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芥川龍之介の「白」という作品について
芥川龍之介の「白」という作品について質問があります。 白は友達の黒を見殺しにした結果、黒くなってしまいました。これは何を訴えかけているのでしょうか?単に、裏切ったから罰が当たったというだけではなく、もっと深いのでしょうか? また、この作品についての感想なんかもお願いします。
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すいません、うろ覚えなんですが、 「白」の初出は大正末期の女性誌だったように思います。 つまり晩年(自殺)の頃なので自分の人生に重ねているのでは? と思ったんですが、、、 晩年にはキリスト教(キリシタン文学)にも傾倒していましたし、 罪とあがない、再生などキリスト教の教義がテーマではないでしょうか。
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- ghostbuster
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#1です。 #2さんのおっしゃるとおりです。 初出「女性改造」ですね。 ご指摘どうもありがとうございます。 「女性改造」という雑誌は、中央公論社から『夫人公論』が発刊された時に、それに対抗する形で、改造社から宮本百合子が発刊した雑誌です。 婦人雑誌には、伝統的に子どものしつけの一環として、子ども向けの話が載るという伝統がありました。 たとえばグリム童話の翻訳も、婦人雑誌の連載として普及したという経緯があります。 なぜ『白』がこの雑誌に掲載されたか、詳しい経緯などは私自身不明なのですが、たとえば有島武郎の『燕と王子』などの作品も、同様に「婦人の国」という雑誌が初出です。 当時の児童文学の受け皿として、婦人雑誌があったと考えてまちがいないことから、やはり『白』を児童文学と分類してもよいのではないでしょうか。 ご指摘の、『白』は執筆年も比較的後の時期ですので、キリスト教の教義をふまえたものである、ということには、まったく異論はありません。 それをわかりやすい形で、子ども向けに盛り込んでいったのではないでしょうか。 初出に関して、訂正しておきます。 ご指摘、どうもありがとうございました。
お礼
詳しく教えてくださって、ありがとうございます。 いろいろな視点から何度も読んで、自分なりの解釈ができたらなぁ~と思っています。
- ghostbuster
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質問者さんの解釈でまちがってないと思いますよ。 芥川龍之介は1918年の『蜘蛛の糸』以降、『杜子春』をはじめ、いくつかの童話を『赤い鳥』誌上に発表します。『白』もそうした幼年童話のひとつなので、それほど複雑な思想を盛り込んではいないと思います。 この作品がなんらかの典拠を踏まえたものなのかどうかは私にはわかりませんが、おそらく、“白”が黒くなったのは、イヌ殺しに遭った黒イヌを見捨てた罪のメタファーであったと思います。 黒くなった“白”はこの罪をそそごうとして、自己犠牲的な行動を重ね、最後に気がつかないうちに白に戻っていた、と読めばよいのではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 人生に重ねて・・・そう考えると違った見方もできますね。 もう一度じっくり読み直してみたいと思います。