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有機合成においてアニリンの縮合収率が低い問題と解決策の選択
- 有機合成においてアニリンの縮合収率が低い問題が発生しています。現在の合成条件では収率は50%程度に留まり、精製も困難な状況です。
- この問題に対する解決策として、2つの合成戦略が考えられます。一つはごり押しで縮合剤を振って収率の良いものを無理やり精製する方法です。もう一つはアニリン部位から酸無水物の開環付加反応でさらに鎖を伸ばし、反応性を高める方法です。
- どちらの方法がセオリーに準じているかは明確ではありませんが、ごり押しで縮合剤を使用する方法は一般的な手法です。一方、アニリン部位からの酸無水物の開環付加反応は特殊な手法であり、反応性を高める可能性があります。
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こんばんは、ひどっち と申します。 確かに、アニリンのNの求核性は弱いため、反応性は低いと思われます。 おそらく、EDCやHATUでは反応が進まないと考えられます。ただ、DMT-AAでは、可能性があろうかと思われますが。 縮合剤としまして、反応性の高い、例えば、混合酸無水物法(MM法)のようなものではいけないのでしょうか? 精製の方ですが、DCM/MeOHでは、分離しにくいかと予想されます(あくまで愚生の経験からでございます)。方向族の場合では(ポルフィリンも含みます)、トルエンのような方向族系溶媒が以外と分離しやすいはずです(一例:Toluene/EtOAc/MeOH=2/1/1等です)。ですが、溶解性の問題もございますため(ポルフィリンは以外と溶解しにくかったと記憶しております)、上記溶媒系にて、適度に工夫が必要かもしれません。 ご参考になれば、幸いです。
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こんばんは、 > MA法は目を付けていましたが、まずは縮合剤をふって試行を繰り返していました。 決して間違った方向性ではなかったと思われます。 > ポルフィリンの再結晶は、どんな溶媒をお使いですか? トルエン/アセトニトリルでやったことがありますが、再現性はとれませんでした。 実を申しますと、愚生の場合、シリカゲルカラムにて精製できてしまいました。 なお、ご参考になるかどうかは分かりかねるのですが、C18シリカ充填剤を、従来のシリカゲルカラムのようにつめ、流してやるという方法もございます。 C18シリカの場合、少し値段が高くなりますが、やるだけの価値はあろうかと思われます。知人もこれで、水溶性のものを精製していました(いったん自分で充填してしまえば、再利用可能です。ただし、従来のシリカゲルよりも、幾分充填剤の量がいるようでした)。また、C18 TLC platesもアルドリッチ等で市販されています(扱いかたは、従来のものと同じです。ただ、それが逆層式になり、展開溶媒が異なるという点のみ、違いがあるだけです)。 以下に、TLC platesの紹介をさせてもらっています(なお、愚生は何らアルドリッチとは関係はありませんので、別段、他のメーカーでもよろしいかと思われます)。 また、イオン交換樹脂を用いた場合ですと、これも再利用可能ですし、塩基性のものを除去、もしくは保持したい場合にも用いることが可能です(洗浄が幾分厄介ですが。因みに、これで非天然アミノ酸ペプチドを精製したことがございます)。 C18等の充填剤につきましては、業者さんに詳しく聞いてみればよろしいかと存じます。 どちらにしましても、水を飛ばさなくてはいけないのが、しんどいところですが。 参考:TLC用ガラスプレート:C18シリカ担体 http://www.sigmaaldrich.com/analytical-chromatography/analytical-products.html?TablePage=9657015 参考:陽イオン交換樹脂 IR-120B(もちろん、陰イオン交換樹脂も市販されています) http://www.tech-jam.com/items/kn3315785.phtml ご参考になれば、幸いです。
