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清代の翰林院について
- 清代の翰林院は、皇帝の詔勅の起草や書物の編纂などの業務を担当していました。
- 翰林院には、従二品の掌院学士から未入流の漢孔目まで、様々な官職が存在し、それぞれの役割には違いがありました。
- 役職ごとに責任と権限のレベルが異なり、位階の高い者ほど高い地位と権力を持ち、重要な業務に携わることができました。
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例えば、近代デジタルライブラリーの検索によれば、 年代物の僅かばかりの情報に過ぎませんが、 下記のような内容の記述がある書籍に出会します。 何れも年代物で内容に若干差異があったりもしますので、 どの程度参考になるかは分かりませんが、未読ならば一度目を通してみて下さい、 でも既読ならば笑って許して下さい^^ ・『監察制度考察/満洲国監察院編/監察院/康徳2』 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1278893/41 <41~42/91>(58~61頁)「上編 清朝の諸制度 翰林院」 始め「文館」を設けて政務を統べ、天聡10年これを「内三院」と改称、 内部を「内国史院、内秘書院、内弘文院」に分けたが、 順治2年上記三院に「翰林院」を附設したのを以て始まる。 即ち、史院に属せるを「内翰林国史院」、書院に属するを「内翰林秘書院」、 文院に属するを「内翰林弘文院」と称した。 その後順治15年内三院を「内閣」と改称、順治18年更に内閣を 「内国史院、内秘書院、内弘文書院」と改称、翰林院は廃止された。 その後康煕9年に至り三院を更に旧称の「内閣」に改称するに及んで、 「翰林院」は別に独立新設、翰林院は次の事を掌る。 国史の編修 経書の進講 式文の撰定 〇掌院学士(院長)兼理部侍郎 満漢人各一名 従二品 ・侍読学士 満漢人各三名 従四品 ・侍講学士 満漢人各三名 従四品 ・侍読 満漢人各三名 従五品 ・侍講 満漢人各三名 従五品 上記4つは、直隷省の官吏試験、提督学政、磨勘及郷試会試等に参与す ・修撰 定員なし 従六品 ・編修 定員なし 従七品 ・検討 定員なし 従七品 上記3つは、徴号、冊立冊封等の式文、文武官に賜る碑文祭典文の作製及び各試験に参与 ・庶常館教習大臣 満漢人各一名 庶常館の教授を分担す ・小学習翰林官 六人 ・庶吉士 定員なし ・典籍庁典籍 満漢人各一名 従八品 文書収発 ・孔目 満漢人各一名 従九品 書籍に関する事項を掌る ・待詔庁待詔 満漢人各一名 従九品 章疎文史を校訂す ・筆帖式 満漢人四十名・漢軍四名 一般の事務処理 庶常館 本館は翰林院に附属、朝考に合格せる者を収容、三ケ年間更に学術を研究するところで、 本館に入館した者には、庶吉士の学位を授与。本館の教授には、本館職員はもちろん 侍読侍講以下学術優秀、品行方正なるもの数名を充てる。 三ケ年の学術研究を了せば、学習大臣より、皇帝に試験の奏請を行う。 皇帝は教館に於いて自ら試験を行う。試験は最初詩を賦せしも後論集に改められる。 皇帝は答案に自ら甲乙を定められ、日を改めて謁見を給い、優秀なる者には直ちに 翰林院の修撰、編修、検討等の職を授けその他は主事、知縣に任命せらる。 なお翰林院には下記の二館を附設。…などなど 他書籍URLは下記のとおり ・『支那政府組織/北支那毎日新聞社編/明治38』 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/988181/25 <25~26/75>(15・16頁) ・『清国行政法:臨時台湾旧慣調査会第一部報告.第壹卷上/大正3-4』 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1874611/154 <154~156/173>(271~274頁) ・『清国通考.第1篇/服部宇之吉著/三省堂/明38.1』 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/767027/30 <30~42/92>(50~75頁) 以上 少しでも疑問解消の糸口に繋がれば幸いです^^
お礼
詳細なご回答の上、大変役立つ情報とサイトについて教えてくださり、ありがとうございます!(^O^) 翰林院に関する日本語の史料はないかと諦めかけていたので、大変役立ちました。(^-^) >始め「文館」を設けて政務を統べ、~ 翰林院の名は様々な組織に使われていたのですね。ネットで調べると混乱するはずです。最終的に独立した翰林院の役割だけでなく、このような成り立ちも知ることができて、ありがたいです。 >〇掌院学士(院長)兼理部侍郎 満漢人各一名 従二品~ 翰林院のそれぞれの役割もこのように書いて下さり、大変役立ちました。ありがとうございます。 >庶常館 付随して庶常館についても詳しい情報、ありがとうございます! 清代の科挙について、庶常館という名前は何度も遭遇したのですが、どのようなことを誰がやっているのかまったく不明でしたので、こうした情報が得られて大変ありがたいです。 庶吉士の道筋についてもこれでわかりやすくなりました、ありがとうございます。 >他書籍URLは下記のとおり この情報がとてもありがたい情報でした。 清代の行政や組織など、ネット(主にウィキペディア)などでは知ることができる情報に限界があるかな、と感じていたので、このようなサイトと書籍をご紹介いただき、本当にありがとうございます!(^O^) どれも未読のものですので、じっくりと読んで、知識にしたいと思います。 dayoneさんのご回答をベストアンサーとさせていただきます。