ええっと、人様の回答にけちをつけると削除対象になるのですが、八紘一宇とか大東亜共栄圏とかはそれらの地域が手に入ったか手に入れようと考えた段階のときにそれらの地域を支配するための大義名分のために利用されたようなものです。
でもそれはなにも当時の大日本帝国が悪いのではなくて、例えば現代でもアメリカは「アメリカ的な自由で民主的な社会を世界に広めるため」という名目で他人の国に干渉したり出兵したりしていますね。でも、実際の目的は石油などの資源だったり何らかの政治的な意図だったりします。今も昔も、どの国もそれは変わりません。
では、なぜいちいちそんなことをしたのかということなんですが、その地域が発展するためにはインフラの整備が必須です。
例えば今のアフリカ南部諸国に巨大な生産工場を作ろうと思ってもそれは無理ですね。まず、安定した電気を供給する発電所がない。工場はどんな工場でも膨大な水を必要とするので、水道整備も必要です。資材を運ぶ大型トラックが通れる舗装された道路だって必要です。
そして何より重要なのが、そこで働く人たち。「文字も読めない、小学校も出ていない」ではものすごい単純な労働しかできません。機械を扱う職場なら、せめて工業高校出身くらいの学力がないと務まりません。
日本人の偉いところは、「まず初等教育ありき」ということをみんな知っていることです。何をやるにしても初等教育、いわゆる読み書きそろばん程度の学力を基礎として持っているのと持っていないではその先の伸びしろが全然違うというのをよく知っているのです。
白人のえげつないところは、口では色々と綺麗事をいいますが、本音は植民地としてきた地域の人々を単純労働つまり奴隷として使って搾取することしか考えていないところです。だからイギリスなんかは現地人の小学校なんか作らないし教育もほどこさない。ただ英語を勉強してきた奴を抜擢するという方法を使っていました。よくいえば自主性を重んじる。実際は、その多くをあえて貧しいままにしておくのです。
これは現代でも基本的に同じで、欧州の人々はアフリカに対して日本よりはるかに関心が高くかつての「ウィ・アー・ザ・ワールド」みたいに支援もしますが、教育はしない。
教育ってとても重要なのです。なぜなら、「知識を得て、それを元にして自分の頭で考えて行動しさらに知識を得る。そしてそのことを下の世代や他の人に教える」という循環をすることができるからです。だから、最貧国のほとんどでは識字率や初等教育の普及率が極めて低い。初等教育が行き渡れば、ある一定の割合で高等教育を受けたい、また受けられるレベルの学生が出てきますからそれらの人々を大学などで学ばせることによって教育レベルも上がり、医師や技術者の数も増えるのです。
発電所を作るには設計技術者が必要ですし、完成したらそれを動かすにも技術者が必要。建設するにしてもブルドーザーやショベルカーを動かす人が文字が読めるか読めないかじゃ大違いですよね。また農業だって教育を受けていれば「どうやったら生産量が増やせるか」なんてのを考えることができますよね。本でそういう知識をつけることもできます。
また軍人を育てるにも文字が読めるかどうかで大違いです。文字が読めるなら命令書を出して「これやっとけ」だけで済むからです。
江戸時代から寺子屋などで教育普及率が高かった日本では、まあなんというか「初等教育当たり前だろ」みたいな風潮があったので、「どこかを支配したらそこに学校を作るのは当たり前」というところはあったんじゃないかと思います。だから、元々あまり文明レベルが高くなくて長期間日本が植民地にしていたところではこの教育を施したということに大変感謝されているところが多いです。
教育というのは、単純な知識だけじゃなくて人間形成というのに大きく影響します。国がものすごく貧乏なのに国としての体制がゆらいでない国がありまして、それが北朝鮮とキューバです。両国とも非常に識字率が高いことで知られています。みんなちゃんと学校出ているんですね。社会の秩序が失われていないのです。いいとか悪いとかありますけどね。
40年くらい前、東南アジアの国々とアフリカ諸国は同じくらい貧乏でしたが、今アジアの国々の多くが豊かになりつつある一方、アフリカ諸国は相変わらず貧乏のままだったりします。単純に論ずることはできませんが、タイにしてもインドネシアにしてもベトナムにしても、教育が普及していることを見逃してはいけないと思います。
かつてアフリカでものすごい虐殺が起きていたルワンダは、今奇跡的ともいえる復興をしているそうです。その原動力となっているのが、内戦からヨーロッパなどに逃れた人たちです。彼らはヨーロッパで教育を受けて、今その知識を国の復興に役立てているそうです。これからは、それをどれだけ国民に普及させることができるかどうかでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 つまり、白人社会の植民地支配=奴隷的支配 から逃れる為には戦争に勝てる力が必要で、 戦争には工業力が必要。 でも日本だけではとても白人社会には勝てないから アジアを発展させて日本近辺も工業的に発展させる。 その為には教育が必要な状態だった。 という事でしょうか。 結局。奪い合いと殺し合いの大陸文化と、 比較的平和だった島国文化の差なんでしょうか。 しかしやはり合理的な利益を考えると、 パラオで民間人死傷者ゼロでほぼ全滅した日本兵や インドネシア独立の為に死んでいった元日本兵の 行動全てに納得が行く答えではないような そんな気がしてしまいます。 全員が死ぬ程の極限状態になっても 軍などの組織が一定の目的意識を持って動いている という根底には、何かもう少し別の理由が有るような そんな気がしてしまいます。 大義名分を軍人それぞれが強く意識した 結果なのでしょうか。 色々なお話をして頂き勉強になりました。 ご回答、ありがとうございました。 少し別のものもみえて来た気がします。