災害死亡者はなぜ「犠牲者」?
手元の国語辞典によると、犠牲者とは、「戦争や災害などで死んだり、大きな被害を受けたりした人。」とありますので、災害死亡者を「犠牲者」と呼ぶことは、国語として間違ってはいないでしょう。
しかし、もともとの「犠牲」という言葉は、「神に捧げるために生き物を殺すことやその儀礼。また、その生き物。いけにえ。供犠(くぎ)。」ということで、「かけがえのないものを捧げる」「身代わり」のイメージを持ちます。
ですので、例えば、「青春のすべてを犠牲にして打ち込んだ」とか「戦争の犠牲者」というのは、何となく分かります。
前者は、青春時代の楽しい時間を捨ててまで取り組んだ、という意味でしょうし、後者は、彼らの死があったからこそ、今の平和な社会がある、と考えられるからです。
でも、災害による死亡の場合、確かにお気の毒ではありますが、「身代わり」というイメージはわきません。
「犠牲者」、「犠牲者数」ではなく、単に「死亡者」(又は「死者」)、「死亡者数」(又は「死者数」)と言えばいいのではないでしょうか。
どうして、災害死亡者に対しても「犠牲」という言葉が使われるようになったのか、ご存知の方、教えてください。
(報道の例)
http://www.asahi.com/special/070716/TKY200710160184.html
お礼
ありがとうございます。やっと意味がつかめたような気がします。