昔は搗精(精米すること)技術が低く、米粒には糠が残り、また小石を始めとして異物も混じってました。それらの混入している異物を除去することと共に、米粒子表面にまだ残っている糠を取る事が、当時の米を磨ぐ事の目的でした。
現在では搗精技術が発達し、かつ石抜きと言って、混在している異物や黒変米なども全て1粒単位で選別する機械が使われています。ですから現在の米はかなりきれいです。
更に無洗米は確かタピオカ澱粉の粒子を使って、その粘着作用で米粒表面から糠などの付着物を取り去ったものです。
このため洗米の方法も変わって来た様です。昔は一度軽く水洗いをした後、僅かな水を残した状態で掌ですくい上げて掌の付け根の当たりで強く押して米粒どうしを摩擦させる事を1回に20回位繰り返し、水を取り替えて更にそれを何回も繰り返す方法が普通でした。
最近は手の指で掻き回しながら、さっと洗うだけで構わないと言われています。昔の様に強く洗米すると、米粒が壊れて破砕米となり美味しくなくなるからです。
防災関連の人が災害時の炊き出しの方法として言っていました。非常時にはポリプロピレンの袋に磨がない米と等量の水を入れて鍋で煮れば良いと。そこそこ食べられるそうです。
米を磨ぐ時には、最初は冷水で洗う必要があります。最初から温水で磨ぐと、米粒子は水を急速に吸収し、この際に米糠の臭いも米の中に入ってしまうからです。
磨ぎ終わったら温水に漬けておくことはありです。最近のIH炊飯器はこの操作を自動でしています。水分の吸収を促し、アミラーゼを活性化させて米を美味しくするそうです。
通常の白飯は、冷水から炊きます。一気に熱湯を入れて炊くとパラパラの白飯になります。バターライスは正にこの方法です。ソテオニオンと一緒に米を炒めて加熱しておき、ここに熱したブイヨンを加えて熱湯から炊きます。
所で、「研ぐ」と「磨ぐ」ですが。
研ぐとは刃物を研ぐ、金属表面を研磨する意味になりそうで、私は米は研ぐのではなくて、磨ぐものだと思っているのですが。
お礼
磨ぎ方についての詳しい説明までありがとうございます。 なんかだんだん、「お米を磨ぐのは『磨がなければ不味くて食べられなかった時代の名残』」みたいな気分にもなってきました。まあとりあえずこれで、磨ぐ人がいても、磨がない人がいても、どちらにも話を合わせられそうな感じです。 そうですね、「磨ぐ」の方があってそうですね。なんとなく世間では「お米を研ぐ」の方を多く見かけてきた様なイメージがあるのですが、辞書的には「水に入れてこすって洗う」のは「磨ぐ」でした (スーパー大辞林)。