等速度運動と等速直線運動の違いについて
等速度運動と等速直線運動は同じ意味だと習いましたが、厳密にいえば異なると思います。
まず、等速度運動について考察していきます。
等速度運動とは、速度が一定の運動のことだと思います。
速度はベクトル量なので、速度が一定とは、速さと運動の向きが一定ということでしょう。
つまり、等速度運動とは、速さが一定かつ運動の向きが一定の運動ということになるでしょう。
次に、等速直線運動について考察していきます。
等速直線運動とは、速さが一定である直線上の運動のことだと思います。
直線上の運動は、方向が一定の運動と言い換えられることができるでしょう。
つまり、等速直線運動とは、速さが一定かつ運動の方向が一定の運動ということになるでしょう。
さて、改めて等速度運動と等速直線運動とを比較してみることとします。
等速度運動は向きが一定の運動ですが、
等速直線運動は方向が一定の運動です。
「向き」という概念と、「方向」という概念は、数学や物理学においては異なる概念であるはずです。
例をあげるのならば、東西は方向ですが、東や西は向きです。東西方向、東向き、西向きは正しい言い回しで、東西向き、東方向、西方向という言い回しは間違っています。
ということは、方向が一定であっても向きは2つ考えられるので一定でないはずです。
つまり、等速直線運動は厳密にいえば速さが一定の往復運動などの場合も考えられるのではないでしょうか?
このように考えていくと、等速度運動と等速直線運動を同じ意味で用いるのは間違っているように思えてなりません。皆さんはどのように思われますか?
(通じればいいという方ももちろんいらっしゃるでしょうが、個人的にはあまり共感できません)
※「速さを一定に保って向きを反対側に変えるためには、無限小の時間に無限大のエネルギーを要するので、現実的にはありえない。だから等速直線運動であっているんだ!」といわれる方もいるかもしれませんが、そう言ってしまうと、現実の世界には完全な直線運動は存在しないので直線運動は考えられない!と言っているのと同じであると思うので、やはり等速度運動と等速直線運動は異なる運動を示している考えるのが妥当であると思います。
※等速円運動も、右に一回転、左に一回転を交互に繰り返し、速さが一定の運動などの運動も考えられるはずなので、私たちが普段、等速円運動と呼んでいる運動は、上記のように考えると、厳密にいえば等角速度運動と呼ぶべきなのではと思います。
お礼
ありがとうございました。