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ウィルスの構造について

今、微生物について勉強しているのですが、ウィルスの最外層に存在する膜様構造が分かりません。これは、遺伝情報である、核酸を包み込むたんぱく質の外被であるカプシドのことなんでしょうか。

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  • -mizuki-
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回答No.1

ウイルスの形態は核酸を包むキャプシド(capsid)によって決まります。 capsidはcapsomerと呼ばれるサブユニットが規則的に並んで出来ていて、 その規則的配列は2つのタイプに分かれています。 (1)正二十面体構造では、capsomerは20個の三角形を形成し、 capsidは球体に近い正二十面体構造をとる。 (2)ラセン構造では、capsomerはコイル状に配置され、 capsidは細長い中空の円柱形をとる。 このラセン構造は固いものも柔らかいものもある。 いずれの構造も、エンベロープに包まれないタイプにも、エンベロープに包まれるタイプにも存在する。 外部タンパクとして、キャプシド夕ンパクは (1)遺伝物質を保護し、 (2)宿主細胞表面の特黒的な受容体と相互作用してウイルス粒子が付着するのを助け、宿主特異性を決定する主な因子となっている。 また、(3)重要な抗原でもあり、抗体による中和、細胞障害性Tリンパ球による感染細胞の殺害を誘導する。 エンベロープはリポタンパク質の膜であり、 宿主細胞膜由来の脂質膜(ヘルペスウイルスでは宿主細胞の核膜由来の脂質膜)と ウイルス特異的タンパク質で構成されている。 しばしば、エンベロープ表面にスパイク状に突出した糖タンパク質があるが、 これはウイルスが細胞内に入る際に宿主細胞の受容体に接着するためのものである。 マトリックスタンパク質はエンベロープの内側にあり、 ウイルスの”budding”の際のキャプシドタンパクとエンベロープとの相互作用を仲介する。 ウイルスエンベロープの形成は”budding”と呼ばれるウイルス複製の最終段階で起こる。 まず、宿主細胞膜上にウイルスタンパクが膜タンパクとして存在する領域が出来る。 核酸を包んだキャプシド(ヌクレオキャプシド)はその領域とマトリクスタンパクを介して相互作用し、 細胞膜をからめ取って細胞外へと出芽する。 これによりヌクレオキャプシドはエンベロープに包まれることになる。 しかし、宿主に与えるダメージは殆どない。 一般に、ウイルスはエンベロープに包まれると熱、界面活性剤、有機溶媒に対し、より不安定になります。 このぐらいで分かってもらえたでしょうか?

beatzone
質問者

お礼

回答ありがとうございます。カプシドの役割(働き)などについてこれほどまでに詳しく書いてもらって本当に助かりました。ありがとうございました。