau aa106-120辺りの配列を認識しているとされています。 またtau-1は同じく最長tau aa189-207の非リン酸化状態に反応します。またこのtau-1部位には重要なリン酸化部分がSer199、Ser202そしてThr205が存在し、このうちSer202とThr205が共にリン酸化されている状態の類似の配列に反応するのがAT8です。N最末端の配列を認識するのがAlz50と言われています。 tauの異常リン酸化部位は次々と報告され、非常に多くの部位が存在しています。その大半はプロリン指向性キナーゼによるSer/Thrのリン酸化です。tau-2部分にもプロリン指向性キナーゼが作用可能なThrが存在しますが、この部位がリン酸化されている報告は(私の知る限りでは)ありません。 BBRCの文献の中で一番最初に挙げられたものを見ると、bovine tauのtau-2部位のSer(問題の)をリン酸化したものと、human tauが液クロで非常に類似した性質をもつとされているとありました。tau-2はリン酸化されていないbovine tauを用いて作られているのですが、こういった結果を見ると、やはり異常リン酸化により生じた蛋白の二次構造変化により問題の部分にも変化が生じ、tau-2は他の抗体に比べ、conformation-dependent epitopeにより親和性を示す性質を持つmonoclonal抗体と言えるのでしょうか? rei00さんのご意見もできたらお伺いしたいです。
- rei00
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rei00 です。補足拝見して一言。 > この著者の意味するところの・・・・・・ことなのでしょうか? > こういったことを簡潔に論文のタイトルに書く際には、・・・・・・ 私はそういう意味にとったのですが,すみませんタイトルにも「Ser Conformation」とありましたね。これは見落としていました。 タイトルに使うとすると,この著者達は「polyserine 等の serine conformation」を意識しているのかも知れませんね。ただ,この論文を読む限りでは,それはどこにも書かれていませんし,それを示唆する様なデ-タも見当たらないと思います。 とりあえず,MiJun さんのご意見をお待ちしてみましょうか。
- rei00
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rei00 です。 今晩読んでみますといいながら,遅くなりました。 > なんだか、本当に皆さんにこんなマニアックなテーマにお付き合いいただいてしまって・・・。 いやこういうマニアック(?)なテ-マの方が勉強になりますし,考えていても楽しいですから,気にせずにまた何かあれば質問して下さい。 それに,私自身は元々抗アルツハイマ-病薬に興味もありましたから気になさらずに。 さて,問題の論文を読んでの私の意見ですが,次の様になりました。 まづ,この論文中の「serine conformation」との表現ですが,これは Abstract 中に『・・・ the τ in pared helical filaments takes a Ser conformation, rather than a Pro conformation, ・・・』と出てくる以外には,p.964, left,↑8-7 に『Tau has a much higher affinity for a Ser conformation,』と出てくるだけです。 他の類似の表現としては,p.965, left,↑2-1 に『The τ in PHF should take a Ser peptide-like conformation, 』とあり,p.965, right,↓12-14 に『Tau 2 can sensitively detect the PHF-incorporated τ which comes to take a Ser peptide-like conformation, possibly a rather extended conformation, 』とあります。また,p.965, right,↑7-1 に『In summary, we conclude that Tau 2 is a specific and sensitive probe for a Ser peptide-like conformation in the amino one-quater portion of τ, and that the τ comprising PHF takes a Ser peptide-like conformation rather than a Pro peptide-like conformation, suggesting that the region around Pro112 undergoes a significant conformational change.』とあります。 これから考えますと,先の「Ser conformation」は「Ser peptide-like conformation」の間違いだと思います。つまり,この文献で言いたかった事は「PHF 中のτは,変性によって Ser peptide-like conformation をとっていて,そのために Tau 2 抗体で検出される」という事だと思います。 ここで言っている Ser peptide は,AGIGDTSNLEDQAA であり,Pro peptide は AGIGDTPNLEDQAA です。したがって,これらが実際にどんなコンフォメ-ションをとっているかはわかりません。勿論,poly serine がとっている様な「serine conformation」をとっているかどうかも,この論文では不明です。というよりも,この論文の著者らは気にしていないように思います。 私の意見はこのようなものですが,いかがでしょうか。私も生化学や生物物理化学はもう1つでしたので,鵜呑みになさらないで下さい。
