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HS証券のトルコ・リラ建ディスカウント債権

新発債券-トルコ・リラ建ディスカウント社債 の購入を検討しています。 スプレッド、(手数料)もそれほど高くありません。 プロレベルの視点でこの商品どう思われますか? 個人的には買いです。 客観的にプロクラスの人たちの意見を聞きたく思い質問させていただきました。 これ以上極端な円高には理論上中長期的にはありえない。ただ、7年後償還と いうこの商品をどうみるか?

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  • NEWINN
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回答No.2

NO1です、お礼に対する回答をさせていただきます。 1:実は日本円の実質実効為替レートでみると、今の円相場はそんなに強くはないのです。 ここでは簡単にする為に対ドルレートで話を進めます。 1995年の1$=79.75円の時の方が、先月に付けた1$=76.25円よりも円高でした。 これを書くと???と思う方が多いのですが、これには理由がありまして、米国のインフレ率は日本に比べて3%程度高かったのです。 日本は1995年からはほとんど物価は上がっていないですが、米国は大きく物価が上昇しています。 仮に1995年~2010年までの物価上昇格差が3%とすると、現在価値は1$=51.19円になるのです。 実質実効為替レートでは、米国だけではなくて英国や欧州なども入りますが、やはりインフレ率は日本よりも外国の方が高くなっているので、1995年のような異常な円高にはなっていません。 リーマンショック以降で一番、実質実効為替レートが強かったのは2009年1月ですが、それでも1995年4月の円高とはほど遠いです(1995年4月の円高は異常ですが、現在の円高はそんなに円高とは言えない)。 2:震災の影響で低金利が続いて日本と外国の金利差が開くことで円安傾向になることは十分考えられます。 ただし、注意点は巨額な財政赤字による財政破綻の危機に陥れば、日本の金利は急上昇する事になります。 その場合は「円金利>外国金利」の関係になって円相場は円安傾向になります。 つまり、高金利通貨の日本円が長期トレンドで下落傾向になるのです。 震災の影響によって金利を安くしようとしても、財政破綻が近いと判断されれば結局は日本の金利が非常に大きく上昇する事になります。 私がよく分からない点は、3:インフレが落ち着きつつある点と4:短期的には利上げする見通しって所です。 一般的には景気が過熱気味で、利上げをしてインフレを抑制するケースが多いです。 考えられる点は現時点のトルコのインフレ率は日本よりもかなり高いと思われます。 ただし、長期的にインフレが落ち着いて金利低下が鮮明になれば債券価格の上昇が見込まれるので、そこまで考えれば面白いかもしれません。 それから、利上げで通貨が強くなるかどうかは先進国では(特に米ドル円)利上げで通貨が強くなる事はよく見られる傾向です。 しかし、新興国は元々金利水準が高かったり、インフレ率が先進国よりも高いなどの理由で利上げだけで通貨が強くなるかどうかはその時にならないと分からないと思います。 5:これはそれほど心配しなくても大丈夫そうです。 問題はないでしょう。 6:過去の事例では1992年の欧州通貨危機の時ですが、この時は欧州通貨統合参加国は対ドイツマルクレートに対して一定のレンジで収める義務がありました。 ですが、1992年に欧州通貨危機では高金利欧州通貨が大きく下落した年でもあります。 ほとんどの通貨は対ドイツマルクレートの収めるレートから大きく下落して戻らなくなりました。 最近のケースではユーロペッグしていたハンガリーフォリントの下落も問題になっています。 EU加盟で一時的に通貨が強くなっても油断は禁物です。 7:円安の要因を人口構造で挙げる人は多いですが、これも一概には言えません。 例えば、人口構造上、問題がない通貨でも高金利国の通貨は長期トレンドで下落しています。 日本の場合はなぜ、人口構造上問題があって通貨下落を予想しているかと言えば、現在の日本の経常収支は大きな黒字なので現時点で日本円が大きく下落する事がないですが、人口が大きく減少するようになると経常収支の赤字化によって通貨が下落しやすいからと言われます。 これはトルコの場合でも注意が必要で経常収支が大きく赤字ならば通貨が下落しやすいと言えるので注意が必要です。 8:これはやり方は色々なので、質問者様の状況に合わせてやって欲しいと思います。 ディスカウント債の特徴は、利付債に比べて修正デュレーションが大きいので価格変動が大きくなります。 つまり、先々、金利が下がると見るのならば大きな債券価格の上昇が楽しめます。 また、利率年0.5%のタイプのディスカウント債は利付債扱いのため、中途売却益は非課税になりますから、中途売却を前提に考えれば日本国債よりも税法上有利なはずです。 新興国債券ディスカウント債の他にも新興国債券インデックスファンドもあります。 債券ポートフォリオとしてディスカウント債を組み入れる選択肢は当然有りですし、リスク分散としては面白いかも知れません。 私もパーフェクトの回答は出せませんので、ここに書かれた事は質問者様の方でも調べて慎重にご判断ください。

holydevil
質問者

お礼

私が望んでおりましたプロの方のご意見でした。 特にどれほど円高なのか?については勉強になりました。 単なる過去チャートで判断していた自分が恥ずかしくなりました。 この度は非常に詳しく教えていただきありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • NEWINN
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回答No.1

