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エッセイスト・児童文学者の「うちき・むらじ」打木村治
早春の武蔵野の雑木林に現れる、独特の囀りのヒヨドリ。 野鳥の好む赤い実と少年少女の憧れ、そして人の善意と武蔵野の自然を紡いだ短編作家の打木村治(うちき・むらじ)の、心温かいエッセイや小説をご存知でしょうか。 テオドール・シュトルムの私小説を彷彿させる作風の打木村治を私が初めて読んだのが古く昭和24、5年頃、京都在住のときでした。その後、時折りエッセイを目にすることがありましたが、何れも心洗われるものであったと記憶しています。 いま、武蔵野に住み窓外の赤い実を啄むヒヨドリを見て、この作家の作品を探してみようと思い立ちましたが、どうやら図書館などでも殆ど保存されていないようなのです。 開発の下で徐々に消えつつある武蔵野ですが、同様にこうした珠玉の小作品が忘れ去られ朽ちてゆくのはとても残念な気がしてなりません。 この作家や作品について、また出版物などご存知の方、ぜひご教示いだだければと願います。(このような内容の小文を読んだ、などの感想でも結構です)このサイトのデータベースに残しておくことだけでも、意味があるかと思います。宜しくお願いいたします。
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こんにちは。 ↓こちらは都立図書館3館の所蔵が確認できるサイトです。 http://catalog.library.metro.tokyo.jp/ この画面の「著者名」のところに「打木村治」といれて、検索ボタンを押すと、64 件ヒットします。 そのうち、62 件は、「都立多摩図書館」で所蔵されています。 ほとんどのものは「書庫」に入っているようです。 ヒットしたものには翻訳に携わっている作品もあり、打木村治氏自身の著作が含まれているのは、下記のようになると思います。 詳細は検索で確認してみてください。 現実の凝視 / 臼井吉見∥[等]編 / 家の光協会 , 1976 ( 土とふるさとの文学全集 ; 3 ) 黎明 : 農民小説傑作選 / 赤坂書店 , 1947 生きている山脈 ; 上 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1977 ( 偕成社文庫 ) 生きている山脈 ; 下 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1977 ( 偕成社文庫 ) 学びの門 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1978 ( 偕成社の創作文学 ; 6 ) 多感の門 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1978 ( 偕成社の創作文学 ; 7 ) ロマンの門 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1978 ( 偕成社の創作文学 ; 8 ) 知と愛の門 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1978 ( 大地の園 ; 第4部 ) 雲の学校 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1976 ( 偕成社文庫 ) 雲のよび声 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1976 ( 偕成社文庫 ) 雲の祭り / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1976 ( 偕成社文庫 ) 雲の町 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1976 ( 偕成社文庫 ) 雲の階段 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1976 ( 偕成社文庫 ) 雲の恩 / 打木村治∥著 / 偕成社 , 1977 ( 偕成社文庫 ) 花のトンネル : てのひらの文学百選 / 打木村治∥著 / 講談社 , 1977 ( 児童文学創作シリ-ズ ) 学年別童話の国 ; 5年生 / 児童文学者協会∥編 / 実業之日本社 , 1956 おはなしの時間 ; 上級 / 冨田博之∥編 / 国土社 , 1960 雲の学校 / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第1部 ) 雲のよび声 / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第2部 ) 雲の祭り / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第3部 ) 雲の町 / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第4部 ) 雲の階段 / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第5部 ) 雲の恩 / 実業之日本社 , 1972 ( 天の園 ; 第6部 ) 少年文学代表選集 ; 第2集 / 日本文芸家協会∥編 / 光文社 , 1951 少年文学代表選集 ; [第6集] 1959年版 / 日本文芸家協会∥編 / 光文社 , 1958 よみうりどうわ ; 1 / 盛光社 , 1967 よみうりどうわ ; 10 / 盛光社 , 1967 よみうりどうわ ; 2 / 盛光社 , 1967 よみうりどうわ ; 3 / 盛光社 , 1967 よみうりどうわ ; 4 / 盛光社 , 1967 よみうりどうわ ; 8 / 盛光社 , 1967 わたしたちの童話教室 ; 5年生 / 日本児童文学者協会∥編 / 宝文館 , 1958 十六歳 / 打木村治∥著 / 講談社 , 1959 農民文学十人集 / 下村千秋∥[ほか]著 / 中央公論社 , 1939 ふるさと文学館 ; 第12巻 埼玉 / 磯貝勝太郎∥責任編集 / ぎょうせい , 1995.5 少年少女世界の文学 : カラ-名作 ; 第12巻 フランス編 1 / 小学館 , 1970.3 日本統治期台湾文学文芸評論集 ; 第4巻 1941年・6月~1943年・3月 / 中島利郎∥編 / 緑蔭書房 , 2001.4 日本植民地文学精選集 ; 024満洲編10 ; 光をつくる人々 / ゆまに書房 , 2001.9 【都立多摩図書館】 http://www.library.metro.tokyo.jp/14/index.html 都立多摩図書館は、児童文学書収集に力を入れている図書館で、立川にあります。 残念ながら個人への貸出は行っていないそうですが、書庫から出してもらって閲覧するのは、どなたでも可能です。 武蔵野にお住まいとのことですが、立川まで本の探検にお出かけになってはいかがでしょうか?
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- nekohiroshi
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打木は埼玉県の文学者です。 さいたま文学館(桶川市)に行けば打木の本は豊富にあります。ここは隠れた名文学館ですよ。 また簡単に知りたければ、「埼玉現代文学事典」(埼玉県高等学校国語科教育研究会)などを調べると載っています。「さいたま文学案内」(さきたま出版会)にも載っていたと思います。マイナーな作家ではありますが、こういう作家の文章をじっくりと読んでいるあなたに敬意を表します。
お礼
nekohirosui 様 大変貴重な情報をご回答頂き、ありがとうございます。またお褒めいただき恐縮しております。 私が打木の作品に初めて接したのは終戦から数年経ったころです。その後数十年、長年憧れていた武蔵野の入間に居を移して2,3年目でしたか、偶然、飯能市にご在住と知り、お電話するとご夫人が応対して下さいました。 私がもう長年、打木村治のファンであること、ご健勝でいらっしゃるか、問うたところ、 「残念ですが昨年(1990)、他界いたしました。もうすこしお電話が早ければよかったんですが」 そして郷土の、武蔵野の佇まいを謳いあげた大切なエッセイなどを何処かの市や県などで保存する動きはないのでしょうか、とお尋ねすると、 「そのようなお話しはございませんようで」と、若干気落ちされたトーンのお答えが印象的でした。 「ヒヨドリを見ると、打木さんの作品を思い起します。先生はヒヨドリが、イイヨ、イイヨ、オヤア、と鳴くと何度か書いておられましたよね」 「ヒヨドリはほんとうに、そう聞こえるんですよね」と、ご夫人。 それからもう10年以上経ち、先日もう一度お電話差し上げましたが、もう通じませんでした。 作家の放ったメッセージが時間・空間を超えて受取るものに共感を与えてゆく。受取った者の心に奥深く沈んだシンパシーは熟成され、糧となって日々に彩りを添える:文芸への愛(いと)おしさを覚える瞬間ですね。 人という生き物の善意をこよなきものと思う、多くの人の胸に、打木のメッセージはこれからも発酵を続けることでしょう。 nekohirosui 様も、独自の境地と雰囲気をお持ちのように感じました。きっとご自分のメッセージを発信されていることでしょう。 今後とも是非宜しくご指導くださいますように。 ごきげんよう