補足
rei00さん、早速の回答、どうもありがとうございます。 改めてこの論文のrei00さんにご指摘いただいた部分に目を通しましたが、この著者の意味するところの「Ser conformation」というものは、生化学で厳密に定義されているような「(poly-Serで見られる)Ser conformation」とは異なり、かなりアバウトな意味で、「targetのペプチド中のヒトでは"Pro"の部分が、変性により蛋白構造に物理的な力が加わることによって構造に歪みが生じ、tau-2がより親和性を示しやすくなった状態で、決してProがSerに変化したわけでも、厳密なSer conformationが起こったわけでもないということなのでしょうか? こういったことを簡潔に論文のタイトルに書く際には、かなり表現に困ってしまうでしょうし、そういう関係で、こんな紛らわしい表現を用いたのでしょうか?(著者に聞くのが一番なのでしょうけど) この質問一つで、随分と蛋白の生化学や物理化学について勉強させていただいたような気がします。
MiJunです。 補足を要求しながら、レスが遅くなりまして申し訳ありません。 rei00さん同様にoriginalを入手すべく手配してますが、国会図書館でも欠号のようで入手に時間がかかりそうです。 そのような訳でPubMedのAbst.とネットでの検索ですが、まだいくつか不明点があります。 1.タイトル「Tau 2: A probe for a Ser conformation in the amino terminus of tau.」 で、「in the amino terminus of tau」のところですが、これは「tau」のN末(端)でしょうか? 2.「Tau2」抗体の作成者および論文は・・・? (⇒1.の論文のMethod・Referenceに記載があるでしょうが・・?) ----------------------------------------- 1.に関連して以下の参考URLサイトを参考にすると、このページのFig.に各種のTau抗体の「epitope」部分が表示されてますが、残念ながら「Tau2」は表示されてません(多分これ以降に作成された為ではないかと想像してますが・・)? そのような意味でも上記の2.の内容が知りたいのです。 それと、「in the amino terminus of tau」の関連でこのFig.には他の抗体でもN末に「epitope」があるものはありません。 ⇒このN末はどこのN末なのでしょうか・・・? sonorinさんの期限も過ぎているでしょうが・・・? 非常に興味がありますのでこのまま質問を締め切らないで頂ければありがたいのですが・・・? PubMedのAbst.だけでも時間がかかりそうですが、いろいろわかりそうです・・・?
補足
なんだか、本当に皆さんにこんなマニアックなテーマにお付き合いいただいてしまって・・・。でもこんなサイトもあるなんて、とても参考になります! そこで、MiJunさんからの疑問点ですが、 1.については、「the amino terminus of tau」はこの場合、tauのN末端側という意味合いです。ですので、かんぜんなアミノ末端ではありません。 2.については、このoriginal paperでは、 Papasozomenos SC, Binder LI. (1987) Phosphorylation determines two distinct species of tau in the central nervous system. Cell Motil Cytoskeleton 8; 210-226 が、tau-2抗体の最初の作成者のようですが、この雑誌は私の大学の図書館にありませんので、特に複写請求せずにいました。 また、このPapasozomenosらの以下の論文 Papasozomenos SC, (1989) Tau protein immunoreactivity in dementia of the Alzheimer type. I. Morphology, evolution, distribution, and pathogenetic implications. Lab Invest 60; 375-389 には、tau-1とtau-2抗体のAlzheimer症例脳における染色態度の比較を行っており、長らくglial fibrilally tanglesの抗tau抗体染色性の研究論文に頻繁に引用されていましたが、この内容ではtau-1に比して、tau-2では染色されてくるastrocyteが多いと述べていました。しかし、掲載されている写真を見る限りでは、microgliaをastrocyteと誤認して書いているようでしたし、実際の私が染色した標本においても同様の結果です。(その後そのことについて触れられている論文はありませんが) あと、tauに対する抗体ですが、参考のサイトにあげられている以外に、多数の抗体が存在します。tauのアミノ末端部を認識する抗体として有名なのがAlz50というものがあり、aa1-10を認識するとされています。しかしtauのN末端側を認識する抗体としては、この他にtau-1、tau-2、AT8がある程度で、他はそれ以降の部位を認識するものがほとんどです。 あまり述べると本当にマニアックになりすぎて、補足欄では足りないぐらいですが、周囲にdiscussion可能な人がいないので、助かってます。ありがとうございます!!
