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モーターの回転原理とは?
- モーターの回転原理について、直流モーターを作った経験から疑問が生じました。回転力は回転子の磁極がフィールドの磁極に引かれることによって生じるのか、それともフレミングの左手の法則によって電流が流れることで生じるのか気になっています。
- 長年、回転原理は磁極同士の引き合いによるものだと思っていましたが、最近の書籍では電磁力の説明が主流となっています。電磁力の説明では、磁極にコイルを巻くことで生じる電流の流れが重要な要素であるとされています。
- しかし、私は磁極数を増やすことで電流の方向を変えることができると考えていますが、モーターの回転子は磁石ではないため、この考え方は成り立たないのかもしれません。そこで、モーターの回転力がどのように生じるのかについて知りたいと思っています。
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#2です。 まずは、大まかな考え方だけ。(すべての場合を説明できるような数式での変形はかなり大変です。通常のモータを簡略化したモデル(界磁磁束が均一に正弦波分布して、電機子電流も正弦波分布しているとする)なら、比較的楽ですが、それでもそれなりの量(A4半ページ程度?)にはなりますので。) 通常のモータのトルクの発生は、磁気エネルギー(+電源からの供給エネルギー)が回転子が微小角度だけ変化した時の変化として計算できます。(仮想変位の原理による。) (磁石のSNの吸引反発の力も、同じく磁気エネルギーの変化として計算できます。 その点で、「モータの回転トルクの発生は、磁極の吸引反発と同じ原理、といえます。) ある部分の磁気エネルギーΔUは、磁束密度B,磁界の強さH、その部分の体積Δvを使って、ΔU=BH/2Δvとして表すことができ(この時点でのB,Hは共に外部磁界による成分と電流による成分の両方を含むことに注意)て、(途中の計算は省略しますが)回転子の角度が変化した時のトルクΔτ=dΔU/dθ=BfHasinθΔv の形になります。(Bfは外部磁界、Haが電流による磁界、θは外部磁界と電流が作る磁界の角度(コイルの角度)。) (正確には、もう一つ電流が変化するのを防ぐために電源からのエネルギーが流入するので、その分を計算に入れる必要がある(でないと大きさは同じだけど式の符号が逆になる)のですが、その部分は割愛)。 これを空隙の体積で寄せ集めれば全体のトルクが計算できます。Bfが一定として、空隙を厚さd、幅x、奥行きl(=導体の長さ)とすると、Ha*空隙のギャップ=電流(正確には、Haの経路で囲まれる部分の電流)から、トルクτ=Ilxsinθと電流Iに作用する電磁力として計算した式と一致するようになります。 (正確に計算すると、計算の途中で2やπといった係数がくっついたり外れたりするのですが、そこは省略しています。) 実際のモータの設計では、BとHからトルクを計算するというのは大変なので、電流に作用する電磁力として計算しても結果は同じになる、というのを使って電機子電流と界磁磁束を使った設計方法を採用しています。(ただし、モータ内部の解析ではきちんと各部の磁束を数値計算で求めたりしてます。) なお、一部特殊なモータ(単極機)では上で使った仮想変位での計算が適用できないばあいがあります。 なら、最初から電流に作用する力ですべて計算すればいいじゃないか、という話になりがちですが、#2や#3さん回答にもあるように、通常のモータだと電線周辺の磁束密度が小さく、電流に作用する力は小さい(モータの分解調査でもこの点は確認されている)という事実と矛盾するという難があるのと、モータにはリラクタンストルク(磁性体が磁極に吸引される力)も同時に作用していて、電流に作用する力だとこれを計算に組み込めない(磁気エネルギーを使った計算だと計算できる)というのがあります。
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- foobar
- ベストアンサー率44% (1423/3185)
#5に関して何点か補足。 #5で紹介した計算方法は、回転子全体でのトルクは計算できますが、どの部分がトルクを発生しているか、という計算ではありません。 どの部分がトルクを発生しているかは、それぞれの部分について(たとえば仮想変位などを使って)作用する力を計算し、その中からトルクに寄与している部分を抽出する、という操作が必要かと思います。 (部分部分の力を計算した場合、トルク以外の成分(たとえば回転子を圧縮あるいは拡張するような力)も含めて算出されますので。) 磁界の分布とトルクが磁気エネルギーに由来することから、通常の鉄心入りの電動機だと、鉄心の表面が担っているという解になりそうに思います。 電機子が空心の場合、電流のところで磁界の界面が発生しますので、電流のあるところ(導線)が担っているという計算結果になるかと思います。(したがって、空心の場合には電流による電磁力として考えるのも、磁気エネルギーの変化として扱うのも同じものを違った見方で計算していると言えます。)
