半透膜について
ある人から質問を受けました。
たとえば、水と塩化ナトリウムの水溶液を半透膜をはさんで接触させると、浸透圧の説明の場合、半透膜を水は通過できるが、塩化物イオンやナトリウムイオンは通過できないので、水が塩化ナトリウム水溶液のほうに浸透するので圧力が生じ、その圧力が浸透圧であると。
しかし一方、透析の場合はイオンのみが半透膜を通り抜けるので(塩化物イオンやナトリウムイオンは通過できるので)、コロイドが精製できると。
浸透圧の説明では、イオンが半透膜を通過できないことを理由にし、透析では半透膜をイオンが通過できることを理由に説明しています。
この矛盾はどのように説明したらよいのでしょうか?
ひとつは、測定や実験の目的が違うのだから、半透膜そのものの穴の大きさが違う。すなわち、透析の場合、半透膜の穴が大きいのでイオンは通すがコロイドは通さないと説明する。
もうひとつは、半透膜の穴の大きさは同じであるが、透析は長時間にわたる現象であるが、浸透圧は時間に関係のない概念であるので二つは全く異質の概念であると説明する。(実際、U字管で半透膜を挟んで実験をすると、はじめは浸透圧の影響で水から塩化ナトリウム水溶液のほうに水が移動していくが、長時間たつと水の浸透が止まり、塩化ナトリウム管の水面が下がり、元に戻るようですが。
ぜひ、いい説明の仕方を教えて下さい。