- ベストアンサー
古文の読み方について
道長の時代が書かれた文章(栄花物語?)だったかと思うのですが、「御」という字がたくさん出てきます。 この読み方に関して「おん」「ぎょ」「み」と読むのかの区別が付かず非常に困っています。 どんなときにそれぞれの読み方をするのか、古文学に詳しい方、ご指導下さい。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
字数の関係もありますので簡潔になりますがご了承ください。 「御」の読み方迷いますよね。「ミ」「オン」「オホン」「オン」「オ」「ゴ」「ギョ」と、これだけ読み方があります。 まず「ミ」という読み方ですが、これは天皇や神仏に関する語句を読む時に使います。例えば「御子(みこ)」「御詔(みことのり)」「御名(みな)」などです。それぞれ天皇の子ども、言葉、名前を意味します。神仏に関係する言葉は神様の乗り物である「御輿(みこし)」、仏の教えてという意味の「御法(みのり)」があります。 次に「オホン」「オン」「オ」についてです。「ミ」という言葉が天皇・神仏関係に使われると書きましたが、奈良時代になると「ミ」が普通の言葉にも使われるようになったため、神や天皇に対する言葉を表すときに「御」に「大」をさらにつけて「大御(おほみ)」という言葉ができました。その言葉が使われているうちにofomiのiが抜け落ちてofom(オホム)になり、それがオホン(オオン)になりました。源氏物語などの平安時代に書かれた文章の「御」は、多くの場合が「オホン」と読むと言われています。栄華物語は平安時代の書物ですので「オホン」と読むことが多いのではないでしょうか。 「オン」は「オホン」が詰まった形で、院政が行われた時代あたりから使われていると言われていますが、はっきりとどの時代からかということはわかっていません。「オ」は「オン」がさらに縮まった形で、室町時代に女房言葉(女性らしい言葉)として広まりました。たとえば「おいしい」という言葉は、元々美味を表す「いし」に「お」が付いた言葉です。 最後に「ゴ」と「ギョ」は、「御」の後ろに続く言葉が漢語である場合に使われます。「御膳(ごぜん)」「御殿(ごてん)」などです。「ゴ」が天皇と関係ない語句にも使われるのに対し、「ギョ」は天皇に関係が深い語句に使われている場合が圧倒的に多いという違いがあります。 さらに、平安時代にも「オン」が使われている例などもありますので、初めての文章において「御」を完璧に読み分けるというのは非常に困難なことです。ですので質問者様が高校生である場合や専門的な学習が必要ない場合は、基準を知っている程度にとどめておき、そこまで気にしなくてもよいと思います。大学生や専門的な学習が必要な場合は、図書館等で専門書にあたることをおすすめします。 回答になるかわかりませんが参考にしてください。