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性格のうち後天的要素で決まる部分には臨界期がありますか?
性格のうち後天的要素で決まる部分には臨界期がありますか? 小さい頃に抑圧されたり脅されたりして育った人は、自己表現が苦手です。でも大人になってから、そのような環境から開放されても、オドオドした性格が治らない場合があります。本人がどんなに努力しても治らないことがあるようです。これはなぜなのでしょうか? やはり性格の形成も言語習得と同じように臨界期があり、それを過ぎてしまうと脳の機能は死んでしまい、一生元には戻らないのでしょうか?
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こんにちは。 「学習臨界期」といいますのは脳の機能が死んでしまうということではありません。これは、遺伝的に設けられた生後一定の期間で必要な機能の習得が完了するというものであり、主に視覚野、聴覚野、言語野といった我々の脳内で「特定の役割を持つ組織」で段階的に行われることです。 これに対しまして、脳に人格を司るのは大脳辺縁系と上記以外の大脳皮質連合野であり、ここには学習臨界期というものはないです。機能が正常である限り生涯に渡る学習が可能であり、未熟なためにできないことはあっても成長期が過ぎて習得できなくなってしまうというようなものは原則的にありません。 脳の機能が死ぬということは、果たしてこれは「機能障害」であり、組織が修復されない限り一生元に戻すことはできません。ですが、我々の性格といいますのは生後三歳ごろの人格形成期には早くもその基礎が形作られてしまうものであり、ならば、それを変えようとしますならば過去に戻ってもう一度その体験をやり直す以外に手段はありません。従いまして、これは機能障害とも学習臨界期とも何の関係もないです。性格を変えることができないのはそのひとがこの時期に何かの機会を逸してしまったからではありません。性格を変えるというのは即ち自分の過去を書き替えるということであり、果たして、そんなことは元々誰にもできないです。 遺伝的な体質を除くならば我々の性格といいますのは生後体験によって作られるわけですが、成長期の脳では不適切な環境が「発達傷害」を生むこともあり、症状としましてはこれも機能障害の部類に入ります。 我々の性格といいますのは白紙状態から脳に書き込まれてゆくものです。そして、ここには学習臨界期のように何時までにどのような体験が成されなければならないといった要求は一切定められていません。これがどういうことかと言いますと、我々の人格といいますのは端から未知数であり、脳はこのために無限の可能性を与えられているということです。人格といいますのは果たしてそのひとの人生の全てであり、この世に二つと同じものは存在しません。何が不足し、何が与えられているかといった問題に正当な因果関係は成立しませんので、極端な話ですが人格障害といえどもその脳は健常であり、そこに機能障害が認められない限り正常と異常に境界線はないです。 とは言いましても、これによって社会生活に支障をきたす状態に陥るのが少数派であることは事実に他なりません。ですが、それは元々できないことなのですから、自分が少数派だから努力をしても性格を変えられないと考えるのは本末転倒です。 この場合は積極的になれずに「ついオドオドしてしまうひと」ということですから、特に人格障害として扱うようなことではありませんが、やはり悩みを抱えるひとといいますのは自分の人生には何か不足があったのではないかと考えてしまうのも人情です。ですが、我々の脳といいますのは生涯が学習であり、人生に臨界期などありません。ならば、自分には何が不足し、何が得られたかを知り、その全てを駆使して現在に与えられた状況に最も適切な結果を選択する努力を怠らない限り、果たして未来を切り開くためにわざわざ過去を変更しに行く必要はないわけです。元よりそんなことはできないのですから、我々はみなこのようにして自分の性格と向き合っているのではないでしょうか。 因みに、性格、人格は別としましても、本人の努力で症状が改善されない例としましては、やはり、発達、機能障害と、傷害のない場合は「心的外傷(トラウマ)」が考えられます。 近年では虐待などといった具体的なケースでなくとも幼児期のストレスによる海馬の成長障害が後遺症として残るといったことが色々と研究されています。また、コミュニケーション障害では同時期の両親との接触において前頭前野の学習が不十分と指摘するお医者様もいます。では、「トラウマ」となりますと、文字通りこれは心的な傷害です。虐待の記憶が失われていたり抑圧されていることがありますので、これにはやはり精神科医やカウンセラーなど専門家の支援が必要であり、中々本人の力で克服するのは困難です。 以上、ご質問の範疇を掴めずに勝手な回答となりましたので、一応この辺りも参考に付け加えさせて頂きます。
お礼
ありがとうございました。ごめんなさい。なんか辛くて、すぐに返答を書けませんでした。