この手の商品には注意が必要です。 無視してもよいのはスプレッドなどです(長期で持つから)。 重要なのは何故、高金利なのか?って事です。 今、円高と騒がれている通貨は対米ドルレートの話であって、ほかの通貨では必ずしも円高である保証はありません。 例えば、豪ドル、スイスフランに対しては現在は円安状態ですので、すべての通貨に対して円高でない事実をご理解ください。 日本円の実質実効為替レートで確認すると若干円は強い通貨と言えそうです(2011年03月現在)。 トルコリラがどの程度の強さなのかは確認するのは難しいですが、一般的な話をすれば「高金利通貨は長期的に下落していく」って事を理解する必要があります。 その根拠はどこにあるのかも確認しておきましょう、参考URLにはKKRのデータを載せていますので7Pに各アセットクラスの期待リターンを見てください。 このデータでは高金利である筈の外国債券の期待リターンは「物価上昇率+1.05%(年率)」、金利の低いはずの国内債券の期待リターンは「物価上昇率+1.20%(年率)」となっています。 外国の金利のほうが明らかに高いはずですが、期待リターンは国内債券の方が高くなっています。 つまり、外国の金利は高いけれども高金利通貨は長期的な為替レートの下落で「金利の高い外国債券」と「金利の低い国内債券」ではどちらの方が有利かは簡単に決められない水準に為替レートが決まってくるって事なのです。 KKRは国内の年金基金ですが、これは何もKKRに限った話ではなくて他の年金基金でも金利差ほど国内債券と海外債券の期待リターンが異なる事はない見解を示しています。 つまり、高金利な外国債券の期待リターンは円金利並みと機関投資家レベル(プロの間)では考えていると言えます。 結局は、この手の債券に投資するメリットは日本国債よりも税法上有利になると思われる点だけなのです。 しかし、日本国債の元本と利息の支払いが確実ならば、満期まで持てば日本国債は確定リターンになりますが、トルコリラ債は満期時(または売却時)の為替変動によっては元本が割れたり、日本国債よりも実質リターンが少なくなると言った為替変動リスクを持つことになる分は損になるって事になります。 マーケットが効率的ならば、高金利なトルコリラ債の期待リターンは円金利と等しくなります。 言い方を変えれば、「この世の中にはおいしい話は存在しない」って言う事なのです。 この手の債券でお金儲けをするにはやはり、円がトルコリラに対して円安になると考えられる為替レートで買う事だと考えられますが、現在のトルコリラがどの程度の強さなのかをご自身で調べてから投資した方が良いと思います。 最後ですが、最終的な判断は自己責任になるので、ここに書かれた事は質問者様の方でも調べたうえで慎重にご判断ください。 トルコリラは新興国通貨なので。為替変動が大きくなる傾向にある他、1973年~現在までのチャートを確認すると、とんでもなく為替レートは大きく下落しています。

参考URL:
http://www.kkr.or.jp/shikin/report220308-data.pdf
holydevil
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 いただきましたデータは確かに理論的に証明されていると思います。 データから言えば「おいしい話はそうそうない」になりますね。 しかし、以下の理由から購入を考えています。 (1)過去データはリーマンショックが含まれており極端な例=>結果、円を持っていると有利になった。 (2)今回の震災も考慮=>日本だけ低金利が続く、さらなる赤字国債増加により円実効為替レート下落。 (3)トルコはインフレが落ち着きつつある。=>リラ下落に歯止め。 (4)短期的にはリラは利上げする見通し。=>債券価格が下がるが、資金流入でリラ高円安(ドル安)にシフト。 (5)中東では民主化が進んでおり、カントリーリスクは周辺国より小さい。=>リスク小。 (6)EU加盟の可能性もある。=>リラ高に。 (7)人口構造が日本に比べ魅力的。=>リラ高円安に。 (8)ポートフォリオに偏り=>自分のポートフォリオは新興国株式・債券の割合が少ない。 どうでしょう? この中で根本的に考え方が間違っているところがございましたらご指摘ください。