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エチジウムブロマイド 発ガン性の程度
こんにちは。 私は仙台の大学に通う3年生です。 先日、PCRをおこなったとき、エチジウムブロマイド入りゲルを3ヶ月間保存しておいた三角フラスコにかけておいたパラフィルムの内側部分にさわってしまいました。エチジウムは発ガン性ということで不安です。 わたしの場合、 ・エチジウムが揮発した、気体成分がたまった部分にふれた、もしくは ・フラスコの注ぎ口に触れていた部分にさわっていたかもしれない ・フィルムを触ったあと、しばらくエチジウム付着のものときずかなかったので、手洗いは30分くらい後 という条件です。 発ガン性というと、どの程度のものなのでしょうか。 以前のこのページの書きこみをみると、このくらいさわると危険、という論文も紹介されているようですが、英語辞書を駆使してもわたしには理解できませんでした。 生物学を専門とするみなさんにとって、エチジウムブロマイドとはどの程度危険なものとして扱われているのでしょうか。わたしの気にしすぎなのでしょうか。また、そもそもエチジウムは揮発性なのでしょうか。長期保存だったので成分がたまっていたのでは、と気になります。知識不足で申し訳ありません。 ぜひお願いいたしします。
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CELLのエッセンシャルなど色々な参考書に載っています。 この質問はDNA修復という項目に相当しますね。 私は大学2年の専門基礎講座でも習いましたけど・・・。 >もしお時間いただけましたら、発ガン性物質というものが体内に侵入した場合、どのような作用をするのか、またどう処理されるのか、おしえていただいてもよろしいでしょうか。 一番身近なのはエチブロの後に扱うUVイルミネ-ターでしょう。UVはDNAに当たるとTとTが並んでいるところをくっつけてしまい、チミンダイマーという物質を作ってしまいます。ところがDNAにはDNA修復機能が備わっていますので DNAの見張り番が変異を発見すると、細胞の働きを一旦ストップさせDNAの変異が入っていない方の鎖を元にして修復します。また、あまりにもひどい場合は細胞死、つまりアポトーシスを起こします。これをチェックポイントといいます。このチェックポイントは何重も存在しているので、生物はガンから守られているのです。 人間の体では一日何十回、何百回と繰り返されている作業の一つです。今回のエチブロの話も、ちょっと体に余計な作業させちゃった。と気楽に構えていいでしょう。 >皮膚に付着した場合、一人目の先生のように、まず触れた部分が変化し、そこに変化がおこらないのに、体内の別の部分で発ガンなどを起こすことはあるのでしょうか。 リンパや血液に運ばれない限り無理だと思いますよ。今回触ったのは極微量ですからまずありえません。 mizu_atsuの話で思わず笑ってしまいました。 >私はよくフェノールを食らってしまい、指先の皮が白くなったものです これ本当に気をつけてくださいね。指先ならいいですけど 腕や足にこぼすとケロイドになってしまい、何年も残ります。
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- mizu_atsu
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>ふと考えると私の実験室では先輩方のエチブロの扱いが非常に粗悪であり、たとえば手袋の、ゲルを触った部分を素手でさわっていたりと、気になることがおおかったです。 ちょっとくらい触っても問題ないと思います。ですがその後の先輩の行動が問題ですね。少なくとも手は洗うべき。あと共用の手袋に手を洗わずに突っ込むなどもってのほかです。触れないに超したことはないのですから。そういう人がいるとドアのノブとかにも付いていそうでちょっと心配ですね。その先輩は危険性があることを知らないのかもしれません。そっと教えた方が良いのかもしれません。本人に言いにくければ教授に決まりを作ってもらうとか。 ちなみに私が扱っていた頃は手袋をしていました。 ビニール製の使い捨てのものです。 使い捨てと言っても使い回すこともありますがそのときも自分だけで使ってましたね。そんな高いものでもないですし。 少なくともできる限りのことはして防衛はすべきと思います。例え大した影響がなかったとしても精神的には安心しますからね。 私がしていた防衛は基本的に手袋のみです。アクリルアミドのときは最初の頃はしていましたが慣れた後はしていませんでした。手袋を外した方がやり易かったですし、慣れれば触れることもなかったからです。手袋をするしないは技術と危険を量りにかけて選んだ方がいいと思います。もちろん過信は禁物ですが。 UVに関しては眼鏡を書けていれば基本的に大丈夫です。ほとんどカットされますから。それよりもUV照射下ではサンプルの方にダメージがでるという理由で手早く作業をやった記憶があります。 いずれにしても今回の件はそんなに心配することはありません。とりあえずの措置として手袋はできれば専用や使い捨てにする。無理なら手袋をして作業して終わったら手を洗う(これではなんのための手袋かわからんけど)しかないように思います。
お礼
あたたかいアドバイスをありがとうございました。 今回の件はそんなに心配することはありません といっていただき、うれしいです。 エチブロが私のイメージほど強いものではないということでよかったです。 私の訴えで、手袋は毎回変えることになりました。 今後はメンバー全員でさらに気を付けていきたいと思います。 毎回の親切な回答、本当に感謝いたします。
