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遺伝子組み替えとその時間的変化について教えて下さい。

私は現在歴史学を専攻している学生です。生物学を専攻している友人がいます。以前彼から、「現在の分子生物学ではゲノムの静的構造は解析可能だが、その時間発展については全くわかっていない。もっも簡単なウイルスさえそのゲノム構造が時間的にどう発展するかについては全くわかっていない。例えばSARSウイルスにおいてもそこに至るゲノム構造の動的発展過程については未知なものが多すぎる」という難解な話を聞いたことがあります。私は文化系なので殆どわからないのですが、とても気になりました。何となく遺伝子組み替えは途轍もなく人類にとって危険な気がするのですが(例えば今は遺伝子を組み替えても安全な生物でも時間がたつと人類にとって恐ろしいものに変化するとか)。この件について専門の方のご意見を教えて下さい。宜しく御願いいたします。

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noname#4968
noname#4968
回答No.2

ちょっとだけ囓っている者です. 植物の品種改良といわゆる「遺伝子組み替え」の違いは「種として近い関係にある遺伝子を組み込む」か,「遠い関係にある,もしくは,絶対に交わらない関係にある遺伝子を組み込む」か,という事だと思います.(分かりづらいですか?)  いわゆる品種改良は,例えば食味の良いイチゴに,耐病性はあるがあまり食味の良くないイチゴを掛け合わせ,何代も続けることにより,「食味が良く,病気にも強いイチゴ」にしていく,といった技術です. 一方遺伝子組み替えは,例えば質問者様が書かれた様な「害虫の消化を阻害するような遺伝子」を全くその植物とは関係の無いところから持ってきて,組み込む技術です.(ちなみに害虫の消化経路とヒトのそれとは全く異なるため,突然変異でヒトが摂取して死ぬような植物になることは考えにくいと思います.) 遺伝子組み替え植物の安全性を語るには,まだ資料が揃っていない段階だと,私は考えます.ですから,まだ「絶対に安全である」とも言えないと思います. ですが,小説や映画にあるように,遺伝子組み替えされた生物や植物がある日突然組み込まれた遺伝子とは何の由来もないような恐ろしげな生物に変異したりはしないでしょう. 逆に元々遺伝子には修復機能があるため,外から組み込んだ遺伝子が脱落してしまう可能性は多いにあると思います. 一般の人の前に出てきた「遺伝子組み替え植物」が「それを食べて死ぬ蛾」なんてセンセーショナルすぎて拒絶反応が出てしまったのでしょうね.今「食べると,よりカロチンが沢山摂取できる野菜」なんてのが開発されているらしいですが.そのへんから入れば,これほど消費者に拒絶反応が出ないで済んだかも知れません. 動物にせよ,植物にせよ,遺伝子組み替え技術はこれからも発展していく分野だとおもいます.これに対して,法の規制や研究者への倫理面での対応が追いついてない現状がやや憂慮されますね. 浅い知識での乱文,失礼いたしました. 深く詳しい回答が付くのを私も待っております.

nucl2365q
質問者

お礼

丁寧なご返答有難うございます。私は分子生物学など全くの門外漢です。しかし歴史学では疫病は社会の動的発展を考える上で無視できないファクターです。例えば14Cヨーロッパでペストが大流行しました。これは後々の欧州人の精神構造に大きな影響を及ぼしました。わたしはSARSウイルスについてもひょっとしたらという思いがありました。世界史を塗り替える疫病になったらという危惧感を持っていました。うわさでSARSウイルスが遺伝子組み換えの産物であるかもしれないという話を耳にしたこともあります(SARSウイルスも結局明確な起源が判らなかったこともあります)。それ故遺伝子組み換えでとんでもない疫病ウイルスが蔓延するのかについてある意味恐怖感を抱いていた次第です。そんな矢先、友人からそのような話を聞き、遺伝子組み換えは人類にとって本当に危惧すべきか否か悩んでいたところです。文科系ゆえの科学音痴かもしれませんがどうしても現代の科学技術に疑問や不安感を直感的に持ってしまうのです。でも本当に有難うございます。

その他の回答 (3)

