> 多くの講師が文法は知らなくても英語は話せると私に言います。
> これらを学ばず、どうやって英語を習得するのでしょう?
⇒"Panglish"て聞いたことありますか? 日本が戦争に負けて、米兵がたくさん日本に来ました。進駐軍です。あちこちに米兵相手のキャバレーができました。そこで働く日本女性が、急遽英語を覚える必要に迫られました。
そこで、注文を聞くときは「ワリワン」、お客が何かそそうをして謝ったときは「テーキリージ」と言う…などという風に覚えたそうです。それぞれ"What do you want?" "Take it easy."ですが、もちろん彼女たちはそんな仕組みや文法は知りません。ですから当然、例えば、"What does he want?" "Don't take it easy."のような応用はできません。
文法を知る意味はまさにこれだと思います。つまり、応用です。文法は「有限個の規則や語彙」を使って、「無限個の表現を展開できるようになる」ためのツールだと考えます。
> 本当に不思議で悩んでいます。
⇒語学の効用としては、まず第一に実用がありますが、それだけではないと思います。
言語の学習を通して、思考力・分析力・推理力などを鍛えることができます。また、当該外国の人・習慣・発想の仕方など、つまりその文化を知って、自国のそれを振り返ってみることができます。
ゲーテは言ったそうです。「外国語を知らぬ者は自国語をも知らぬ」と。他人を知ることは、終局的には、「己自身を知る」ことにつながるのだと言えます。これを一口で言えば、月並みな言葉ですが「教養」と総称されるものであって、自前の認識・意見や見解・さらに(大げさですが)世界観を持つために、欠くことのできない要素になるものである、と断言できます。
実用・思考力・教養を修得したり増強したりできること、これが外国語学修の意義であり、そのためには、文法を無視しては成り立ちようがありません。
お礼
気分が晴れた気がします。 ご回答ありがとうございます。はい。私も英語を勉強して世界観が変わりました。 また、英語と日本語しか知りませんが同じような使い方をするものもあって実に興味深いです。GHQ の話は小説などで知っています。 そのような話も聞いた記憶があります。文法を応用する。そうですね、一つの文法で世界は無限大になります。 本当に参考になりました。重ねてお礼を申し上げます。 ありがとうございました。