- ベストアンサー
民法1条1項の公共の福祉について
公共の福祉というのは簡単にいうとどういうことなのでしょうか。 所有権の制限として、周りの人にあまりに迷惑になるようなら それを制限しますよー、くらいの意味にとらえているのですが、 具体的にどこからが「公共の福祉に適合しない」ことになるのですか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
法学部の学生さんですか?。学部で教えていた当時を思い出します。「公共の福祉」、とても難しい概念です。憲法にも基本的人権が制限される場合として公共の福祉が規定されていますが、非常に難解です。日本ではしばしば、制限される私権や基本的人権と比べて、多数のためである、大きいものである、より妥当性がある、より公益的である、というような場合を公共の福祉と捉えているようです。 が、これが日本国憲法の憲法原理と合致しているかというと必ずしもそうはいえないはずです。 なぜなら、制限されるということは犠牲にされることですから、制限される私権や基本的人権もまた尊重されなければならないものであることを考えたら、制限され犠牲にされる私権や基本的人権が正しいものである時、多数の利益のために犠牲にならなければならないということには必ずしもならないはずだからです。 つまり、小さければ我慢しなければならないのか、小さければ負けるのも犠牲になるのも仕方ないのか、大きければ小さいものに犠牲を強いられるのか、大きければ勝つのか、勝って当然なのか、ということを考えなければ私権や基本的人権が正しく理解できないでしょう。 もう少し言い方を変えたら、正しい大と正しい小が衝突した時、大が大きいから勝ち、小が小さいから負けるというのは恐らく日本国憲法の憲法原理とは合致しないはずです。 なぜなら、基本的人権に基礎を置く民主主義は、基本的に個としての個人を最少単位として尊重することによって成立するものだからです。
その他の回答 (2)
- hekiyu
- ベストアンサー率32% (7193/21843)
「私権は公共の福祉に遵う」 ですね。 人は社会を形成しています。 そもそも社会が無ければ法も不要です。 社会で生活している以上、私権を無制限に 認める訳にはいきません。 他の人の私権などと調整しなければなりません。 その為、例えば民法では色々の規定を設けています。 しかし、時代が変化すると、法の想定外の事象が 出てきます。 その場合、法に規定がないから、として自由にしては マズイ場合が生じます。 そういう場合に備えて、こういう規定を置いておくのです。 具体的条文は無いが、一条に違反するから、ダメ、と 説明する訳です。 つまり、そういう法の技術です。 こういうのを一般条項といいます。 これは、治める方にとっては便利ですが、反面、抽象的 過ぎて、何が公共の福祉なのか解らない、という欠点が あります。 その為、こうした一般条項を使うのは、なるべく控える べきだ、最後の最後に使おう、ということになっています。 それはともかく、公共の福祉の具体的な基準は、事件ごとに 判例などを積み重ね、社会通念に遵って判断する、という ことになっています。 私は、法律の先生に、 保守系の政治家が考える常識≒公共の福祉 と教わりました。
お礼
よく分かりました。 これってつまり保守系の政治家を意識した判決を裁判官が 書きたがるということなんでしょうか? なんとなくよく分かるような… ありがとうございました。
- kqueen44
- ベストアンサー率43% (530/1214)
故郷の福祉は簡単に言えば、「みんなの幸せ」です。 具体的には・・・諸説色々あるので割愛します^^;
お礼
回答ありがとうございました!
お礼
法律の先生だったんですか?凄いですね~! なるほど、どちらの主張もそれなりに正しいものだったときに、 日本の判例は多数当事者の方を優先しがちだけども、理論的には 必ずしもそれが妥当と言いきれないということですね。たしかに。 難しい問題なんですね。 ありがとうございました。