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高校化学 HClとNaOHの中和について
高校化学 HClとNaOHの中和について どちらも強酸、強塩基だから水に溶けると陽イオンと陰イオンに 離れやすいというのはわかりました。 なぜ水の中でバラバラになったH+、Cl-、Na+、OH-から H+とOH-、Na+とCl-がくっつくのですか? 酸塩基の強弱や平衡が関係しているような気がするのですが イマイチよくわかりません。
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- htms42
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>なぜ水の中でバラバラになったH+、Cl-、Na+、OH-から H+とOH-、Na+とCl-がくっつくのですか? ご質問の中心はこの部分ですか。 であればもう少しこの部分に絞って質問を詳しく書く方がいいでしょう。 HCl+NaOH → NaCl+H2O という反応式が書かれます。 別々の試験管で用意されていたものが混ぜられたとします。 水中では HCl → H^++Cl^- NaOH → Na^++OH^- (1) これを混ぜます。4種類のイオンが混ざったものができます。 これだけだと反応が起こったということはできません。 はじめと違った新しい組み合わせができないといけません。 新しい組み合わせは「H^+とOH^-」、「Na^+とCl^-」の2つです。 「くっつかないといけないはずだ」というあなたの着眼点は素晴らしいです。 でもこの2つの組み合わせの両方がくっつかないといけないというわけではありません。 くっつくのが片方であってもいいのです。残りの組み合わせは決まってしまいます。組み合わせが決まるということとくっつくということは同じことではありません。積極的な組み合わせと仕方なしの組み合わせがあっていいのです。でも少なくとも片方は積極的な組み合わせである必要があります。 「くっつく性質が強い」=「離れる性質が弱い」です。 NaClは水によく溶けるイオン性物質ですから普通の水溶液ではくっつきません。 H^++OH^-→H2O (2) は起こりやすいです。 水が「イオンに分かれる性質のものすごく弱い物質である」=「くっつく性質のものすごく強い物質である」ということから分かります。 中和反応とは水のこのような性質によって起こるものです。中和反応だからこういう性質が出てくるというのではありません。 H^+とOH^-が別々の物質として用意されていてもくっつく性質が強いので出会いさえすればくっついてしまうのです。 この部分は(2)の水の性質から出てきているものです。酸・塩基の強弱とは関係がありません。 (1)の部分では強弱が関係します。 弱酸の酢酸であれば CH3COOH ⇔ CH3COO^- +H^+ と変わります。右辺の形で存在する割合が少なくなります。でも後は同じです。 水に溶けて溶液を酸性にする物質が酸ですから、「酸」である限りこれと同じような変化が起こります。 HA ⇔ H^+ +A^- H2OよりもH^+を離しやすいはずです。 H^+はA^-とよりも OH^-との方がくっつきやすいはずだということが分かります。 考えられる2つの組み合わせの両方でくっつくということが起こる場合もありまっす。 それは沈澱が生じる場合です。もちろん中和反応も起こっています。 Ba(OH)2+H2SO4→BaSO4+2H2O BaSO4は難溶性の塩としてよく知られています。 飽和溶液の場合についてイオンの濃度(mol/L)の積(溶解度積)を辞典に載っている溶解度の値から計算してみます。 [Ba^2+][SO4^2-]=3×10^(-12) 水の場合のイオン積は教科書に出てきます。 [H^+][OH^-]=1×10^(-14) H^+とOH^-のくっつく性質がいかに強いかが分かると思います。 (こういう比較を使っている説明を見たことがありません。何故か水も電離するという方ばかりが強調されています。くっつくけれどもそれほどでもないと思ってしまう可能性が出てきます。そうでなければNa^+とCl^-がまずくっつくなんて思うはずがありません。) NaOH+HCl→NaCl+H2O の反応の進む理由として「Na^+とCl^-がくっついてNaClができるので・・・」と書いてあるものには「?」がつくということが分かります。 でも「中学校ではこのように習った」と言う生徒が多いです。 理科の先生でも化学以外の先生は大抵こういう理解のようです。 私が留守の時に理科の他の先生に質問に行ったりするとこういう説明を聞いてきます。 後で修正するのに時間がかかります。