>一度の接触でガンになることって、あるのでしょうか。 >もしくはそれが将来おおきなリスクとなることはあるのでしょうか。 >今度は手を洗っていないことが気になります。 >まさか手袋内が汚染されているとは思いもしませんでしたので。。。 >免疫系のまだ衰えていない自分(21歳)なら、DNAの見張り番ががんばってくれるのではないか、と期待してみているのですが。。。 老婆心です。 エチブロは水溶性ですので体内に蓄積することはないと思いますし、聞いたこともありません。 正直に言うと、私エチブロ希釈液を素手で触ることあります。 ただ、その手で他の物に触らないようには気をつけています。 先輩方とは手袋を別にしておきたいものですね。 私は危険を回避する行動を否定はしません。 pamukunnさんと同じ3年生にも、アクリルアミド(神経毒・蓄積します)を扱う時には手袋を使うように提案していますし、UVを扱う時にも直に見ないように、短時間で行なうようにと言っています。 あと粉末試薬を測る時には、吸わないようにあまり息をしない方がいいとか・・・ね。 実験に危険はつき物です。 神経質になるくらいがちょうどいいでしょう。 実験に支障をきたさない程度に、ですが。
お礼
ほんとうにありがとうございます。 今後も気になるとは思いますが、futairoさんの 老婆心です のひとことを支えにして、精神的に乗り切って行きたいと思います。 何度も回答いただき、ありがとうございました。
- mizu_atsu
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>表皮(皮膚)に変化があらわれていないと遺伝子への影響もないということでしょうか。 それは違いますね。遺伝子に変化があってから形態が変化するのです。それにはタイムラグがあるので見た目が無事でも遺伝子は傷ついている可能性があります。私がいいたかったのは今回の場合は仮に遺伝子が傷ついてもガンになって増殖する前に剥がれ落ちるのでは?ということです。 >がんになるリスクがかなり高くなるというわけではない その通りです。飲み込んだりしたら体内に入り大変なことになる可能性があるかと思います。しかし、わずかに触れた程度(今回の場合は触れたかどうかすら私には疑問ですが)ではfutairoさんが言われるように治癒力で治りますので大丈夫です。
お礼
ほんとうに丁寧な回答をいただきまして、ありがとうございました。 私事ながら4日から風邪で寝こんでしまい、回答は読ませていただいたものの、お礼が非常におくれてしまったことをおわびいたします。 すみませんでした。 futairoさん、mizu_atsuさんの回答のおかげで、この件に関しては非常に安心することができました。ありがとうございました。 しかしそんな矢先、ふと考えると私の実験室では先輩方のエチブロの扱いが非常に粗悪であり、たとえば手袋の、ゲルを触った部分を素手でさわっていたりと、気になることがおおかったです。 先輩本人が気にしてないならこちらから強く言うわけにもいかないか、とおもっていたんですが、その先輩が手袋表面に触った手で手袋内部に手をいれていたら、その手袋をつかいまわしているわたしたちにもそれはおおきく影響してくる、ということに気づき、今度はそれでおちこんでいます。 そこで、何度も本当に申し訳ないのですが、 一度の接触でガンになることって、あるのでしょうか。 もしくはそれが将来おおきなリスクとなることはあるのでしょうか。 今度は手を洗っていないことが気になります。 まさか手袋内が汚染されているとは思いもしませんでしたので。。。 免疫系のまだ衰えていない自分(21歳)なら、DNAの見張り番ががんばってくれるのではないか、と期待してみているのですが。。。 何度も本当にお手間かけてすみません。 しかし今のわたしにとってお二人はほんとうに専門的な面で頼りにできるかたがたです。 どうぞアドバイスおねがいします。
- mizu_atsu
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文章を見る限りまったく問題ないと思います。 まず第一にエチブロが揮発するという話は聞いたことがありません。 仮に揮発したとしてフィルムについていたのであればフィルムが変色していると思います(エチブロ粉末は赤茶の色ですから)。 付着したとして30分後ということですが、その間に細胞膜を通過しているかどうかは不明です。仮に通過したとしてそれが核に侵入し、遺伝子に影響を与え、ガンになるころには表皮は剥がれ新しいものになっていると思います。 エチブロは発がん性と良く言われます。確かに発がん性はあると思いますが人によってその言い方はまちまちです。話によると昔は素手で扱っていたとか。さすがにそれはまずいと思いますが、そんなに臆することはないと思います。実験の際はいろんな劇物毒物を使いますからね。私はよくフェノールを食らってしまい、指先の皮が白くなったものです。
お礼
丁寧な回答をありがとうございます。 昨日、化学専攻の友人にきいたところ、エチジウムだから揮発するだろう、といわれましたが、どうなのでしょうか。。。 >仮に通過したとしてそれが核に侵入し、遺伝子に影響を与え、ガンになるころには表皮は剥がれ新しいものになっていると思います。 表皮(皮膚)に変化があらわれていないと遺伝子への影響もないということでしょうか。教えていただけるとうれしいです。遺伝子に影響を与えるのに放置時間は重要・・・ですよね。すぐ洗うべきでした。 >まったく問題ない こころづよいです。ありがとうございます。この一度で、がんになるリスクがかなり高くなるというわけではない、という意味でとっていいんですよね?