こんばんは、 > はい、水中で縮合させようとしています。 EDCを使ったときは無水DMFでやってましたが、収率がよくて30%で、シリカゲルカラムで精製しても分かれてるのかどうか見分けにくかったです。 水中での縮合ですと、少し厄介と推察されます。と申しますのも、強力な縮合剤ですと、どうしても、水とも反応してしまうからです。もし、DMFでも可能ということでしたら、おそらく、一番確実なのはMA法(昔からペプチド合成に用いられてきましたが、ラセミ化の問題があり、再結晶可能なオリゴペプチドに使用は限定されているようです)思うのですが。基本原理は酸無水物をつくり、これを反応させるといったものです(参考1)。 愚生が実際経験したのは、ポルフィリンについたカルボン酸のアミド化でしたが、このときは、いったん酸クリライドを作成し(酸には安定でした)、これと(アルキル)アミンとを反応させました(ご質問者様とは逆のパターンでございますが)。収率自体は悪くなかったのですが(70から80%程度)、やはり、副生成物が生じたのは事実でした。 以上から、混合酸無水物法(反応試薬は安価です。参考2)or酸クロライドを反応させるのが確実かと思われます。 一方、精製でございますが、量にもよるのですが、まずシリカゲルカラムにてざっくりと精製。その後、再結晶。もしくは、水溶性ならば、C18カラム等にて精製(シリカゲルカラムにて詰まるようなものを除去できていれば、可能と思われます)。 > DMT-MMなら高収率あわよくば精製いらずで済んだりしますか? もちろん、DMT-MMも優れているとは思われますが、精製不要とは考えにくいと思われます。 残念ながら、後はやってみるしかない、というのが実情かと思われます。 参考1: 「an effective method for acylation of weekly nukleophilic anilines with silyl carboxylates via mixed anhydrides」 Miyashita M., et al. Bull. Chem. Soc. Jpn., Vol.67, pp.210 (1994) 参考2 下記パテントの 製造例1 http://www.j-tokkyo.com/1997/C07C/JP09278731.shtml ご参考になれば、幸いです。
お礼
とても親切にありがとうございます。 参考にさせていただきます。 MA法は目を付けていましたが、まずは縮合剤をふって試行を繰り返していました。 MA法、是非やってみようと思います。 精製はやはり問題ですね。液クロを使わないでどこまでやれるかというのも大事ですから… ポルフィリンはTPPSの一ヶ所がアニリンになったものです。 まずはやってみる。ありがとうございました。
補足
答えてくだされば幸いです。 ポルフィリンの再結晶は、どんな溶媒をお使いですか? トルエン/アセトニトリルでやったことがありますが、再現性はとれませんでした。
- akihiro55555
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私は研究でエステル化の反応をしています。 アルコールはポリエチレングリコールを用いているので 質問者様と同様に精製が不可能です。 さらに縮合剤はカルボン酸が錯体化してしまい、用いることができません。 ポリマー末端のOHなのでアニリン同様に求核性は低く、質問者様と似ているかと思います。 私はカルボン酸を無水物にして反応を行いました。 私の場合は酸触媒存在下、70度で1日放置するだけで転化率85%くらいいきます。 カルボン酸の無水物化が可能なら考えに入れてみてはいかがでしょう。 「アニリンから酸無水物の開環付加で・・・反応性を高める」ことができるなら 目的のカルボン酸を無水物化させればいいと思います。 精製ですが、水に溶けるほど極性の高い化合物をシリカゲルカラムで分離するのは大変ですよね。 ところで、HPLCやポリスチレンゲルカラムのような極性以外で分離する装置はお持ちではないですか? HPLCなら(時間はかかりますが)光学異性体を単離することも可能です。 目的生成物がポルフィリン誘導体ということは固体ですよね。再結晶も有効だと思います。 私は基本的に、分液→再結晶(or 減圧蒸留)→シリカゲルカラム→HPLCで単離します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 液クロは使わずできれば一番いいです。 分取用の極太カラムはありますが、量は精製できないので。 無水物法はぜひ参考にさせていただきます。 ありがとうございます。
こんばんは、 > DMT-MMはそれだけ縮合能力が高いということでしょうか? はい、DCC(EDC)等に比べれば、反応性は高いと思われます。もしかしますと、水中(or アルコール中)で反応させるのでしょうか。 手元にございますならば 、やってみる価値はあろうかと思われます。経験から申しますと、HATUなら可能性はまだあるかもしれませんが、EDCではまず無理だと思われます。 ご参考になれば、幸いです。
補足
はい、水中で縮合させようとしています。 EDCを使ったときは無水DMFでやってましたが、収率がよくて30%で、シリカゲルカラムで精製しても分かれてるのかどうか見分けにくかったです。 DMT-MMなら高収率あわよくば精製いらずで済んだりしますか? アニリンでなければ、100%のアミド化が可能だとは聞いています。
補足
早速のご回答ありがとうございます。 DMT-MMはそれだけ縮合能力が高いということでしょうか? 精製は試してみたいと思います!