- sanori
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>>>直接の答えになっているのはどこの部分ですか? 「酸塩基の強弱や平衡が関係しているような気がするのですが」と書かれていたので、それに対して素直に回答しただけです。 もうちょっと説明を加えましょうか。 バラバラのものの中の1つが、パートナーとなるもの1つと出会えばある確率でくっつく、 そして、成立したカップルもある確率で破局する。 強酸と強塩基の組み合わせなので、破局の確率が高い。 反応が一段落して、カップルの発生頻度と破局の発生頻度が同じになるときを平衡状態と言う。 そのときの比例定数(平衡定数)がK。 強酸・強塩基の組み合わせなので、破局の確率が高く、つまり、 [NaCl]=K[Na+][Cl-] のKの値は非常に小さいです。 H+ は、OH- とだけくっつくとは限りません。 Cl- とくっつく場合もあります。 同様に、Na+ は Cl- とだけくっつくわけではありません。 OH- とくっつく場合もあります。 それらのなかで一例として [H2O] ⇔ K[H+][OH-] を挙げたのが前回答です。 そして、純水でも中性のNaCl水溶液でも、 [H2O] ⇔ K[H+][OH-] のKの値は同じです。 婚活パーティーですから。
- sanori
- ベストアンサー率48% (5664/11798)
こんにちは。 鋭い着眼だと思います。 ただっぴろい場所で開催された婚活パーティーを想像してください。 女1名・男1名の場合と女1名・男10名の場合があるとします。 カップルができる確率は、後者の方が10倍高いです。 なぜならば、ただっぴろいので、女が男と出会う確率は男の人数に比例するからです。 女10・男1の場合も10倍です。 女10・男10になると100倍になります。 このように、カップル成立の確率は、女の人数にも比例し、男の人数にも比例します。 つまり、 カップルの数 ∝ 女の数 × 男の人数 です。 比例定数Kを用いれば、 カップルの数 = K × 女の数 × 男の人数 と書けます。 ちなみに、温度が上がるとそれぞれの人(粒子やイオン)の活動が活発化しますので、Kの値は大きくなります。 というわけで、 H2O ⇔ H+ + OH- という可逆反応では、 H2Oの濃度 = K × H+の濃度 × OH-の濃度 という式が成立します。 濃度を [ ] という記号で表せば [H2O] = K[H+][OH-] です。 この式が成立するところまで中和反応が進行して平衡状態になります。 ちなみに、 中和が完了して平衡状態になった後の話ですが、 H+ + OH- ⇒ H2O という反応やその逆の反応が起こる(世代代わりする)までの平均時間は、7×10^13 年もあります。 これは、宇宙の年齢(2×10^10年)の数千倍の時間です。 ですから、中和後は、ばらばらのイオン同士は、ほとんどくっついたり離れたりしません。 これに関しては、私自身の質問 http://okwave.jp/qa/q2124013.html を参考にしてください。
補足
ありがとうございます。 直接の答えになっているのはどこの部分ですか? せっかく詳しく回答してくださったのにごめんなさい。
- windwald
- ベストアンサー率29% (610/2083)
H^+とOH^-がくっついて水になることが「中和の定義」だから、なぜもどうしても議論の余地なし。 で、水溶液中なのでNa^+とCl^-はお察しの通り、ばらばらになったまま存在しているけれど、 「化学反応式」を書く上ではイオンのままにしない慣例があるので、くっつけて書く。 たしかにNaClが水に溶けている状態と考えたって、結果として同じことだから問題なし。
補足
イオン積の比較というのは初めて知りました。ありがとうございます。 ところでイオン濃度はどのように調べるのですか? 自分でもいろいろと調べてみたいので。 あと、酸塩基の強弱(イオン同士のくっつきやすさ)は このイオン積で定義されてるのですか? 以上の2つの質問の回答をお願いします。