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電磁式膜厚計の測定原理とは?
- 電磁式膜厚計は、亜鉛メッキ後と接着剤後の膜厚を測定する装置です。
- 鋼材に亜鉛メッキを施し、さらに接着剤を塗布している製品の膜厚を測定します。
- 亜鉛メッキ後と接着剤後の膜厚を別々に測定することで、亜鉛メッキと接着剤の膜厚を把握することができます。
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電磁式膜厚計は、電気(誘導電流)の流れやすさを測定する装置です。 たとえばガラスのように電気をほとんど流さない物の上に、金属のように電気を流しやすい膜がつけば、厚い膜ほど電気が流れやすくなります。この場合は、電気が流れやすいほど厚い膜と判定します。逆に金属の上に絶縁性接着剤などの膜がついた場合は、厚い膜ほど電気が流れにくくなります。従って、この場合は電気が流れやすいほど薄い膜と判定します。 このように、どのような物に、どのような膜が付くかによって、電気の流れやすさと膜厚の関係は異なります。装置が実際に測っているのは電気の流れやすさだけですので、装置が想定している物と膜の組み合わせ以外では正しくない値を出します。 今回の場合、まず鋼材と亜鉛メッキということで、どちらも電気を流しやすい組み合わせですから、亜鉛メッキの膜厚を正しく測るのが簡単ではないでしょう。次に、メッキと接着剤という二層膜の場合、電気の流れやすさはそれぞれの膜厚に依存するのに対し、量っている量は一つだけですから、それぞれを一度に正しく測ることは不可能です。 今回の目的にはあまり適した測定方法ではないといえますが、手軽さや非破壊性などから他の方法を使うのは難しいのでしょう。この装置を使われるのであれば、 1)まず別の方法(電子顕微鏡や触針段差計)でメッキ厚みを測定したサンプルをいくつか用意し、その値と電磁式膜厚計の指示値の関係を確かめて換算曲線を出す。 2)メッキ厚みがわかっているサンプルの上に別の方法で厚みを測定した接着剤をつけたサンプルを用意し、やはり換算曲線を出す。 3)実際の測定では、接着剤塗布前にメッキの厚みを1でもとめた換算曲線から求め、次に塗布後に2の曲線から求める という手順を踏めば上手く行くかもしれません。