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水の温度と体積
小学校理科の本では「水は4℃の時の体積が最も小さく、それより高くても低くても大きくなります。」と書いてありましたが、何故4℃の時の体積が最も小さくなるのでしょうか?
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ブロックとかビー玉とかを並べてみると結晶のイメージが取れます。 物体の温度を下げて行くと物質を作っている単位になっている粒子(分子、イオン、原子)の動きはだんだんとおとなしくなって行きます。 たくさんのビー玉を紙の箱の中に入れます。(透明なプラスティックスの箱にBB弾を入れてやるとオーバーヘッドプロジェクターで生徒に見せることができます。) 箱の底の面積の半分ぐらいに広がる量がいいでしょう。 ゆすってやると底全体に広がっていますがゆするのをやめて少し傾けると集まって並びます。 初めはぐしゃぐしゃに並びますがちいさくゆすってやると正三角形、正六角形を基本としたような綺麗な並び方に変わって行きます。平面に丸いものを並べて行く時に一番ぎっしり詰まった並び方です。結晶のモデルです。 立体でもこの並び方が基本になっています。一枚目のくぼみに次のビー玉が乗るように2枚目を乗せて行く、2枚目のくぼみにビー玉が乗るように3枚目を乗せて行くということをやればいいのです。六方最密構造と呼ばれているものができます。丸っこい形のものを並べて行った時にできる結晶の基本です。固体になると一番体積の小さい状態が実現しています。 四角い積み木を並べてみた場合でもきちんと並んだ時の方が隙間がなくて体積が一番小さくなっているはずです。 ところが出っ張りのあるものとか、隣に来る粒子との間に特別の結びつきが生じるものとかの場合にはうまく隙間を無くすることができないことにリます。(スナップの付いているようなブロックがいいでしょう。) 分子の形をXだとします。 XXXX・・・ のように並ぶのをまず想像しますね。 でも1つおきに90°回転した状態が可能であれば最初のXのくぼみに2つ目のXの出っ張りが入ることができましう。少し体積が小さくなります。 XとXは隣にXXのようには来ることができなくて伸びている腕の方向にしか並ぶことができないという場合であればどうなるでしょう。大きな隙間ができますね。隙間の部分に丸を入れて描きます。 X○X○X○X ○X○X○X○ X○X○X○X (この図だと行間に大きな隙間が空いてしまっています。紙にXの先とXの先がくっついたものを描いてみて下さい。行間隔を0にした図です。) 氷の中の水の分子の並び方のモデルです。水には隣の分子と決まった方向で手を結ぶ性質があることが理由になっています。氷が融けると一度隙間の少ない構造ができてその後分子の運動が激しくなることでXとXの間隔が開いて行きます。 六方最密構造の時は1つの粒子の周りに12個の粒子が来ます。 氷の場合は4個しか来ません。氷というのは隙間が多い構造なのです。 (雪の結晶が綺麗な六角形に見えるというのもこの構造が原因です。)
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- kagakusuki
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水の分子は、1個の酸素原子に、水素原子が2個結合した構造をしていますが、2個の水素原子と1個の酸素原子が直線上に並んでいる訳ではなく、酸素原子を中心として、2個の水素原子が約104.5度の角度を成して、折れ曲がった形に結合しています。 酸素原子は電子を引き寄せる力が強い原子であるのに対し、水素原子は電子を引き寄せる力が弱い原子であるため、水分子中の電子は、酸素原子の側に存在している確率が高くなり、水素原子の側に存在している確率は低くなります。 このため、水分子中の酸素原子は電気的にマイナスに偏り、水素原子はプラスに偏ります。 酸素原子がプラス、水素原子がマイナスの電気を帯びているため、別の水分子中の酸素原子と水素原子との間にも、電気的に引き付け合う力が発生します。 このプラスに帯電した水素と、マイナスに帯電した別の原子(この場合は酸素原子)が、電気的に引き合う力によって、分子同士が電気的に弱く結合する場合があり、この電気的な偏りによって生じる弱い結合の事を水素結合と言います。 氷の結晶の中では、複数の水分子の間で、水素結合が生じる事により、水分子が規則正しく六角形に並んでいます。