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初期仏像の螺髪について
初期仏像の造形に関しての質問です。 初期には、剃髪だったマトゥラー仏やウェーブ状の髪だったガンダーラ仏が、3世紀前後から螺髪になっていきますが、なぜそのように変化したのでしょうか? また、螺髪の表現は、もともとどのような経緯で生まれたのかも知りたいです。 よろしくお願いします。
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noname#140269
回答No.1
螺髪の「螺」は巻貝のことで、仏像によってその数は異なります。知恵の象徴なんですね。それと全てが右巻きになっています。三十二相八十種好は悟りを開いた仏の特徴を現したものであるため仏像では如来像だけに見られる髪型です。 起源は、インドのマトゥラーにあります。マトゥラーでは古来より仏教徒が多く住んでおり、寺院も建設され、クシャーナ朝時代にガンダーラ仏像とは異なる独自の仏像様式も生みました。マトゥラーは古代インド(マウリヤ朝~グプタ朝期)における美術・仏像の町といわれています。同時期に発祥し、ギリシャやペルシャ、インド等の影響を受けたガンダーラ美術とは異なり、「マトゥラー美術」と称されるそれは土着的なインド特有の美術様式を備えています。特にインド中部における仏像製作に関しては中心ともいえる都市でありました。その過程の中でマトゥラー独自の仏像美術が生まれ、螺髪もその時に誕生したものです。剃髪の仏像と「地位」を区別する為に螺髪が生まれたという説もあります。どうも定かではありませんが、今では有力な説になっています。先に書いた通り、日本にも渡来しましたが、日本では国風文化に伴い、如来像にだけ見られる髪型になりましたが、元々はマトゥラー仏像美術の影響です。日本に仏教が広まっていく中、日本でも独自の仏教文化、宗派が生まれています。
お礼
お礼が遅れまして大変申し訳ございませんでした。とても参考になり胸のつっかえがとれたような気持ちです。どうもありがとうございました。