お礼
再度のご回答ありがとうございます。 ご多忙中お教えいただきありがとうございました。あらためて勉強いたします。
- tetsumyi
- ベストアンサー率25% (1948/7539)
実際にモータを設計するとなると、回転子の磁極がN極になった時フィールドのS極に引かれるでは計算できません。 フレミングの左手の法則を利用して計算することになりますが、モータでは磁気回路を作って磁場の中で巻いた形のコイルが力を発生することになりますからコイルを通過する磁束から力を計算することになります。 私としては現場で直面することですが、電気屋、電気工事士と称する人が、あまりにも知識が無いことに驚かされることが多々ありました。 電気工事の後で見てみると屋内配線のアース側を全く考慮しないで接続していてコンセントのアース側がアースになっていなかったりして、コンセントの片側の差込口が長くなっている理由も知らないのではないかと恐ろしくなります。 そうして、少し難しい質問をした時も全く答えることができませんでした。 私も色々な現場で働いてきましたが、他の多くの国家試験もありますが、資格に受かれば仕事ができると言う感覚で全く知識が身についていないことがあまりにも多いようです。 この程度の知識が無い人が電気で飯を食う仕事で無事定年を迎えられたのは、運が良かったとしか思えません。 福島原発事故は同様に基本的な知識が無い人が集まって働いているのですから、当然のように起きた人災だと考えています。
お礼
ご回答いただいたことにはお礼いたします。ただ、私の無能力さや原発事故対応に必死で作業されている人まで触れていただくことは無いです。 >福島原発事故は同様に基本的な知識が無い人が集まって働いているのですから、当然のように起きた人災だと考えています。 貴殿がどのような方が存じたくもありませんが先に書いたように必死で作業している方に失礼だと思います。
- FT56F001
- ベストアンサー率59% (355/599)
「スロットのパラドックス」と言われる,モータのパラドックスがあります。 細かく見ると,電機子鉄心にできたN極と界磁のS極が引き合って回ります。 電機子鉄心の中で,磁束は歯部(ティース)に流れ, 巻線を埋め込んだスロット(溝)の中には磁束はほとんど通りません。 電機子巻線は磁界の中にないのに,電磁力が生じるのでしょうか? 巻線を囲む絶縁物にかかる力などを調べると, 巻線には力がかかっておらず, モータの回転トルクは鉄心で発生していることが分かります。 ところが,電機子巻線に電磁力がかかると思って, フレミングの左手則で計算すると, 正しいトルクが計算できます。 これは何故か? という疑問です。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 >巻線を埋め込んだスロット(溝)の中には磁束はほとんど通りません。電機子巻線は磁界の中にないのに,電磁力が生じるのでしょうか?・・・モータの回転トルクは鉄心で発生していることが分かります。 ご説明私にも解ります。
- foobar
- ベストアンサー率44% (1423/3185)
一般的には1です。 (巻線をスロットに収めたタイプなんかだと、電線周辺の磁界はかなり弱いです。) 数式上では、1で作用する力は、式を変形してゆくと磁界中の電流に作用する力と同じ大きさになります。 これから、2の説明が多くされているように感じます。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 >数式上では、1で作用する力は、式を変形してゆくと磁界中の電流に作用する力と同じ大きさになります。 お差支えなければ数式をお教えいただけばありがたいのですが、いかがでしょう。
- ikuchan250
- ベストアンサー率24% (1063/4275)
モーターの回転原理でググルと ・http://www.geocities.jp/kin79e/ipm.html ・http://micro.citizen.co.jp/01products/gm/tec/kaitengenri.html ・http://www.mabuchi-motor.co.jp/ja_JP/technic/t_0102.html (音声解説あり) などとでます
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 紹介いただいたサイトも見ました。両方ともあるんですね。 フレミングの電磁力の説明図では回転子の鉄芯が書かれていませんが私が本で見た図と同じです。 電磁力で回るとする図に回転子の鉄心が省略されているのも不思議です。 マブチモーターのサイトは解り易く納得できます。
お礼
再度のご回答ありがとうございます。 ご多忙中お教えいただきありがとうございました。あらためて勉強いたします。