  • fujishiro
  • ベストアンサー率28% (162/574)
回答No.4

わたしはこれを読んだとき、ご友人は「進化」とはいったいなんなのか、どうやって起こるのかさっぱりわからないといっていると思ったのですが。 それだったら、確かにわかっていません。 進化とはまぁ究極の話、ゲノムの時間的変化でしかありえないんですが、その過程は実験で確かめることはできないものですから現在の実験科学ではかなり難しいわけです。魚類から哺乳類に進化する過程なんて再現不可能ですからね。ましてやこれからどう変化するなんてわかるわけがありません。 おそらく生物のなが~い歴史上、あるときはダイナミックに、あるときはまったくといった感じで進化は起きてきたのでしょう。 現在の遺伝子組み換えは「超」ダイナミックに人為的に「進化」を起こさせてやるということなんでしょうね。 この進化が「正しい」進化(そんなものがあるかどうかなんて神以外にわかるわけありませんが)の方向への「爆発的な加速」なら何の問題もないんでしょうね。一方では間違ってる可能性もあるわけですね。もちろん、間違ってたとして何が起こるかなんてこともわからないわけなんですが。 進化の方向性というものなんて所詮は無数の可能性のひとつなんてことなんでしょうね。つまり、「時間がたつと人類に害する生物になる可能性」とは、組み換えしようがしまいが全生物に言える訳なんですね。さらにいえばわからないんですよ、遺伝子組み換えでそれがどの程度可能性に影響を与えるかどうかって言うことも。 遺伝子というのは確かにブラックボックスです。宝の山か、空けるべきではないパンドラの箱か…。言える事は現在は、遺伝子組み換えは人類に有効な方向へ持っていっているはずだから大丈夫な可能性が高いという程度ですね。わかるのは数千年後であり、現在の科学者はわからないリスクよりもわかっているメリットを優先しているということです。そして、このメリットを捨てれば、近い将来、人類は食糧供給が間に会わなくなるということぐらいでしょうか。

nucl2365q
質問者

補足

明瞭なご返答有難うございます。「遺伝子組み換えはこれまで行っていた品種改良などと異なり遺伝情報に大きな変動を与える。遺伝情報伝達にはカオス性(わたしはこのことばはよくわからないのですが?)が大きい。それ故小さい変動なら予測はできるが大きな変動だと全く予測できない事態が生じてしまう。遺伝子組み換え技術は有用である。しかしあまり遺伝子組み換えのmeritばかりに浮かれているとあとで大変なことになるのではないか。とくに商業ベースでの開発はお金第一で慎重さがなさ過ぎる」との類を話していました。確かにおっしゃるとおり食糧増産は大切です。わたしはこれに異議は唱えません。問題なのは儲かればいいという商業主義での開発だと思うのですが。過去商業主義が環境破壊公害問題などを生んだように遺伝子の汚染などもおこすのではと不安です。勿論「遺伝子の汚染」は化学汚染から連想した言葉であり科学的根拠はないかもしれませんが。

noname#4684
noname#4684
回答No.3

見方を変えると,遺伝子組み換えなんて自然界で どこにでも起きていることです. 1. 生殖(とても広義の遺伝子組み換えです,人間同士がする通常のSEXでさえ) 2. ウイルス感染(レトロウイルスという種類のものは,感染すると遺伝子を人間に組み込み病気を引き起こします) 3. 育種(おいしい稲を作ろうとして,そういう親株を交配し続けた結果,ササニシキなどができました) 遺伝子技術は,いままでも自然界で起きていたこれらのことを,極端に加速するのみです.交配でササニシキをつくるとしたら,10年や20年かかるでしょう.それを1年ほどでできるように加速するだけと感じます. わたしは危険を感じません.危険がもし起きたとしても,それは遠い将来に起きるはずだったことが,遺伝子組み換えをしたおかげでこの世に現れるのが早くなっただけ,と考えます.

nucl2365q
質問者

補足

明確なご返答有難うございます。遺伝子技術が加速するお話よくわかります。確かにおっしゃるとおりpositiveの面も大きいと思います。ただ周りの生態系とのかかわりは遺伝子の加速(これで表現はよろしいでしょうか?)に対して大丈夫なのでしょうか。生態系を激変させるような寄与はないのでしょうか。私は科学に関しては音痴なので専門の方からみればピントはずれのことを伺っているかもしれませんが、なんとなく不安に思っています。

回答No.1

あまり専門ではないですが、そのような事を心配していたらほとんどの植物が食べられなくなりますよ。品種改良も、遺伝子組み換えと大きな目で見れば大して変わりませんから。 後、変異がおきやすい部分というのは一応ありますけど、どう変わるかは未だに予測できません(わかったら、どのような突然変異種が出来るか予想できそうですけどね)。

nucl2365q
質問者

補足

早速の回答有り難うございます。私は理系ではないのでよくはわからないのですが、品種改良と遺伝仕組み変えでは大きく異なるような気もするのですが。たとえばEUでも品種改良についてはそれ程激しい抗議はないのですが遺伝子組み替えではご承知のように激しい反発があります。また虫のつかないトウモロコシを遺伝子組み替えでつくったところ毒性の物質を根から出したという報告を聞いたことがあります。自分には専門外なので全くわからないのですが、遺伝子組み替えは本当に大丈夫なのだろうかと素朴な疑問をどうしても持ってしまいます。