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LNG(液化天然ガス)の気化における体積について
LNG(液化天然ガス)が気化すると、一般的に600倍になると言われていますが、どのような計算でその体積が導き出せるのでしょうか??
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- kagakusuki
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LNGの密度÷気化した天然ガスの密度 という計算になります。 液体の時と気体の時の、それぞれの密度の値は、その天然ガスを採取したガス田によって、多少異なります。(各成分の割合が多少異なるため) 例えば、以下のサイトに拠りますと、アラスカ産の天然ガスの密度は空気の密度の0.55倍で、それを液化した場合の密度は425kg/m3で、液化したガスはマイナス162℃で気体になる事が分かります。 【参考URL】 東部ガス > 安全対策・環境 > 環境への取り組み > なぜ天然ガスはクリーンエネルギーなのか http://www.tobugas.co.jp/env/energy.html 又、以下のサイトに拠りますと、0℃、1気圧における、空気の密度は1.293 kg/m3である事が分かります。 【参考URL】 空気 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97 気体は、その種類に関係なく、温度が1℃下がる毎に、0℃の時の体積の273.15分の1の割合で、体積が減少する事が判っていますから、t℃、1気圧における、空気の密度は、次の数式で計算出来ます。 1.293[kg/m3]÷(t÷273.15+1) 従って、気化したLNGの密度は 天然ガスの空気に対する比重×1.293[kg/m3]÷(天然ガスの沸点÷273.15+1) という計算になります。 よって、 LNG気化する際の膨張比=LNGの密度÷{天然ガスの空気に対する比重×1.293[kg/m3]÷(天然ガスの沸点÷273.15+1)} という計算になります。 ですから、アラスカ産の天然ガスの場合は、 LNGが気化する際の膨張比=LNGの密度÷{天然ガスの空気に対する比重×1.293[kg/m3]÷(天然ガスの沸点÷273.15+1)} =425[kg/m3]÷{0.55×1.293[kg/m3]÷(-162[℃]÷273.15+1)} ≒243 という計算になり、アラスカ産の天然ガスは、気化する際に体積が約243倍に膨張する事が判ります。 これを0℃まで温めると、膨張して体積が増えますから、 LNGを気化させた後、0℃まで温めた場合の膨張比=LNGの密度÷{天然ガスの空気に対する比重×1.293[kg/m3]÷(0[℃]÷273.15+1)} =LNGの密度÷(天然ガスの空気に対する比重×1.293[kg/m3]) =425[kg/m3]÷(0.55×1.293[kg/m3]) ≒598 という計算から、液体の時の約598倍に膨張する事が判ります。 ですから、体積が600倍になるという話は、気化させた時の話ではなく、気化させた後に、更に温度を上げて、0℃にした場合の話という事になります。 因みに、同様の計算をマレーシア産の天然ガスに対して行うと、 LNGが気化する際の膨張比=451[kg/m3]÷{0.61×1.293[kg/m3]÷(-160[℃]÷273.15+1)} ≒237 LNGを気化させた後、0℃まで温めた場合の膨張比=451[kg/m3]÷(0.61×1.293[kg/m3]) ≒571 となり、気化する際には237倍、0℃まで温めると液体の時の571倍に、膨張する事が判ります。
- DLIVE
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LNGのMSDSをみると、ガス比重は0.62 kg/m3(空気=1)、液密度は455 kg/m3です。 また、空気の密度は1.2929kg/m3ですから、メタンのガス密度は 0.62×1.2929=0.80 kg/m3 となります。 したがって、気化したときの体積変化は 455/0.80=569≒600倍 となります。 LNGのMSDS http://www.k-lng.co.jp/business/img/seihinannzen.pdf
お礼
なるほどですね。 学生時代にこの分野はつまづいたままの状態でしたので、大変参考になりました。
お礼
詳細にご回答くださり、まことにありがとうございます。 今まで何となくでしか理解していなかったので、大変勉強になりました。