(次の参考URLの図6を参照の事) 【参考URL】 大阪市立大学 > 大学院理学研究科・理学部トップ> 各専攻・学科への入口> 物理学科 学科の特徴 > 生体構造物性物理学 > 構造物性物理学 > 研究活動 > 水と氷 http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/phys/crys/ice/lect5.html 水は、4℃よりも高い温度でも、分子の一部が、水素結合で緩く結びついて、ある程度規則正しく並びかけている状態になっていますが、水が液体でいる間は、規則正しく並んでいる分子は一部だけで、大半の分子は不規則に動き回っています。 この規則正しく並んでいる部分は、六角形に並んでいるため隙間が多く、その隙間の中に、自由に動いている水分子が入り込むため、水は氷よりも密度が高くなります。 全ての水分子の中で、規則正しく並んでいる分子の割合は、温度が凝固点である0℃に近づく程増加し、氷になると全ての水分子が規則正しく並びます。 不規則に動き回っている分子だけに注目すると、温度が下がる程、分子の熱運動速度の平均値が遅くなりますから、その分子間距離の平均値も、温度が下がる程短くなり、密度が高くなります。 同様に、規則正しく並んでいる分子だけに注目すると、温度が下がる程、その分子間距離の平均値は、温度が下がる程短くなり、密度が高くなりますが、先述の様に、分子が規則正しく並んでいる部分の密度は、(同じ温度の)不規則に動き回っている分子同士の密度よりは低くなります。 そのため、凝固点に近い温度域では、温度が下がって行くと、規則正しく並んでいる分子の割合が増加するため、水全体の密度が低くなります。 つまり水には、温度が下がると分子間距離が短くなる事で密度が高くなる効果と、規則正しく並ぶ分子の割合が増える事で密度が高くなる効果という、逆の働きをする2つの効果がある訳です。 4℃以上の温度では、規則正しく並んでいる分子の割合が少ないため、分子間距離が変化する事による効果が強く現れるため、温度が下がる程、密度が高くなります。 4℃以下の温度では、規則正しく並んでいる分子の割合が増えて来るため、その割合が変化する事による効果が、分子間距離が変化する事による効果を上回り、温度が下がる程、密度が高くなります。 そのため、水は4℃(正確には3.98℃)において密度が最も高くなる訳です。
お礼
詳しく解説して頂き有難うございました。
- Tacosan
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とりあえず「イメージ」だけ: 水の分子は, ちょうど「┌」のような形をしています. これを規則正しく並べると ┌┌┌┌┌┌┌┌ ┌┌┌┌┌┌┌┌ ┌┌┌┌┌┌┌┌ ┌┌┌┌┌┌┌┌ のようになります. これが氷. で温度があがると, これが「ぷるぷるっ」と動きだします. 普通の物質だと「動きだす」と「大きくなったように見える」ので体積が大きくなります. たくさんの人を詰め込んだときに, その人たちが動いているとちょっとずつ隙間ができますよね. そんな感じです. ところが水では上のように「┌」のような形をしているので, 動きだすときに角度が変わって「く」みたいになるやつが出てきます. その結果, (たとえば) ちょうどへこんだところ同士にうまくかみあうようにはまったりするのでちょっと隙間が小さくなります. うぅ~ん, わかるかなぁ....
お礼
特定の温度より大きくなると体積が大きくなる理由は分かりました。 しかし、特定の温度より小さくなっても体積が大きくなる理由はよく分かりませんでした。 なんで水の時に上手く噛み合うんだ? 回答有難うございました。
補足
どうして水の時に噛み合うようになるのでしょうか? 分子の運動が激しければ激しいほど噛み合いにくくなる気がするのですが・・・
- Willyt
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これは分子構造に関する学問を修得すればその理由が分りますが、小学生にはちょっと難しすぎます。それでも敢えて説明すると、それは水が結晶構造を取り始めるからだということです。でもそれは何故と更に尋ねると誰も答えられないと思いますよ(^_-) こんな例は沢山あります。林檎が落ちるのは万有引力によって地球に引っ張られるからですが、では万有引力って何と更に聞くとさあ、ってことになる筈です。専門的いは或いは解明されているかも知れませんが、それは門外漢にはもう手も足も出ない領域になっている筈です。 このように何故そうなるかを究明するのは専門家に任せ、その結果だけを信用して使うということで亊を済ませるしかないことが大変多いのです。
お礼
相当難しい内容なのですか。 ・・・それでも理由を知りたいんですけどねぇ~ 回答有難うございました。
補足
書き忘れてたけど、自分は小学生ではなく大人です。 再び小学校の内容から勉強し直そうかと思って小学校の本を手に取っただけです。
お礼
なるほど、隙間の多い氷が水になったら分子同士が結び合って隙間がほとんど無くなるのですね。 回答有難うございました。