>人名辞典や歴史事典によって、竜之介としているものがある一方で龍之介としているものもあります
校正を経験したものからいいますと、それは出版社で表記を統一したための措置で、「竜之介」を誤りとは一概にはいえません。
歴史辞典で高い権威を持つ吉川弘文館の『国史大辞典』でも「芥川竜之介」です。
つまり、政府による国語表記基準に従ったまでです。それを行わないと、Aの人物を竜と表記にして、Bの人物を龍と表記にする基準、根拠が分からないからです(つまり芥川龍之介が正しいと思っていても、自筆で「竜之介」という表記があった場合はどうするのか)
つまり辞典として、全体の項目の統一性を図ったまでで、それをもって「まともな出版社ではない」とはいえません。
逆に全体の項目に配慮した丁寧な校正を行っているともいえます。
ですからその場合は辞典の奥書を見て、漢字表記は何をもって統一を行っているかを確認するとよろしいでしょう
お礼
詳細な御教示ありがとうございます。漢字使用の状況がよく理解できました。確かに、歴史の教育という意味では、人名としてどちらも正解というのはありえないわけで、好ましい現状ではありませんね。特に人名というのは、卒業証書でも、正確に漢字表記することに注意するわけですから、仮に芥川龍之介の卒業証書に芥川竜之介と書かれていたら、本人はクレームをつけるでしょうね。