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相続税と所得税の統合について
日本公認会計士協会の「租税調査会研究報告第13号 相続・贈与に係る税制について」の24ページで 「この考え方については、取得価額より時価の低い資産を相続すると、巨額であっても税負担が生じないという欠点がある」 と書かれていますが、これはどういうことなのでしょうか?誰か解説してくださる方がいましたらよろしくお願いします。
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「この考え方」というのは、「相続税と所得税を統合しようという考え方」の意味だと理解してよろしいでしょうか。 専門外ですので、推測ですが 例えば、わかりやすい譲渡所得税で言えば「利益=譲渡価格-取得価格」です。 (実際はそうではありませんが建前としては)所得税は利益にかかるものであり、利益がマイナスなら所得税はかかりません。 双方を統合すると、相続のケースでもこれ(所得税方式)が適用されることになります。 なぜなら、・・・ 話が戻りますが、相続税は「取得価格は無視」して、「移動した物の現在の価格」に対して課税されます。 つまり、10億円の財産を相続した人は、その財産を取得するのに何十億かかっていようと、10億円(親から子へ移動した価値)分の相続税、数億円を払うことになります。 双方統合して、所得税にもこの仕組み(相続税方式)を適用すると、常に絶対的に、儲かろうと損しようと、所得税はかかってしまいます。 「取得価格は無視」して、「移動した物の現在の価格」に対して課税しますからね。 100万円で仕入れたものを60万円で売ると、60万円に対して所得税がかかる。40万円損しているのに。 120万円で売ると、120万円移動したのだから、120万円に対して所得税がかかってしまいます。20万円しか儲かっていないのに。 働けば働くほど財産が減るので、これをやったら誰も働かなくなります。 ゆえに、双方を統合した場合は、必ず「取得価格を計算に入れる」「利益に課税する」方式、つまり所得税方式が相続に適用されることになります。 いまの制度なら、例えば10億円の土地相続した人は、被相続人がその土地を得るために20億円支払っていても、数億円の相続税を盗られることになります。 ところが、両者を統合して、取得価格を考慮する制度にすると、それは損している状態なので課税できません。 数億円の税収が亡くなります。 もう一つ。不動の価値観が関係しています。 国家・官僚にとって、税金を盗ることは善であり、税金を盗れないことは悪。税金をたくさん盗れることは美点であり、税金が盗れないのは欠点なのです。 この価値観に立って、前述のような、税収が大幅に減る統合論を見たらどうでしょう。 統合論には、重大なかつ根源的な「欠点がある」ことになるのです。
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- at9_am
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相続税は専門外ですが。 一応、元々の文は↓だと思います。 http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/pdf/00235-000474.pdf 相続税は、大きく2種類の立場から考えられています。一つは被相続人(死亡した人)、もう一つは相続人(貰った人)です。現行制度では両方を折衷したような制度となっています。 また、相続税の性格を、富裕税と見るか、不労所得に対する所得税とするか、という点も、論点となっています。 遺産を相続人の不労所得とみて所得税と整合性のある税体系とする場合に、評価損が発生する場合には、既に回答があるように、相続額が巨額でも所得がゼロ、つまり税負担がゼロということになります。 この場合には、富裕税としての性格は失われ、不労所得に対する所得税としての性格が強くなります。 したがって、p20で相続税の役割として期待されている機能のうち、特にb.富の再分配を図る、c.被相続人の生前所得について清算課税を行う、という二つについてはその機能を減じるという点が欠点になります。
お礼
お礼が遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。 自分の必要としていることとは少し違っていましたが参考になりました。 ありがとうございました。