身体障害者手帳の聴覚障害6級には、以下の2パターンがあります。
どちらだったでしょうか?
(1)両方の耳とも70dB以上
(2)片方の耳が90dB以上、かつ、もう片方の耳が50dB以上
このとき、両方の耳とも最良語音明瞭度が50%以下ならば、特に上記(1)の場合には、6級ではなく4級になり得ます。
一方、6級でも上記(2)のときには左右で聴力に差があるため、語音明瞭度にも差があることが多くなります。
この場合には、両方の耳とも50%以下、という条件を満たしにくくなるため、4級はむずかしくなります。
つまり、ただ単に6級と言っても、語音明瞭度検査を加えることによって4級になり得る可能性が拡がる場合と、そうでない場合とがあります。
このようなことを踏まえて、語音明瞭度検査の必要性を考えてみると良いでしょう。
聴力レベル(dB)が両方の耳とも70dB未満のときは、語音明瞭度検査は必須と思っていただいて結構です。
なぜならば、両耳とも70dBにならないと6級には認定されず、また、両耳とも80dBにならないと4級に認定されないためです。
しかし、そのような状態であっても、語音明瞭度検査で両耳とも50%以下であれば、4級になり得るという決まりがあります。
ですから、70dB未満のときは語音明瞭度検査の結果がきわめて重要になってくる、と言えます。
そのため、手帳用診断書様式には、語音明瞭度検査の結果を書かせる欄があります。
たとえ欄がない場合でも、別途、きちんと記入しなければならないことになっています。
言い替えれば、語音明瞭度検査は欠かせないわけです。
したがって、こちらからお願いしてやっていただくべきだったかと思います。
ただ、dB値だけである級を満たしてしまうようなとき、例えば、上記(1)や(2)のときは、必要なデータがとりあえず用意できてしまうので、語音明瞭度検査はまず行なわれない傾向があります。
それ以上に、オージオグラム(純音聴力検査によるdB値)のほうが優先される、という決まりがありますから、現実問題として、まずは6級とされたこと自体は誤りではありません。
その他、詐病といって、聴き違えたふりをして不正に4級を得ようとする例があとを断ちません。
そのため、オージオグラム(聴力のグラフ)と照らし合わせ、また、伝音性難聴か感音性難聴かなどといったこともきちんと踏まえた上で、矛盾無しに「言葉の聴き取り能力が悪い」とされたときに、そこで初めて4級になり得ます(「50%以下」という数値だけで直ちに認定する、ということはありません。)。
以上のようなことを踏まえて、1度、福祉事務所(市区町村の障害福祉担当課)にお問い合わせ下さい。
その上で、語音明瞭度検査によって4級になり得る可能性があるならば検査を行ない、身体障害者手帳の等級に対する不服の申立という形で4級にしてもらう、ということもできますし、あるいは、等級改定手続きとしてより上位の級にあげてもらうこともできます。
このあたりは、福祉事務所の指示にしたがって下さい。
個人的には、可能性があるならば、黙ったままにしておかずに語音明瞭度検査をきちんと受けるべきだと思います。
お礼
ご丁寧な回答、ありがとうございます。 私の場合、(2)のパターンです。 ただし、右耳が完全に聞こえない状態のため、左耳だけで物音を 聴いている状態です。そのため、人の言葉がはっきりしないことが あるのです。よく聞き返したりします。 やはり、こちらからお願いするべきだったのですね。 一度、役所で相談してみようかと思います。 本当にありがとうございました。