- ベストアンサー
時機に遅れた主張は却下できる?
民事訴訟法により、時機に遅れた攻撃、防御の方法は却下できるとのことです。 ただ、考えてみると複数の問題があることがわかります。 時機に遅れた主張を少しでも含む準備書面である場合、その準備書面ならびにその付属書類すべてを却下できるのか、という疑問を持ちます。 また、却下するとしても、一度裁判官が見てしまった後で却下するという事だと思うので、見なかったことにして下さいといっているのと同じだと思います。 裁判官も人間である以上、見なかったことにはできないと思うのですが。 主張却下にまつわる様々な疑問点について教えてください。 よろしくおねがい致します。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
だいぶ誤解があるようです。 却下されるのは主張であって,準備書面やその附属書類という書面や物ではありません。 さらに,主張といっても,準備書面に書いたことや法廷で述べたことのすべての主張が対象となるわけではなく,その主張に対する判断が,原告の請求の当否に法律上影響を与えるものとして,法律的に構成された(あるいはすることのできる)主張だけです。これを民事訴訟法の解釈上,「主要事実」と称しています。 例えば,原告の売買代金金銭支払の請求に足して,売買契約不成立として争っている場合に,仮に成立したとしても反対債権があるから相殺するという主張を提出したとします。この相殺の主張が,時機に遅れた攻撃防御方法として却下されるかどうかという問題なのです。 それ以外の,原告の請求に直接影響を及ぼすことのない単なる事実の主張などは,却下するかどうかの判断の対象にはなりません。 この主張を却下すれば,裁判所としては,相殺についての判断をすることができなくなり,売買契約が成立したという認定になれば,原告の請求を認容しなければならなくなるということです。 ですから,一旦主張して,これが却下された場合であっても,その主張を裁判官が一度見たと言うこと自体は,裁判の結論には影響しないことになります。 これらのことは,民事訴訟法の教科書の弁論主義のところに書いてあります。
お礼
ありがとうございました。