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河川システムの判断材料
ある堆積相を河川システムによるものだと言いたいのですが、いまいち決定打に欠けます。 そこで、その堆積相が河川システムによるものであるということを断定するのに必要な条件には、どのようなものがあるかお聞きしたいです。 私自身は植物根の痕跡くらいしか思いつかなかったのですが・・・
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- moto_koukousei
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どういう堆積相をみて、それが河川システムによるものであると断定しようとされているのでしょうか。 その堆積層は河川システムによるものではないかもしれないとは思いませんか。 植物根は、湖成層や蛇行河川成相、後背湿地成相でもあるので、難しいでしょう。 http://www.dino.or.jp/shiba/survey/sur_301.html 下のPDFを詳細に読むと、参考になるのではないでしょうか。 http://www.kubota.co.jp/urban/pdf/29/pdf/29_2_2.pdf 上野盆地の古琵琶湖層群の岩相から推定される代表的な堆積環境には,(1)斜面崩壊堆積相(土石流~泥流成相)(2)扇状地成相 (3)河川成相 (4)三角州成相 (5)湖成相などがあります.以下,地層の産状から推定される代表的な堆積環境について,層相の特徴をもとに少し詳しく述べます. ≪網状河川成相≫ 〔層相〕下位から,平板型もしくはトラフ型の斜交葉理の発達する礫層・中部は比較的規模の大きいトラフ型・平板型などの斜交葉理の発達する砂層・上部は小規模な斜交葉理や平行葉理の発達する砂層,最上部は連続性のよいシルトと細粒砂の薄互層,などの岩相組合せからなり,上方に向かって細粒化します. 下底付近では,塊状で基質の少ない礫層がみられることがあり,粗粒部は一般によく淘汰されています.下底面は,下位層を不規則に削り込む場合(写真1および図5・1)と,チャンネル状に削り込む場合があります.ひとつの岩相組合せの厚さは1~4m程度で,地層は側方によく連続します.下部の礫層や砂層の示す古流向は,チャンネルの方向にほぼ平行で比較的まとまった方向を示し,中部や上部の砂層や薄互層などの示す古流向は,多くの場合,チャンネルの方向や下部の示す古流向に斜交します. 〔環境〕地層の下底面が,下位層を不規則またはチャンネル状に削り込み,岩相組合せの下部では,古流向がまとまった方向を示していること,平行葉理やトラフ型斜交葉理などが認められること,上方細粒化を示すこと,地層が平面的によく連続することなどから,流速が比較的早く,広い幅をもった流水域で堆積したと推定されます. 岩相組合せの中部で,平板状葉理や平行葉理の発達する砂層が発達し,古流向も分散傾向にあるのは,下部の堆積時に比べて流速が遅くなり,流水が下部の粗粒堆積物の堆積面の微地形に影響されて分散的に流れていることを示しています.また上部で,後背湿地成の細粒堆積物に移り変わることは,次第に流水の影響が衰えていったことを示します.以上のようなことから,網状河川であると判断できます. ≪蛇行河川成相≫ 〔層相〕下位から,比較的淘汰がよく,トラフ型の斜交葉理の発達する礫層・砂層・中部は層厚の変化が激しく連続性の悪いシルトと粗粒砂の薄互層・連続性のよいシルトと細粒砂の薄互層,上部は淘汰が悪く植物根やその痕跡の発達する粘土層,などの岩相組合せからなり,上方に細粒化します.下底面は,古流向に直交方向では,片側が急斜面の逆三角形状に2~4mの深さで削り込んでいます.削り込みの急斜面側ではオーバーハングしていることもあります.平面的には,幅の狭い曲がりくねった帯状の砂層・礫層の水平分布を示します. 〔環境〕平面的には,砂層・礫層は,狭い幅で曲がりくねって帯状に連続した水平分布を示すこと,古流向が大きく分散すること,下位の後背湿地相を削り込んで,イプシロンタイプの斜交葉層が認められることなどから,蛇行河川であると判断できます. ≪小規模河川成相≫ 〔層相〕下位の後背湿地状の細粒砂・シルト・粘土互層などを削ってつくられた深さ0.5~1.5m,幅約1~3mの逆台形状のチャンネルを埋めている,比較的淘汰のよい粗粒~極粗粒の砂層からなります.砂層内では,粒径は上位に向かってやや細粒化し,砂層の上面はやや上に凸状をなし,上位に重なるシルト層に急激に移り変わります. 〔環境〕粗粒~極粗粒砂からなる砂層が,上位に重なるシルト層に急激に移り変わることは,流速が急激に変化したことを,また,チャンネルをつくっていることから,砂をもたらした流水のエネルギーは大きかったことがわかります. すなわち,花崗岩質砂を含んだ密度の高い高エネルギーの流水が,後背湿地のチャンネルに流れ込み,流速の低下とともに急激に運搬力を失い粒子を堆積して形成されたと推定できます.以上のことから,大規模な洪水時に,後背地の花崗岩から由来した砂を多量に含んだ洪水流が,基盤山地に隣接する扇状地などを流れ下った末端で湿地帯に流入したような,短期間の小規模河川によって堆積した地層であると考えられます.