●ちと不親切な回答をしちゃったかなと反省こいています。
まず、
「∂f/∂x=-(f^2)/m
であるとき、∂f/∂xはmに反比例するか」
と聞かれたら、「m≠0であるとき、fを(0でない値に)固定したとすればYES。」が答です。
だけども、注意すべきことがある。
f=m/x
という制約条件を考慮しますと、「fを(0でない値に)固定する(たとえばf=cに決める)」というのは、同時に「c=m/xを満たすxだけについてだけ話をする」という意味でもあります。ここんとこをもう少し説明しましょう。
分かりやすくするために∂f/∂xのことをf'(x,m)と書くことにします。
「m≠0であるとき、fを(0でない値に)固定したとすればf'(x,m)はmに反比例する」というのは
「S={<x,m> | m≠0 ∧ f=m/x ∧ f=c ∧ c≠0}
という集合を定義したとき、
ある定数Kが存在して、任意の<x,m>∈S についてf'(x,m)=K/mが成り立つ」
という意味です。
ご質問の場合、Kが
K=-(c^2)
であることは言うまでもありません。
Sを具体的に書くと、
S = {<1/c,1>,<-1/c,-1>,<2/c,2>,<-2/c,-2>,...}
であり、その任意の要素<x,m>について、
f'(x,m)=-(c^2)/m
は確かに成り立つ訳ですから、「m≠0であるとき、fを(0でない値に)固定したとすればf'(x,m)はmに反比例する」という命題は正しいんです。
●しかし、#6の補足にあるような問題を扱っていたのだとしますと、上記の考察はまるでピントはずれですね。Sに含まれる<x,m>では、xがとびとびの値しか許されないのですから。
●で、
> f=m/xの式は、xはアナログの計測データがデジタル変換されたもので変換に伴う
> 誤差を有しています。そのxで整数を除算した結果がfで、論争は、fの誤差はm
> によって変わるか変わらないかなんです。
> 相対誤差ならmによらない。
> 誤差の絶対量ならmに正比例。
> ですよね。
なるほど、そういうお話でしたか。つまり「fの相対誤差」を問題にしていて、「fの相対誤差はmに反比例する」という命題もどきの「照明」だったんですね。(これはナニを固定したのかはっきり言ってないから命題モドキなんです。)ご質問だけですと、何を証明した(つもりな)のか分からないので、ファラシイ(誤った証明)にすらなっていない、と申し上げました。
●ついでにコメントしておきますと、微分を使って誤差を評価するのは、必ずしも適切とは言えません。
xの真値をx0、xの誤差を表す確率変数をεと書くことにしましょう。
x=x0+ε
また、fの真値をf0、fの誤差を表す確率変数をδと書くことにしましょう。
f=f0+δ
だから、
f0=m/x0
f0+δ=m/(x0+ε)
です。
たとえば、|x0|が|ε|よりかなり大きいのであれば、
1/(x0+ε)
= (1/x0)(1/(1+ε/x0))
= (1/x0)(1-ε/x0)/(1-(ε/x0)^2)
ここで|ε/x0|<<1ですんで、(1-(ε/x0)^2)≒1として
≒(1/x0)(1-ε/x0)
= (x0-ε)/(x0^2)
ですから、
f0+δ≒m(x0-ε)/(x0^2)=m/x0-mε/(x0^2)
つまり
δ≒ -mε/(x0^2) = -mε/((x-ε)^2 )
です。
この計算の代わりに、|ε|がうんと小さいとき
δ≒(df/dx)ε
と書けることを利用して微分で近似をやったのがご質問にある式であり、
df/dx = -m/x^2
より
δ≒ -mε/x^2
となります。|ε|がすんごく小さいとしているので、xとx0の区別は無いわけです。
ですが、このやり方は、「|x|が|ε|よりかなり大きいのであれば」という前提が見えにくくなるんで、機械的に適用するのはアブナッカシイです。
ともあれ、fの誤差は(mとx0を固定すると)εに概ね比例し、(x0とεを固定すると)mに(正確に)比例し、(mとεを固定すると)x0^2に概ね反比例します。
さて、fの相対誤差というのはδ/f0ですから、(もちろんf0=0のときはδ/f0は定義されません。)
δ≒ -mε/x0^2
を用いると、
δ/f0
≒ -mε/(x0^2)/f0
= -x0ε/(x0^2)
= -ε/x0
= -ε/(x-ε)
となる。
fの相対誤差δ/f0は、m=0の場合には(f=f0=δ=0ですんで)定義されない。また、m≠0ならδ/f0は(xを固定すると、|x|が|ε|よりうんと大きいとき、mによらず)εに概ね比例し、(εを固定すると、|x|が|ε|よりうんと大きいとき、mによらず)x0に概ね反比例。
とやるのが良さそうです。
お礼
ありがとうございました。