補足
今回は特に熟考いただいて、有り難うございます。 4.についてですが、tau は細胞骨格蛋白の一種 tubulin に結合し、2本のtubulin をつなぐ役割を持つ細胞骨格関連蛋白(MAP)の最も低分子のもので、neuron では特に軸索に多く存在し、軸索内の物質輸送のレールを造るものです。neuron の細胞体部分(すなわち核周囲)には高分子のMAPが多く、これら細胞骨格関連蛋白は核内には存在しません。 またtau はリン酸化により、tubulin への結合能が制御され、リン酸化部位が多いと結合能が低下します。胎児性のtau は成人に比してリン酸化されており、成人ではリン酸化が無いかあるいは多くて3箇所ある程度ですが、胎児では約8箇所の生理的リン酸化部位が存在します。tau の変性は主にリン酸化が亢進した場合に生じ、この生理的リン酸化部位以外のSerやThrがリン酸化されています。 normal tauはどの程度親水性があるかどうかはちょっと分かりません。SDSに可溶かどうかについては言及されており、それを利用して異常リン酸化tauを抽出したりされていますが。 でも、疎水性アミノ酸はC末端側1/2(特にtau中央部付近)に多く、またtauのN末端半分は負に、C末端半分は正に荷電しています。 6.のglycationについては、数年前(丁度この論文の発表時)にNOとの関連性で研究対象のブームになっていましたが、今はあまり追求されていません。ですがこのglycationはtubulin 結合部位付近に数カ所確認されていたと思います。 5.についてですが、おかげでもう一度しっかり論文に目を通すことが出来、自分なりの仮説を立てることができた気がします。まず、Fig.6.ですが、この実験方法は、最初にバンドを染色する際の至適希釈を行ったtau-2抗体液を等量分け、これらに合成した2種のペプチド(Ser-peptide、Pro-peptide)を0, 10, 100, 500μMのモル濃度に添加し、合成ペプチドによるtau-2の吸収を行います。bovine tauを各4つのレーンに等量分配し、泳動します。それに吸収処理したtau-2抗体液でバンドを免疫染色したのがFig.6.です。 BのPro-peptideで吸収したものでは、各レーンいずれもバンドが染色されたことから、tau-2 はPro-peptideによってほとんど吸収されなかった(tau-2はPro-Peptideに結合しなかった)ことが分かり、一方AのSer-peptideで吸収したものはペプチドで吸収を行わなかったもの(lane 1)と比べると10μMでもかなりtau-2が吸収されてバンドの染色性が弱まり、100μM以上になるともうバンドは検出されなくなっています。このことから、tau-2の2種の合成ペプチドに対する結合性はSer>Proであることが分かったというわけです。 論文を改めてチェックすると、p964のleftの1行目から6行目にとても重要なことが書かれてあり、Proの存在が蛋白構造を曲げる性質を持ち、これによりbovine tau と正常ヒトtauが劇的にconformationの差異が生じるとありました。また、p965のleftの最後から2行目で、以前rei00さんからも指摘がありましたが、よく全文を解釈すると、ここで言う「Ser peptide-like conformation」はこの合成ペプチドを指し、tauの異常リン酸化に伴い、構造が劇的に変化し、これによってProの部分で曲がっていた構造がSer peptideに近い状態まで押し伸ばされ、よりtau-2に親和性を示すようになったと著者は言いたかったのではないでしょうか?この劇的なPro部分での構造変化は、今までの回答でお教えいただいたようなβターン、βシート、gauche±等の変化(大きいところから小さいところまでまとめすぎな列挙の仕方ですが)によるものなのではないでしょうか? 今後、normal tauとPHF-tauをはじめとするtau-2反応性の異常tauの構造を解析し、このtau-2部位の両者の差異を視覚的に(模式的になるでしょうけど)決定できるようであれば、非常に面白いのでしょうけれど。 皆様のご意見はどうですか?