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念書の有効性について教えてください
こんにちは。相続問題で、悩んでいます。 遠い親戚の遺産が入ることになり、A家・B家の私、兄、弟・C家でわけることになり、A家の弁護士が話を進めてくれているのですが、A家の人に私のいるB家(兄弟が3人います)の取り分をまとめてくれ、まとめてくれたら 御礼に100万円を渡すと実印の入った念書を頂き、まとめたのですが、C家が思うような金額にまとまらず、A家の人に「自分の取り分が減ったから(とはいえ一番多くもらっています)、念書は無効!50万円で手をうってくれ」と言われ、兄弟を説得する為に兄弟を訪問した日時などを考えると納得がいきません。 また、分配金額の書類にサインした後に、念書の無効性を訴えられ、本当に精神的にも苦痛を受けています。 50万円くらいでガタガタ叫ぶのは「がめつい」と言われ、 それ以上は払えないと言われています。 諦めるべきでしょうか?
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- rinkus
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念書の法的性質が問題になるでしょう。 「念書」は法律上の概念ではありません。社会通念上、「念書」は合意内容を書面としておいて、後日争いになった場合に、従前の合意を確認するための書類であると考えられます。 本件の書面は、B家の3名に遺産の範囲の確定に関する調査、その遺産分割の調整をA家の方が依頼し、これに対し100万円の報酬を与えるとの意思を表示したことを書面化したものだと考えられます。 まず、遺産の調査、遺産分割の調整はともに法律行為ではなく、また、このような事務は明確な仕事の完成が観念できないことから、A家の方と上記3名との間には準委任契約が締結されたものと考えることができるでしょう(民法656条)。 そして、本件念書は準委任契約の成立を証明する書面と言えると考えます。 また、A家の方が「無効!」と言っているのは、この準委任契約の解除を主張しているものと解釈可能です(651条1項)。もっとも、この場合、今回の遺産分割手続に関する事務の大部分を終えた後に主張しているので、「相手方に不利な時期」に該当すると考えられます(同条2項)。このとき、損害賠償を請求することができます。 ここで、損害賠償を請求する場合は、その額を明示して請求する必要があります。目安としては、一日八時間働いた場合の日当を一万円として今回の事務にどれぐらい時間を使ったか、を基準とすることが考えられます。 もっとも、分配金額の書類にサインをした後の主張であることから、委任契約は遺産分割の完了により終了した、と考えることもできます。 こう考えると、「御礼に100万円渡す」との特約がありますから、受任者たる上記3名は解除の主張の時点で既に100万円の報酬請求権が発生しています(648条1項)。 そして先ほど見たように651条1項より、解除を主張された場合、同条2項の損害賠償として100万円を請求できるかどうかが問題となってきます。 解除を主張すること自体は同条1項が「いつでも」と規定しているので、可能と考えるのが一般的だと考えます。もっとも、本件では受任者が義務を履行した後であるから、この主張はできない、と考えることも説得力があります。 仮に解除が可能であるとして、同条2項により100万円を請求できるか、は2項の「損害」に含まれるか、という点が問題となります。 通説は「損害」は「不利な時期に委任の解除をした」ことによる損害に限られるべき、と解釈しており、本件で言えば、やはり事務の終了後に解除が主張されたことにより、今まで費やした費用を請求することができるに過ぎない、と考えられそうです。 もっとも、この通説は基準が不明確、かつ、受任者が委任契約の解除によるリスクを全て負担し、委任者が有利過ぎるとして批判されており、右「損害」とは、受任者が受けるはずであった利益として、合意されていた報酬がこれに当たると解する有力説が存在します。これに従えば、100万円の損害が発生したとして請求可能であると考えます。 651条2項の「損害」の範囲に関する私見は、651条2項は、1項が委任者の任意解除権を認めたこととの均衡を図るため受任者を保護する趣旨であるのだから、前者の説のように制限的に解するべきではなく、受任者保護のため後者のように解するべきであると考えます。 したがって、質問者様を含め上記3名には100万円の請求権が存在します。諦めるべきではありません。 蛇足ですが、50万円くらいでガタガタ叫ぶのが「がめつい」のであれば、50万円を値切ろうとしてガタガタ叫ぶのも「がめつい」のではないでしょうかね(笑)
- poolisher
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1.念書に書かれている条件が(あなたの履行義務)が成就している。 2.その条件は公序良俗や法律に反しない内容である。 3.(A家の人からの)「御礼」であって、「遺産相続額」の変更ではない。 以上が満足していれば有効な契約です。 2.に関連しては非弁行為に当たるかもしれませんが、そういうことを 繰り返し「業」としてやっていなければ法律違反にはなりません。 相手が支払いに応じない場合は、念書を根拠として、支払督促なり(少額)訴訟なりを 申し立てることになります。