- gazeru
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こんにちは。丁寧なお礼をありがとうございます。 追加の情報がありましたので、お知らせいたします。 都立多摩図書館でもかなりの本を所蔵しているようですが、念のため「国立」の図書館でも確認したところ、多摩以上の点数がヒットいたしました。 いずれも都内にある図書館ではありますが、閉架方式ですので、まずは多摩で探された上で、さらなる探求を希望される場合、ご利用になられるとよいと思います。 ◆国際子ども図書館児童書検索 http://kodomo3.kodomo.go.jp/web/ippan/cgi-bin/fKJN.pl?act=KW 「打木村治」で著者名検索を利用すると、111件ヒットします。 ◆国立国会図書館蔵書検索 http://opac.ndl.go.jp/index.html 「蔵書検索・申込システム」画面から「一般資料の検索(拡張)/申込み」へ。 「打木村治」で著者名検索を利用すると、73件ヒットします。 たとえば↓のような本は、多摩にはなかったと思います。 温き歴史 / 打木村治. -- 昭和書房, 昭15 それから、↓は、本の検索のコツについて説明しているサイトです。 ネットでの蔵書検索利用の参考になると思いますので。 「本の探検倶楽部」 http://homepage1.nifty.com/gekka/kagi.html 便利なサイト&参考図書情報 http://homepage1.nifty.com/gekka/joho.html >新しい発見のご報告など出来ればよいのですが、このサイトではご連絡のすべがないので残念ですね。 わたしも、ご紹介した図書館での成果が気になります。 しばらく、ここを閉めずに、「補足」で教えていただければ、私自身の勉強にもなるのですが・・・。
お礼
gazeru 様 再度のご回答、恐縮です。 詳しい情報に感謝いたします。 私はコチコチの技術屋で一生の大部分を過ごして来ましたもので、文芸作品の検索は未経験でした。ネットでの蔵書検索利用につきお手解き頂き、おかげで大変参考になりました。有難うございます。 今も現役の企業人でして、文芸クルージングできる時間は限られますが、焦らずライフワークとして着実に探し、見付けて紐解いて行きたいと思います。 ところで、gazeru様の博識と文芸へのヴィヴィッドな情熱を垣間見るに、こんなことを考えました。 例えば今回の打木村治についても、ご教示頂いたように幾つか複数の図書館や研究室などに作品が逸散して存在するのが一般的のようです。よってこれら各機関毎に、キーワード(打木村治)検索することになります。 そこでクロス的に、これらを横断的に集大成したリストがあればその意義は大きいと思います。個人の蔵書のリストも(本人の申告で)加えることが出来ればさらに良いでしょう。そのリストで、作家の作品のありかが全て把握できる。研究者にとっても、こよなきガイド・データベースとなりましょう。かようなデータベースは存在してなかったと思います。 そこで、gazeru様がこのようなサイト(Webページ)を造りHP運営されるのは如何でしょうか。 最新の状況を常時更新でき、個人や誰でも会員なら、閲覧時などで知り得た情報を提供できる、オープンなサイトです。当初はごく少数の作家から始め、徐々に時間をかけて規模的にも充実させてゆく。貴重なデータベースになると思われます。 博識であられ、且つ文芸に造詣が深く、お若く、しかも真摯な対応をなさる gazeru様は、上記にまさに適任と信じます。 ユニークな、それ自体が恒久保存に該当する、有益なサイトになります。是非ご検討くださいますように。 有難うございました。ごきげんよう。
お礼
司書の主とでも言うべき gazeru 様にご回答頂き喜んでおります。詳細な情報をありがとうございました。 打木村治が農民文学、植民地文学、土着史などの分野でも仕事をしていた骨太の作家であることを、お蔭で初めて知ることができました。 ご回答のあったリストは貴重な資料として保存されるべきものと考えます。何方か、何時か、卒論のテーマなどにこの作家をとりあげてくれる時に、このデータベースに記録されたこのリストがきっと役立つものと信じます。 またお教え頂きました多摩図書館を、近いうちに訪れることにいたします。新しい発見のご報告など出来ればよいのですが、このサイトではご連絡のすべがないので残念ですね。 今回は貴重なお時間を割いてお手助け戴きまして本当に有難う御座いました。またそのお手間に深謝いたしますと共に、今後とも是非宜しくご指導いただきたいと願って止みません。 では、ごきげんよう。