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Langmuir吸着等温式、固-液界面での導出

Langmuir吸着等温式についての質問です。 気固接触反応下におけるLangmuir式の導出は、WEBサイトや書籍に掲載されていたのですが、 液固接触反応下での導出を、図書館の書籍や学術論文を探しても見つけることができませんでした。 どなたが導出や、導出が詳しく載っている書籍やサイト名をご存じでしたら教えていただけませんか・・・? もし、調査不足だとしたら申し訳ありません。 私が調べた気固反応での導出は、吸着剤表面への吸着質の衝突頻度を気体の分子運動論によって与え、それを用いて速度論的な導出をしていました。 液固反応では気体の分子運動論を適用できないので、別の導出になると思います。 おそらく、自分で界面の吸着現象を把握して式を立て導出することだと思いますが、まだ勉強が足らずわかりません。 また、私は4月から研究室に配属され、吸着現象が主な研究のテーマに決定したのですが、周りに吸着に詳しい人がおらず、困っています。 吸着現象や速度論をこれから勉強していくのに、お勧めの書籍があればどうか教えていただけませんか?? 未熟な内容の質問になり申し訳ありません。どうかよろしくお願いします。

みんなの回答

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.3

No.2です。 > 吸着速度や脱離速度が、濃度や吸着質が空き吸着サイト数に比例するという > 事実は、実験的に求められたのでしょうか? なぜそのように考えるかですが... 気相からガスが触媒に吸着するばあい、吸着速度が分子の触媒表面への衝突回数に比例する、という考えは一応納得されると思います。気体分子運動論より、1秒間に単位面積に降ってくる分子数μは圧力をPとして μ=P/(2πmkT)^(1/2) になります。よって吸着速度は圧力に比例すると考えます。 そして、分子がランダムにぶつかった先が先客に占有されている場所ではなく空いているサイトである確率は、被覆率をθとして1-θです。よって吸着速度raは ra∝P(1-θ) の形は論理的にO.K.になると思います。 吸着しているものの脱離速度が rd∝θ と考えるのは吸着サイト数をNとすればNθが吸着分子数なので、ごく自然な想定と思います。 実験的には吸着はLangmuir式があてはまるものばかりではありません。触媒反応速度の解析でLangmuir式が使われたりしますが、これがあてはまることを確かめてやっている、というよりはむしろ熱力学的根拠がはっきりしているとか、計算ができるとかの理由からの方が多いと思います。 実際にLangmuir式があてはまる吸着ももちろんありまして、たとえば白雲母に対するN2、CH4、CO、Ar、O2、CO2など、ガラスに対するCO、Ar、O2、CH4などはLangmuir自身により確かめられています。

  • jamf0421
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回答No.2

No.1さんが書かれたとおりで、導出の考え方は同じです。たとえば http://pcat.cat.hokudai.ac.jp/class/me1_2006/20061127_BO_Sapporo.pdf の25枚目のスライドにある通りです。ここでは吸着するものの"濃度"としてCが出てきます。ただしCを(吸着)平衡濃度と書いてありますが、これは導出にあたって初めから前提としているわけではありません。資料ではまず吸着速度を ra=ka[v]C...(1) としています。[v]はvacantの意味です。ここではCは別に平衡濃度ではありません。(1)をわかりやすく書けば吸着サイトの総数をNとして、そのうち吸着分子に占拠されているものの割合をθとすれば(1)は ra=kaN(1-θ)C...(1)' です。次に脱離の速度を rd=kd[o]...(2) としています。[o]はoccupiedの意味です。θを使えば(2)は rd=kdNθ...(2)' になります。ここで吸着平衡でra=rdで(1)'と(2)’が等しいことになります。この時Cは吸着平衡時の液相にある吸着質の濃度に等しくなります。 ka(1-θ)C=kdθ となり、θについて解き、ka/kd=Kと書けば θ=KC/(1+KC)...(3) という吸着等温式を得ます。(3)の両辺にNをかければNθ=M(吸着量)となります。 Nθ=M=KNC/(1+KC) C/M=C/N+1/KN...(4) となりますので、平衡時の吸着質の液相濃度(C)を吸着量Mで割った値をCに対してプロットすれば勾配が1/N、切片が1/KNの直線が得られるはずです。(Langmuir式に都合よくあてはまる系がそう多いとは思えませんが...) 吸着量は投入吸着質の量と、平衡時の液の吸着質濃度をしればわかります。逐次平衡濃度を変えた実験をするにあたって、一度平衡溶質濃度と吸着量を出したあとで、さらに吸着質を系に加え、吸着平衡後、溶液の濃度を測ります。これによりAdditionalな吸着量がわかり、つぎつぎにより高い平衡濃度での平衡吸着量がわかります。 上にあげたサイトの資料のNo.29に文献が挙がっています。これはUVを照射したTiO2への有機物吸着です。

asnmsd
質問者

お礼

返信が遅れ申し訳ありません。 導出も入力していただいたり、とても丁寧なご回答ありがとうございます! 少し質問なのですが、 吸着速度や脱離速度が、濃度や吸着質が空き吸着サイト数に比例するという事実は、実験的に求められたのでしょうか? 後半部の吸着量の算出の仕方も、今後の実験の参考にさせて頂きます。 載せて頂いた文献も調べてみます。 haruka6279とともに、大変丁寧な回答をしていただき、感謝いたしております。 どうもありがとうございました。

回答No.1

気相との吸脱着平衡を考えるときには、吸着速度に気圧が比例していますよね? 液相吸着の場合はこれを濃度、正確には活量に書き換えればそのまま導出を続けられますよ。 文字が変わるだけなので、自分で考え直す必要もないくらいです。 ほかの導出方法として、速度論的な式を必要としない統計熱力学的な導出法があって、これだと吸着場と平衡にあるバルクが気相だろうと液相だろうと関係なく定式化できるのですが、きっと研究の取っ掛かりとしては大変だろうと思います。いずれ統計熱力学の教科書を見てみるといいかもしれません。勉強にはなりますよ。

asnmsd
質問者

お礼

返信が遅れ、申し訳ありません。 ご回答ありがとうございます。 気相吸着では吸着速度は圧力に比例し、液相吸着では吸着質の濃度(活量)に比例するのですね。 感覚的になんとなく理解していたのですが、具体的・的確に回答してくださって大変感謝しています。 「比例する」ということは、なぜいえるのか。 「圧力は吸着速度に比例すること」を仮定して、 実際にある物質、条件で実験を行う。 結果、仮定の通り「圧力は吸着速度に比例した」のであれば、 その条件においては、仮定は成り立つ。 それを一般化するのは、どうするんでしょう・・・ 数多く様々な条件で実験を行えばよいのでしょうか・・・ はっすみません、またよくわからないことになってしまいました。 統計熱力学の導出も余裕があるときに取り組んでみます! 本当にありがとうございました。