Shell Silversteinさんの名作絵本「The Giving Tree」の邦題が「おおきな木」だということを始めて知りました。この絵本の内容については以下のリンクなどをご参照ください。
(この本についてのリンク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/おおきな木
http://www.funeigo.com/books/the_giving_tree.html
英語で「He is a giving person.」「She has a giving nature.」などという際に、単語「giving」一言で、自分の身を削ってでも惜しみなく与える精神とか、無償の愛を提供するメンタリティ、などを意味できると思っています。邦題で「おおきな木」とせざるを得なかった背景は知りませんが、ちょっと物足りないような…。でも「あたえる木」では子供にはわかりにくいからでしょうか…。
西洋の文化・社会的な背景や価値観や宗教観・道徳観で理解できる犠牲の精神や崇高な愛を、私たちが「giving」一言で表現できるなら、その一方で、日本語にもそんな言葉があっていいのにな、と思いますが…。端的で明解な日本語の単語が、ないものでしょうか?
>giving 一言で、自分の身を削ってでも惜しみなく与える精神とか、無償の愛を提供するメンタリティ、などを意味できる
おっしゃる通りです。
日本語と英語は一対一に対応しているわけではありませんので,
一語で奥深い意味を表すことができるものを別の言語で同じような意味合いを持たせるのは難しいです。
それとなく日本語にすれば
「恵みの木」
とでもなるのでしょうが,「恵む」という日本語には独特の響きがあり,
give が持つ無色透明性が失われます。
We Are the World の歌詞
So let's start giving
これは日本語に訳しようがないと当時思いました。
一応,訳詞では「さあ今こそ始めよう」と give を無視しています。
そういう意味で,「大きな」という日本語で奥深い語にしたのはすばらしい訳だと思います。
big/large/great が「大きな」の直訳ですが,
英語のこの3語にもさまざまな意味がある以上に日本語の「大きな」にはさまざまな意味があります。
さらに,「おおきな」と仮名にしているところがすばらしい。
単に絵本だから,というのでなく,この平仮名にすることによって,さらに広がりを感じます。
それが英語の giving が持つ響きと一致しなくてもそれは仕方のないことです。
お礼
そうでしたか…。この言葉は訳しようがなかったか…。そう伺うと、あきらめがつきます。一対一対応は「giving」に関してはちょっと無理がありますね。 「めぐみの木」もそれとなくいいですね。「めぐみの」=「merciful」には上下関係のベクトルを感じてしまうから、上からでも対等でも献上でも、どこにでも向けられる「giving」の多方向なところを包括できるなら、広がりと奥深さの点で「おおきな」の方がいいのかなぁ…。疑問を抱くよりも、ひらがなで「おおきな」と著した訳者の叡智と思慮に感服し、「おおきな」の意味を尊重しようと思います。 そう思うと、「おおきな木」と読んだだけで涙がこみあげてきました。「The Giving Tree」という題名を聞いただけでジーンとにじんでくる涙と同じです。ってことは、日本では「おおきな木」でいいのでしょう。 納得しました。ご回答いただき、たいへんありがとうございました。