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化学電池について
こんにちは、中学3年生です。 学校で、電解質の水溶液に種類の異なる金属を2ついれると電流が取り出せる、と習い、 塩酸に亜鉛板と銅板をいれて実験をしました。 教科書には、Znが、Zn2+になって塩酸に溶け出し、 残った電子は、導線を経て銅板へと流れ出し、塩酸のH+が取り込んで水素分子になる、 また、反応が進むと、亜鉛板は、溶けて小さくなる、とあったのですが、 いくつかの疑問がわきました。 1、金属が溶液に溶けると、必ずイオンになるのですか? 2、イオンは、液体の中でしかならないのですか? 3、単体の物質で、電解質のものってありますか? 4、残った電子は、なぜわざわざ導線のほうに行くのですか? 亜鉛板から直接H+に渡したらダメなんですか? 5、酸性の水溶液に金属を入れると水素が発生しますよね? 銅板も金属なのに、なぜ溶けないんですか? 6、なぜ、塩化亜鉛は、できないんですか? ひとつでもいいので、ご回答よろしくおねがいします。
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- windwald
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1. >亜鉛板は、溶けて小さくなる おそらく教科書や参考書で見かけたのでしょうが、この表現は誤解を与えるため、 教科書や参考書に使うべきではない表現だと考えます。 正しく書くなら「亜鉛板はイオンとなって溶け、小さくなる」です。 亜鉛は水銀にならイオンにならず溶けそうですね。 そう、「亜鉛が塩酸に溶ける」というのも誤謬(一見正しくみえるが誤っている)があり、 「亜鉛が塩酸と反応した結果、(Zn^2+になって)塩酸に溶ける」と言うべきなのです。 ということで、「金属が水溶液に溶ける」という表現を見たときには 「金属がその水溶液と反応し、そのあとにできる物質が水溶液に溶ける」のだ、と 補足を入れて考える必要がありますね。 2.いいえ。食塩(塩化ナトリウム)はナトリウムイオンと塩化物イオンが規則正しく整列してできている固体です。 水に溶かせばそれぞれのイオンがばらばらになっていきます。 (水の中でばらばらになるからこそ、「溶ける」という表現をするのだけれど。) 3.敢えて言うなら塩素Cl2・臭素Br2 塩素や臭素は水に溶けるとき、一部が下式のように電離します。 H2O + X2 → HX + HXO X=ClまたはBr 4.電子はマイナスの電気を持った粒ですね。 亜鉛板上にそのまま固まっているよりも、電気の反発力で散らばったほうが良いですよね。 ということで、亜鉛板上から「電気を通す物質を通っていけるところまで」散らばっていこうとします。 5. >酸性の水溶液に金属を入れると水素が発生しますよね? 高校で習うのですが、実はこの前提が間違いです。 ほとんどの金属はそのような性質を持っていますが、銅・銀・金などは反応しません。 これは、「金属のイオン化傾向」というもので説明されます。 金属のイオン化傾向とは、金属のさびやすさ・陽イオンになりやすさのことで、 金属の種類によってその程度が様々です。 そして金属ではありませんが、水素も同様に考えることができるのです。 金属AとそのイオンA^+と金属BとそのイオンB^+について 金属AをB^+を含む水溶液につけ込んだときに、A + B^+ → A^+ + B と言う反応は起きるが、 金属BをA^+を含む水溶液につけ込んだときに、B + A^+ → B^+ + A と言う反応は起きない とき、AはBよりもイオン化傾向が大きい、と言います。 そして、水素は銅や銀よりもイオン化傾向が大きいので、 銅を酸性の(=水素イオンを含む)水溶液につけ込んでも銅がイオンになって溶け出し、水素が発生するという反応が起きないと考えられます。 #もっともそういう反応が起きないから、「水素は銅よりもイオン化傾向が大きい」といえるのですけど (ただしイオン化傾向は厳密な取り扱いに不向きです) 長く説明しましたが、さびにくい=イオンになりにくい、と覚えて置いてください。 6.できますが何か。 塩酸中での亜鉛板と水素イオンの反応は、Zn + 2H^+ → Zn^2+ + H2 です。 で、この反応式のH^+はどこから出てきたか考えましょう。 そう塩酸(塩化水素)HClが電離して出てきたH^+ですね。 そこで、上記の反応式のH^+を本来のHClに直してあげましょう。 そのためにはCl^-を左右に2個付け足さないといけませんね(数学の式変形と同様) Zn + 2H^+ + 2Cl^- → Zn^2+ + 2Cl^- + H2 そして電離前の物質の化学式に戻せば Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2 となります。 別の説明 亜鉛と塩酸の反応の反応式は Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2 です。 で、塩酸や塩化亜鉛は水溶液中では電離していますから、電離した形に直してあげましょう。 Zn + 2H^+ + 2Cl^- → Zn^2+ + 2Cl^- + H2 こうやってみると、塩化物イオンCl^-は水溶液中にただ存在していただけで何も変化してません。 変化していないものは反応式には書かない、という鉄則から取り除きましょう。 すると、Zn + 2H^+ → Zn^2+ + H2 と言う反応式になりました。
お礼
早速のご回答、ありがとうございました。 詳しい説明で、よく分かりました。 火曜日からのテストに役立ちます。 ありがとうございました。