質問には具体的な例文がなく、材料となる言葉が「株価」と「上げる」「下げる」しか書いてなかったので主語を「市場(が)」と補いましたが、補足の例では、「北品川は」「新馬場も」「大森、雑色は」「青物横丁は」といった具合にちゃんと主語があります。ないのは目的語です。
しかし、この場合、目的語は明らかです。「価格(株価)を」です。目的語が初出し、以下、目的語が同じだった場合や明らかに目的語が分かっている場合は省略されることがしばしばあります。目的語に限った話ではなく、日本語には、明らかに分かっているものは省略されることがよくあります。特に日本語で主語が省略されることが多いというのは、英語を勉強したことがある人はすぐにおわかりでしょう。
自動詞か他動詞かの決定的な違いは、目的語を伴うか否かにあります。最初に書いたことですが、視点がどこにあるかで使い方が変わってきます。
株価は、会社などの業績や評判によって上下するので、マーケットに視点を置いて、擬人的にそういう評判などが株価を上げた下げた、という使われ方がされているのだと思います。
ですから、質問の文中にあったように「株価や相場について使う場合は、明らかに自動詞的に、あがったり下がったりする現象について使われているようです。」ということはなくちゃんと他動詞として機能しています。
用法として問題はありません。
ただ、こういう表現の仕方は本来の日本語の使い方ではあまりありません。
近代以降、欧米文化の輸入とともに、大量の欧米語を日本語訳する必要が生じました。言葉は文化が背景にありますから、当然、翻訳が不可能に近いものもたくさんあります。
直語訳的な「~するであろうもの(こと)」などがありますが、これはちゃんとした日本語ではありません。
強引な翻訳語なのですが、これをわざわざカッコいいと思ってか、好んで使う人がいますが、これはちゃんとした日本語ではありません。ひどいのになると「~するであろうようなもの(こと)」とか言った表現を見聞きすることがたまにあります。
株式市場などは輸入されたものなので、こういう直語訳に近い表現がされるのかもしれません。
正確なところは分かりませんが、後はbosatsuさんがそういった背景を調査され、「悟り」を開き、仏陀へとなられることをお祈りしております。
お礼
わかりやすい回答をありがとうございます。補足で例文を挙げますので、ご意見ください。
補足
たとえば以下の文章の中には「下げる」「上げる」の解釈はいかがでしょうか。隠された主語が「市場」であるととらえられますか。下の例文などは、いったん「相場が下がる」と表現した後、すぐに(青葉台は)「相場を上げる、下げる」などと表現しています。 北品川-雑色間の都内はなお全般的な弱含みが続いている。最も都心寄りの北品川は一年前より約10万円下げて140万円に、新馬場も120万円台まで下げた。大森、雑色は築年数がかさんで130万円台に下げた。この中で安定傾向が出てきたのが青物横丁、大森海岸、平和島の3駅。青物横丁は2年前より高い150万円としたほか、物件が比較的豊富な大森海岸、平和島は1年前とほぼ同水準を保っている。 八丁畷からの神奈川県内も全般的には弱含みが続いている。物件が最も多いのは上大岡で、3ヶ月間で150物件前後の販売事例があるが、相場は2年前より10万円近く低い100万円まで下げた。比較的物件の多い生麦、弘明寺はなお下落傾向が続き、生麦は110万円、弘明寺は80万円程度となっている。 相場はあざみ野までが130万円台前後を維持し、江田以遠は110万円前後に下がる。物件の最も多い青葉台は1年前に相場を上げた後、再び下げた格好。それに次ぐ宮前平、鷺沼は物件の築年数に連動した形で、横ばい傾向で推移している。