エチブロは光に比較的弱いので、ほとんどが分解されていると思います・・・ >生物学を専門とするみなさんにとって、エチジウムブロマイドとはどの程度危険なものとして扱われているのでしょうか。 人によります。 ある先生は原液が指に付着して、表皮の一部壊死したそうです。 またある先生は、ピペットで吸う時に、誤って飲んでしまったそうですが、まったく問題なかったそうです。 それに、多少のガン細胞など、日常的に出現し、処理されているので、一度や二度のことで、いちいち気にするほどではないと思います。 ただ、付いたことにきづいた場合、すぐに洗ったほうがいいです。 それにエチブロ扱う時には基本的に手袋したほうがいいとおもいますよ。
お礼
ありがとうございます。 >多少のガン細胞など、日常的に出現し、処理されているので もしお時間いただけましたら、発ガン性物質というものが体内に侵入した場合、どのような作用をするのか、またどう処理されるのか、おしえていただいてもよろしいでしょうか。皮膚に付着した場合、一人目の先生のように、まず触れた部分が変化し、そこに変化がおこらないのに、体内の別の部分で発ガンなどを起こすことはあるのでしょうか。 おねがいしてしまい、すみません。 よろしくおねがいします。
検索したもので申し訳ないm(__)m 【エチジウムブロマイドが肌に付着した】 http://www.jarmam.gr.jp/situmon/et-br.html 【発ガン性物質】 http://www.bio.eng.osaka-u.ac.jp/sfbj/wakate/btf/4th/cancer.html ※内容を読んで参考になりそうなものをはっておきました。
お礼
ありがとうございます。 1つ目のページは読んでいなかったので、為になりました。 「がんになったという文献はみあたらない」という文でちょっと安心しました。
お礼
ほんとうに丁寧な回答をいただきまして、ありがとうございました。 私事ながら4日から風邪で寝こんでしまい、回答は読ませていただいたものの、お礼が非常におくれてしまったことをおわびいたします。 すみませんでした。 futairoさん、mizu_atsuさんの回答のおかげで、この件に関しては非常に安心することができました。ありがとうございました。 しかしそんな矢先、ふと考えると私の実験室では先輩方のエチブロの扱いが非常に粗悪であり、たとえば手袋の、ゲルを触った部分を素手でさわっていたりと、気になることがおおかったです。 先輩本人が気にしてないならこちらから強く言うわけにもいかないか、とおもっていたんですが、その先輩が手袋表面に触った手で手袋内部に手をいれていたら、その手袋をつかいまわしているわたしたちにもそれはおおきく影響してくる、ということに気づき、今度はそれでおちこんでいます。 そこで、何度も本当に申し訳ないのですが、 一度の接触でガンになることって、あるのでしょうか。 もしくはそれが将来おおきなリスクとなることはあるのでしょうか。 今度は手を洗っていないことが気になります。 まさか手袋内が汚染されているとは思いもしませんでしたので。。。 免疫系のまだ衰えていない自分(21歳)なら、DNAの見張り番ががんばってくれるのではないか、と期待してみているのですが。。。 何度も本当にお手間かけてすみません。 しかし今のわたしにとってお二人はほんとうに専門的な面で頼りにできるかたがたです。 どうぞアドバイスおねがいします。